のらねこ日記 ㊶
2月2日
20才になったポン太さんは、父より年上になりました。
時々、足の具合が悪くなったり、片目が見えなくなったりしていましたが、調子のいいときは、自力で2階に上ることができる日もありました。
でも、今年のお正月が過ぎた頃から、急に元気がなくなり、それまでお皿からしか食べなかったおやつも、ソファーに寝ころがったまま、直接手から食べるようになりました。
それから間もなく、完全に目が見えなくなったようで、玄関のたたきに落ちたり、ダイニングのイスにぶつかったりして、いよいよダメか…と家族は心配しましたが、そのうちトイレとお水の場所は臭いでわかるのか、なんとか行けるようになりました。
でも、父が獣医さんに連れていくと、もう長くはもたないと告げられました。
心臓が弱っているようで、足もむくんでしまっているとのことで、確かにもともと太い足が一段と太くなっていました。
それでもポン太さんは、一進一退しながら3週間以上頑張ってくれました。
先代猫さんたちは、最後ほとんど寝床で動かなかったのですが、ポン太さんは、違っていました。
ぐったりしているかと思うと、突然ふらふらと立ち上がり、キッチンの方へ歩いていき、突然倒れたりして、おとなしく寝ていることがありませんでした。
転がっては、空をつかむ様に前足を上げ、苦しいのか、でも鳴き声は上げず、私たち家族はどうすることも出来ず、ただ見守るだけでした。
その夜、少し様子が落ち着いたので、父が2階に寝に行き、私がお風呂に入りに行ったちょっと後に、ポン太さんが、息をしていないことに母が気がつきました。
母と私が、わんわん泣いているなか、父は、「よく頑張ったな、もう少し起きていればな…」とポン太さんに話しかけながら、顔や体を拭き、座布団の上に寝かせ直し、タオルをかけてあげていました。
こうして、ポン太さんが旅立ち、わが家の猫歴に再び幕が下ろされました。
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