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のらねこ日記 ㊺

争奪戦

  父は、相変わらず夕方になると、外に餌を置いています。
  外の猫さんたちも、わかっているようで、その時刻になると、お隣の塀の上で様子見をしていて、塀の上にいる時は、こちらが家の中から見ていても逃げなくなりました。
  ちょっと大きい白にぶちの子と小柄な三毛。
  私が最初に見た時は、2匹一緒に待っていて、一緒に食べていたので、仲良しなんだなと、思っていましたが、父に話を聞くとそうでもなさそうでした。
  ある日は、白ぶちが先に来て、全部食べてしまい、後から三毛が来たので追加であげたり、その逆もあるそうです。
  今日は、2匹で食べていると父が言うので、私がのぞいてみると、こちらに気がついたのか、カリカリ2粒残した状態で、白ぶちの姿はなく、三毛は塀の上に避難していました。
「今日は三毛のほうが後から来てたから、足りないのかな?」と、父は追加で某おやつをお皿にあけましたが、「ちょっと待って!」と私はスマホで写真を撮り始めました。その間、三毛は、下に降りたいけど、私がいるので降りられない状態でした。
  写真を撮り終わり、サッシ戸を閉めると…
  玄関の方から、こっそりのぞいていた父が言いました。
「白が食べている!」
私がサッシ戸を開けると、何も残っていないお皿と、お隣の敷地に降りてきて『…え~っと…』といった表情の三毛がいました。
  どうやら、用心深い白ぶちは、うちの裏でずっと様子をうかがっていて、戸が閉まると同時にお皿にダッシュしたようです。
  ごめんよ、三毛…

ごはん、ください


早くして!






  

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