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職業PMがスクラムマスターを行うときに気を付けるべきこと+プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違い

みなさんが今所属のプロジェクトでスクラムを導入しようとする機会は少なくないかと思います。
そのスクラムにおいてスクラムマスターを担当するのは、職業PMであることが多いかもしれません。
スクラムマスターで応募してスクラムマスターとして入社しているような職業スクラムマスターの方は今回は対象外です。
スクラムマスターとPMは似ているようですが、職能的には別の役割であり、必要となるスキルも異なります。
今回は職業PMがスクラムマスターを行うときに気を付けるべきことを記載していきたいと思います。

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違い

はじめに”PM”そのものの話をしなければなりません。
単に”PM”と言っても『PdM』と『PjM』があります。

  • PdM=プロダクトマネージャー

  • PjM=プロジェクトマネージャー

まずはこの2つの違いについて記載したいと思います。

PdMとPjMの違い1
PdMとPjMの違い2

”PM”と一括りに言っても、『PdM』と『PjM』とでは責任範囲や必要なスキルなどが異なることが分かります。
これは一般的な違いをまとめたものになりますので、組織によっては異なる場合もあるかと思います。
いずれにしても組織との期待値調整を行い『PdM』と『PjM』どちらを求められているかすり合わせが必要でしょう。

スクラムマスターとは?

スクラムマスターはスクラムチーム上の役割の一つです。

  • プロダクトオーナー(1人)

  • スクラムマスター(1人)

  • 開発メンバー(複数人)

スクラムは上記3つの役割で成り立ちます。
PdMとPjMと同様に責任範囲や必要なスキルをまとめてみます。

スクラムの役割1
スクラムの役割2

こうして見てみると、PdM/PjMがスクラムマスターと責任範囲や必要なスキルなどが異なることが分かると思います。
逆にPdMとスクラムプロダクトオーナーはかなり近いことも分かります。

職業PMがスクラムマスターを行うときに気を付けるべきこと

それぞれの違いについて分かったところで今回の本題です。
職業PMはPdMかPjMのどちらかとして期待されプロジェクトに関わっていると思います。
最もパターンが多そうな"PjMがスクラムマスターを行う場合"から見ていきたいと思います。

PjMがスクラムマスターを行う場合

PjMが持つべき責任範囲や必要なスキルが、PjMがスクラムマスターを行うことによって抜け落ちてしまっていると思います。
PjMが持つべき範囲をスクラム理論に合わせて分散や置き換えができるので項目内容に応じて割り振りを行います。

PjMがスクラムマスターを行う場合の役割分担
  • PjMのゴール/ミッションである「プロジェクトを成功に導くこと」はスクラムチームにおいて全員が持つ責任になります。

  • ”When”はスクラムの場合スプリントごとにリリースがあるので明確にありますが、プロダクトバックログを管理してリリースできるかを判断しているという意味ではスクラムプロダクトオーナーが持ち、スプリントごとの"When"として捉えると開発メンバーが持つことになります。

  • "How"はそのまま開発メンバーになります。

  • スコープ管理や品質管理などはプロダクトバックログ管理に一端になるのでスクラムプロダクトオーナーが持ちます。

  • スケジュール管理は"When"と同じ考え方です。

  • ステークホルダー管理はスクラムマスターの障害物排除支援と捉えることができます。

このようにスクラム理論に基づいてPjMが持つべき範囲を分散して割り振りを行うことができます。
重要なのはこの分担にすることをチームと合意しておくことであり、その責任は「スクラムを確立させること」を担うスクラムマスター(職業PM)にあることを気を付けたいところです。

PdMがスクラムマスターを行う場合

PdMがスクラムマスターを行う場合は、PdMとスクラムプロダクトオーナーの役割が似ているので、PdMが持つ範囲をスクラムプロダクトオーナーに渡し、空いたPdMの人がスクラムマスターを担当することになります。
一部ビジネスサイドやPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)相当に割り振る必要がありますが、図からも分かるように「PdMがスクラムプロダクトオーナーを行う」方が職能的に近く無駄がないと言えます。

PdMがスクラムマスターを行う場合の役割分担

職業PMがスクラム"プロダクトオーナー"を行うときに気を付けるべきこと

ここからは番外編です。
「PdMがスクラムマスターを行う場合」でもお見せしました通り、職能的に「PdMがスクラムプロダクトオーナーを行う」のが良さそうなことが分かりましたので、職業PMがスクラムプロダクトオーナーを行うときに気を付けるべきこととして、上記2パターンに合わせて考えてみました。

PdMがスクラムプロダクトオーナーを行う場合

図としては「PdMがスクラムマスターを行う場合」と同じですが、スクラムマスターと開発メンバーが既にいて、スクラムプロダクトオーナーがいなくてPdMがいるときに、PdMがスクラムプロダクトオーナーを行うことは、職能的にも近くハレーションが少なくスムーズに進められそうです。

PdMがスクラムプロダクトオーナーを行う場合の役割分担

PjMがスクラムプロダクトオーナーを行う場合

上記同様図としては「PjMがスクラムマスターを行う場合」と同じです。
分散、割り振りの考え方も同じです。

PjMがスクラムプロダクトオーナーを行う場合の役割分担

そうやって分散して空いたPjMの人がスクラムプロダクトオーナーをするのですが、PdMとスクラムプロダクオーナーが似ていて、PjMとPdMが異なるように、PjMとスクラムプロダクトオーナーも異なりますので、上記の「PdMがスクラムプロダクトオーナーを行う場合」と比較すると職能的に遠い分難しく感じるかもしれません。

イメージですが式にするとこのような感じです。
PdM ≒ スクラムプロダクトオーナー
PjM ≠ スクラムプロダクトオーナー
PdM ≠ スクラムマスター
PjM ≠ スクラムマスター

今回は職業スクラムマスターがスクラムマスターを行うことは対象外としておりますが、スクラムを行う場合は、職業PdMがいるのであれば、わざわざ職業PjMがスクラムプロダクトオーナーを行うよりも、職業PdMにスクラムプロダクトオーナーを担ってもらうのが良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
職業スクラムマスターはまだまだ少ない印象がありますが、数年前までプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーが職業として市民権を得ていなかったことを鑑みると、数年のうちに一般的になっている可能性もありそうですよね。
そうなるまでは職業PMがスクラムマスターとして今回の記事を参考にして頂ければ嬉しいです!

最後に

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