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波多恵
2023年8月11日 23:39
おれが部屋に入ったことにも気づかず士郎は双眼鏡で海を見ていた。窓際の簡易机にはノートが開いている。「洋上監視員にでもなるつもりか」士郎はノート閉じると振り返った。「来てたのか?」「10分前からここに立っている」「すまんな」「ここからはよく見えただろうな」「知ってるようだな」「情報としてはな」「二日の午前4時20分に沖の方へ曳いていったよ。7艘だった」「誰にも言ってないよな」