「もう大きくなったからね。」
2歳9ヶ月になる道くんは、自分で布団を用意したり、ごはんをつくるのを手伝ってくれる時がある。こっちはそうしようと意識せず「すごい~!!」と驚く。すると道くんは得意げに「もう大きくなったからね。」と言う。大人になること、成長することへの素直な憧れと喜びがある。この喜びは本来、人間が死ぬまでずっと抱かれるものだ。
僕は小学生の頃には既に「大人になりたくない(社会という土俵に立ちたくない)」と思っていた。大人になるとは、自分を押し殺すことなのだと感じていた。枠に入ることを許可される