町議会議員に立候補する妄想をずっとしている

-政治の話しが喧嘩の原因になるのはお互いの理想をぶつけあうからなのではないかと感じ始めた。理想から会話を始めるのではなく、「困っている」という状態をお互いに共有するところから話しをスタートすると、喧嘩になって疲れることがない。そして2019年の参議院選挙の前に、世代やセンスを越えて困りごとをお互いに共有することから政治をはじめようという会を思いつき、それを開催してみた。
 “困っていることを解決するのが政治です。税金はその為に払ってます。罰ゲームで払ってるわけではありませんよ、皆さま!ということを、政治家はもちろん、僕たちもみんな忘れてる。選挙期間始まったけど、みんな政治分からない、難しいと思ってませんか?ホントはとってもシンプルなこと。
「困ってることを解決する」
それが政治。「あなた/わたしが困っている」という状態が既に政治なんです。
その困りごとに対して、どういうリアクションをする人を選ぶか。それが選挙です。立派な意見が言えなきゃ、豊富な知識が無きゃ…って縮こまってませんか?心配ない!Be happy!
自分が今何に困ってるか、どういう世界に暮らしたいか。それをイメージして、投票する人を選ぼう。それだけです。
さて、今回の企画は、そういったみんなの困っていること(CRISIS)をカタログにしようというモノです。じいちゃんばあちゃん世代が今何に困ってるか、若い世代が今何に困ってるか、お互いに知らない。世代とセンスを超えて、あらゆる人の困っていることをまずはお互いに知りたい。そしてリストアップしたら、まずはアナキズム的アプローチである相互扶助で解決を目指す。それでも解決できないことは、政治に求めていきましょう。その為のカタログを作ってみようという企画です。
毎回選挙の度に思うけど、立候補者をどうやって選びますか?
小さな選挙区だと、その立候補者が何を大切にして生きていこうとしている人なのかが全く見えてこないんですよ。毎回めちゃくちゃググって調べても、一切何も情報が出てこない。そして立候補者自身は自分の名前と所属政党しか言わない。これで一体どうやって投票しろと?
仕方がないから毎回顔のカタチとか所属政党とか名前の語呂の良さとかで投票するけど、そんなのは全く何の意味もない!笑 よくTVで見るからやっぱこの人かな。とかももう嫌笑 そういう選挙も終わりにして欲しい。ちゃんと理想を語って欲しいし、暮らしている人たちの声にどういうリアクションを取る人なのか知りたい。今回作ろうとしている『WHOLE CRISIS CATALOG』は、こういったシチュエーションの時に役に立つはず。カタログの中からみんなの困っていることをピックアップして、立候補者に投げかけてみよう。そこで返ってくる答えは投票するかしないかを決める良い判断材料として役立つはず。今回の企画、色々な人と関わって、そこのところまで持っていきたい。(いつかは)

※ちなみにWHOLE CRISIS CATALOGとは、伝説の雑誌WHOLE EARTH CATALOGのスピリットを引き継ぎたいと思いながら作るパクりカタログです。

“そのカタログは「60年代のまだパソコンもない時代、グーグル誕生の35年前に出されたグーグルの雑誌版のようなもので、理想に満ち、有益な道具や偉大な概念がページのはしばしから溢れていた」”(spectator vol.29付録より)
という雑誌がWHOLE EARTH CATALOGです。人々を受動的な消費者としてではなくDIY精神を喚起し「生きること」を自らの手に取り戻す。そのような雑誌であったそうです。
僕らのこれから作ろうとする『WHOLE CRISIS CATALOG』の目指すところは、「環境を変えていくのは自分たちだという実感をつくる」こと、「政治を自らの手に取り戻す」ことです。
そしてそこにリストアップされる人々の困りごとは、単なる悲痛な物事の羅列ではなく、これから全員で解決すべき課題のリストであり、共に解決する為に人々を結びつけるツールとすることを目的とします。そんなようなことを始めようという企画です。
汽水空港、これまでDIYやセルフビルドを通じ、失敗は付き物だということを学びました。そしてその失敗こそが大切だということも。失敗の数だけ、だんだんと出来ることが増えていくことを知っています。「家って自分で建てれるんだ」ということを実感した時、蒔いた種が芽吹き、実を付けそれを食べた時の力強い喜びも知っています。ただ、それは自分の中だけの喜びだということも知りました。
これからはDIYやセルフビルドの喜びを人と分かち合いたいんです。お互いのCRISISを、自分たちの手で解決できるんだという実感をつくりたい。環境を変えるのは自分たちなんだという自信が欲しい。その為のツールが「お互いのCRISIS」なんです。困ってることがたくさんある時代で嬉しいね笑 その分だけ解決する喜びも多いぞ。”
このような宣言文をつくり、実際に自分の店で開催したところ、10代後半から50代くらいまでの様々な人々が約20人が集まった。そしてリストアップした困りごとを島根・鳥取選挙区の立候補者全てに送り、自身の掲げる政策や方針と困りごとが合致するかどうか、そのリアクションを求めた。返信をくれたのは一人の候補者だけだったが、その候補者の返答を参加者に伝えた。参加者はリアクションの有無、返答の言葉に応じて投票するかどうかを判断する。「自身の生活」と政治がシンプルに結びついた。

『困りごとから民主主義をつくる』モリテツヤ著 より

という文章を以前『世界思想』という文章に寄稿した。「whole crisis catalogをつくる」というアイデアを思いついてから5年。このアイデアはジワジワと全国各地に知られ、色々な方々がそれぞれの場所で時々開催してくれている。
僕はというと、この会を思いついたものの、開催する時間や気力がつくれないでいる(一度開催すると、自分の場合6、7時間かけてその場にいる人と話し続けてしまうから)。しかしずっとうまい具合にちゃんとカタチにしたい、このアイデアを社会に組み込みたいと考え続けている。
去年、松本市の市議会議員になった本屋栞日の店長、菊池さんが松本でwccを開催し、連絡もしてくれた。菊池さんは、実際に議員という立場になり、そしてwccに何か有効性を認めてくれたのだと思う。こうして時々各地で開催してくれた記録、各地の困りごと、それに対するなんらかの解決策、それらがうまい具合にアーカイブされ、それを誰もが閲覧することができるような、そんなwebサービス(サービスなのか?)をやることができたらとずっと考えている。

4年くらい前から、町議会議員に立候補しようかとも考え続けている。人がwccを開催するのはちょっと荷が重いのかもしれない。
政治家ではない人がお互いの困りごとを共有し、なんらかの行動をはじめることこそが本当の政治で、「政治家が生活者に困りごとを聞く」という行動は、政党の為の政治、政治の為の政治になってしまう気がする。そんな気がしてもいるが、まずはwccをちゃんと町の日常に組み込み始動させるには、町の議員という立場にもなり、本屋の売り場に立ちつつ、訪れる人の困りごとを聞き、本に知恵を尋ね、議題として政治の場にもその問題を届けるというのが良いかもしれない。そんな予感もしている。町議会議員としてもらう税金、それをwcc webの立ち上げ資金、運用資金にできる。そしてそのwebを、全国各地の地方議員と共に動かしていくことができたら、「政治」というものを自分たちでつくりあげられるもの、変えていけるものという実感を生み出すことができる。そんな予感がある。それでこの4年間、ずっと「もし町議会議員になったら」という視点で密かに暮らし続けている。その視点で暮らし続けて、もはや僕は議員になったかのように勘違いしてさえいる。想像しているのは、「公務員や政治家を基本的に敵視する人が店に来て、何時間でも文句を言うかもしれない」ということ。そこにどこまで向き合えるか。そんなことを考えながら生活していると、公人にも個人にも無闇に石をぶつけるのはやめようという気にもなってきているし、議員でもないのに、議員の人や公務員の人の大変さもちょっと想像できるようになってきている。というより、公務員の人たちも誰にも困っていることを伝えられずにいる。そのことも分かってきた。そうだ、昨日国会議員の秘書をやっているという方も店に来てくれた。僕は多分その国会議員のことあんまり好きじゃないけど、秘書の方は「国会議員はお金たくさんもらいやがってと言われてるけど、彼ら、お金使う暇も無いくらい忙しくしてる人が多い」とも言ってた。それを鵜呑みにもできないけど、少なくともただ文句の石をぶつけることができる対象として見るのではなく、人間として見ようとする努力はしなきゃいけないのではないかと思う。
というように、「議員になったら」と仮定して暮らすだけで、様々な縛りや圧を感じるようになった。まあ、要するにただビビってるだけなのかもしれない。しかしこれらのビビリを抱えながらも、尚、町議会議員になってみたいという気持ちがある。現時点ではまだ僕は公人でもなんでもない、謎の本屋の主だ。この謎の本屋の主という立場から、ちょっと立候補のシミュレーション、議員になった時のシミュレーションをこのnoteに書いてみたいなと今思っている。まずは立候補した時の街頭演説の下書きを書いてみたい。

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