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【読書】リーダーシップとマネジメントと哲学の関係性

私がリーダーシップとマネジメントの違いを意識したのは、「THE TEAM」という本を読んだ後からだったと記憶しています。

この本では、チームで仕事をするにあたっての考え方やノウハウが体系的にまとめられており、チームで働いてリーダーのポジションにいる人におすすめです。
この本を読むまではリーダーシップとマネジメントは言葉の違いくらいの認識しか持っていなかったのですが、この本を読んでから、リーダーシップとマネジメントは別のものだと認識しはじめました。

まずリーダーの一番の仕事は、ゴール(目的や目標)を設定すること、そして、現在地からゴールまでの道のりを示すことにあります。
そしてその道のりを、リーダーが先頭に立って全体を引っ張っていくのか、それとも一番後ろから見守りながら全体を後押しするのか、それとも横一列になって一緒に歩いていくのか。
その進み方がリーダーの個性になるのだと思います。
リーダーにもいろいろなタイプのリーダーがいますが、どんなタイプであろうと確実にやるべき仕事が、ゴールとその道のりを決めることです。

一方マネジメントとは、その道のりからはぐれて別の道を進んでいる人をみつけ、軌道修正して元の道に戻してあげることです。また、全体から遅れを取っている人を見つけてサポートする方法を考えることなどもマネジメントの仕事です。

以上が、私が思うリーダーシップとマネジメントの違いです。ここまでは単に役割の違いなのです。

続いて別の本の話になるのですが、最近、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』という本を読みました。
この本を読んだことで、リーダーシップにおいて必要な能力について理解を深めることができました。

この本を読んでから、リーダーシップとマネジメントではそもそも必要な素養が異なると分かりました。

この本の内容をざっくり紹介すると、今までの日本の企業経営は、主に論理と理性に重きを置いて経営判断を下してきたが、今の時代、論理と理性だけのリーダーシップでは限界があり、今後「美意識」が重要になる、という内容です。

ここでいう美意識とは、感性や直観と呼ばれるものです。
直観が論理の対義語で、感性が理性の対義語といったところでしょうか。

この本を読んで思ったのは、リーダーシップに必要なのは、直観や感性で、マネジメントに必要なのは理性や論理なのだろうと思いました。

もちろん、全て直観や感性だけでリーダーシップが成り立つわけではなくて、論理や理性も必要ではあるのですが、リーダーになる人は、理性や論理も持ちつつ、直観や感性が優れている人でないといけないのだと思います。もしくは、リーダー自身に論理がないとしても、リーダーを支えてマネジメントする人間には、論理や理性が必要になってくるのでしょう。

この記事のタイトルにはもう一つ、「哲学」というキーワードを入れているのですが、先に紹介した本の中で、美意識を鍛えるうえで重要になるのが哲学だと述べています。

欧州では、理系文系問わず、哲学が必修科目になっており、哲学を土台として様々な専門分野を学んでいくのだそうです。
一方で日本ではその哲学の部分がごっそり抜けており、土台がない状態でビジネスの論理を学んでいくことが問題だと指摘しています。

この内容を読んだときにふと頭に思い浮かんだのがこの本です。

この本の中で、「数学も物理も、哲学の一部である」という一文があります。数学や物理というと、サイエンスの根幹をなすための学問ですが、その数学と物理も実は科学哲学という哲学の一部でしかなくて、哲学とはとてつもなく幅広い学問なんだそうです。

確かに日本では哲学という学問にはあまり重きを置いていない印象はあります。これからの時代、哲学が、人の上に立つような人、つまりリーダーとなる人の必須の学問となるのでしょう。

私自身、講師として、人を育たる立場の人間として、哲学を学んでいく必要性を感じました。

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