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【読書】「東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!」中学数学を最短でマスターする

タイトルの通りです。

新聞広告でも掲載されていて気になていたので、購入して読んでみました。

大学の頃は数学を専攻していたこともあって、数学関連の本を多く読んでいました。しかし卒業して直接数学と関わり合うことがなくなってからは数学関係の本を読む機会は減りました。

でも数学自体は今でも好きで(できるわけではないけれど)書店に行って面白そうな数学の本があると気になってしまいます。

本の内容もタイトル通りで、東大の先生である西成先生が、文系で数学アレルギーの大人に分かりやすく数学を教えるという内容です。

範囲としては中学数学で、本書を読めば数時間で中学数学の本質を理解できてしまうということで、中学生が読まないようR16指定とされています。(本当に読まないでほしいのか、そういう宣伝方法なのかは分かりませんが。。)

読んでみての率直な感想は、これもタイトルの通りなのですが、普通に分かりやすかったです。

初めに数学を学ぶ目的や、数学がどう役に立っているかという話をしており、数学を勉強することの意味を教えてくれます。

その後、中学数学で習う範囲をカテゴリ分けして、カテゴリごとに学習を進めていきます。

数学の計算は、ただの数字や文字の計算にならないように、具体例を活用してお話していて、とても分かりやすかったです。

途中、じっくり考えないとついてこれない部分もいくつか出てきましたが、中学レベルの数学を短時間でざっくり復習したいという人には良い本だと思います。

難しいことを理解していなければ、分かりやすく伝えることはできないのか

この本を読んで私が最も考えさせられたのは、物事を分かりやすく伝えるためには、難しいことも理解している必要があるのかもしれない、ということです。

タイトルからわかる通り、この本で数学を教えているのは東大の先生です。

東大で数学を研究しているということは、当然、一般の人からすればすごく難しい数学もできるということ。

そういう難しい数学の研究をしている人が、中学レベルの数学を分かりやすく書いているのがここで紹介している本です。

でも、実際に中学校の現場で数学を教えているのは、中学校の数学の先生です。

ならば、中学レベルの数学を分かりやすく教える術は、東大の先生よりも、中学校の先生が習得していなければいけないものではないでしょうか。

ですが私の知る限り、現役の数学教員の方が書いた数学の本は見かけたことがありません。
(私が知らないだけかもしれません。本当はあるかもしれないです。塾講師の方が書いた本なら見たことあります。)

結局、物事の本質をついた分かりやすい教え方をできるようになるためには、高度で難しい部分にまで足を踏み入れていることが本来は必要なのかもしれません。

ただし、難しいことを理解しているからといって簡単なことを分かりやすく説明できるわけではありません。

この本の著者である西成先生は、数学の教科書作りにも関わっているそうなので、教育にもかなり力を入れていて、だからこそ中学数学の本質をついて分かりやすい説明ができるのだと思います。

教員という仕事はかなり忙しいようで、教員の働き方改革の話題もよく見かけます。

しかし、人に教えるという仕事をしている以上、自分自身が教えている分野について学び続けることが仕事を続ける絶対条件だと言えるでしょう。

私は今講師という立場で、人にプログラミングを教えています。

人に教える時は分かりやすく伝えることを意識していますが、分かりやすさのレベルを上げるためには、きっと自分自身がプログラミングを更に深く学んでいくこともしなければいけない、と再認識させられる本でした。


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