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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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#フィルムカメラ

LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし

モノクロフィルムで綴る冬の記録

フィルム価格高騰と忙しさとモチベーション低下で、36枚モノクロフィルムを撮るのに11月末から1月初旬まで要してしまった。 そして久々に現像に出し、フィルムスキャン。 久しぶりのフィルムスキャンで、『えーっと、手順はどうだったかな』と。 本日は、SNS投稿にはあまりにもタイムラグがありすぎるので、折角だからnoteにまとめておくことにする。 この半年くらいで仕事や家の中もリセットしたい気持ちが強まり、断捨離していった。 そして、レンズも尽く手放し、コンデジ以外のレンズ交換式

遅れて届いた夏からの手紙

9月から別荘の改装が始まり週末忙しく、また12月までの仕事やイベントのスケジュール組みで気持ちも急ぐ今日この頃。 noteに書きたい事も溜まってきているので、夏休みの宿題のようにややプレッシャーを感じつつも、『いやいやnoteはそんなつもりで頑張らないから』と言い聞かせて、ボチボチ順に言葉にして行くことにする。 さて、夏に撮ったフイルム写真の現像が戻ってきた。 夏からの手紙が遅れて届いたようで、セーターを着ている今になって写真を見返すと、やや痛々しく、胸がキュンとする。

フイルムで果物を撮る

夏から秋、冬と果物のバリエーションが目白押しで、花と共に果物の形や色、質感に惹かれて、写真を撮っている。 いわゆる 『果物版 still-life-photography』 無論、デジタルカメラは色や質感を忠実に細部まで再現すると思うが、フィルムで撮ってみたらどうなるだろうかと色々試している。 洋梨。 50年以上前のオールドレンズ、Leica DR-summicron とモノクロフィルムで撮ると洋梨と膝掛けの質感が『鉛筆画』のような荒いタッチで表現された。 分割してみると

秋風に身を任せて 秋明菊

昨日は、記事を書こうとPCへ向かったが、流石に台風による低気圧降下に押し潰されて無理だった。 ようやく和らいだところで、いよいよ秋の花の話をしようと思う。 秋の庭の草花で一番好きな花、といえば秋明菊。 ピンクもあるが、白がいい。 マットな白い花弁が秋風に揺れる様子は、眺めているだけで『ああ、やっと秋が来たな』と。 こちらは、横浜の『港の見える丘公園』にて、昨年モノクロフィルム撮影したもの。この公園の植栽は、いつもセンスがよく四季折々目を楽しませてくれる。 秋明菊について詳

モノクロの時計草

7月は、梅雨末期から夏に変化する微妙な月。 梅雨明けが長引いて太陽が待ちきれなかった年もあれば、今年のように早くに梅雨明けしたものの、また逆戻りのような不安定な年もある。 この時期、人間も気候に合わせて体の調子を整えるのが難しい。 しかし、植物は柔軟だ。 年によって、遅かったり早かったり、沢山花を付けたり、または寂しい年もあるが、時間にになると咲いてくる。 時計草。 鎌倉の光則寺さんの手前にある幼稚園の壁一面の時計草。 毎年、楽しみにしている。 先週、様子を見に行ったが、今

アナログなフィルムスキャン

少し時間が取れたので、これまで撮ってきたモノクロ写真を並べ、まとめる作業をしている。 本日は、フィルムスキャンの話。 以前は、現像とスキャンまで現像屋さんにお願いすることが多かったが、依頼先によってあまりにもアウトプットされてきたものにブレが大きいので、一年くらい前から現像は毎回同じところ依頼し、フィルムスキャンは、自分で行っている。 フィルムスキャン後はLightroom→photoshopで手焼きと同じ程度の修正を加え(明るさ、コントラスト、追い焼き少々程度)一旦確認

菜種の頃

あっという間に葉桜から楓も緑の葉を広げる季節になりました。 菜の花ももう菜種になる頃。 さて、こちらの写真は、数年前に撮った写真で、とある企業様の公式SNSで昨年春ご紹介いただいた写真です。 自分でも好きな写真ではありますが、今振り返ってみると、その頃は少し脚色した構図ですね。 そして、今年撮影した菜の花。 霞んだ水平線は皆様ご想像ください(笑)。 よりナチュラルな写真が自分の中でしっくりくるようになりました。 最近、SNSのアカウントで『だいぶ投稿の回数を減らしま

偶然の失敗を愉しむ

朝ボーッとしていて、フィルム交換しようとカメラにフイルムが入ったまま、裏蓋を開けてしまい、立ち直れないショックだった件は、先日お話ししました。 その現象が戻ってきました。 『おお、割とまともに現像できていそう。』 蓋を開けていたのは、わずか2秒くらいだったので、フィルムロールの中心に近い部分はほぼ大丈夫でした。 私が主に被写体としている生きている花を撮る場合は、自然風景写真やstreet-photoと同じで(大体において写真とはそういうものですが)蕾から開花、枯れるまで

シュールな黒い花

私は、白い花が好きだ。 年間を通じて多く撮影している。 特に花弁が透けるような白い花。 それは、逆光で撮るとその質感がよく見えてくる。 堅そうな花弁なのか、今にも壊れそうな花弁なのか。 触れてみたいと思わせる。 では、黒い花。 厳密に言うと真っ黒な花はない。 大体が黒に近い濃い茶色か濃い紫。 撮影すると大抵黒潰れする。古いフィルムカメラだと特に調整不能。 輪郭しか残らず、なんだかわからなくなる。 でもあえて撮ったままにしておく。 ちょっとシュールで、惹かれてしまうから。

色彩のない季節を撮る

写真で季節、時間の流れを表現する場合、光の強さや弱さ、柔らかさ硬さなどの要素は欠かせないと思う。 私は、デジタルカラーで室内で花を撮影するときも間接照明は使わない。その季節には、その季節なりの光の要素を持っていて、季節の花はその光の下で生かしたいと思っているから。 特にモノクロになると、色彩の要素がなくなった分、そこが現れているかどうかが、後々自分のお気に入りの一枚になるかどうかの判断基準としている。 今日は、彩りの少ない2月の季節写真をいくつかご紹介。 2月の夕暮れ