季節花人 | Shoko Kondo

セカンドハウスのリノベーションと暮らし。移ろう季節の植物、アンティークなどをテーマにし…

季節花人 | Shoko Kondo

セカンドハウスのリノベーションと暮らし。移ろう季節の植物、アンティークなどをテーマにしたエッセイ。

マガジン

  • 時間旅行

    アンティーク、珈琲、レトロな喫茶店、クラシック建築など。心地よい時間の過ごし方、古くて美しきものへの時間旅行

  • 花譜

    四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。

  • セカンドハウス

    古き良き時代の昭和の別荘リノベーション記録。

  • フィルム写真

    フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。

最近の記事

セカンドハウス 『6月の庭と飴色ビンテージ』

湿気と暑さで不快な梅雨到来。 セカンドハウスのヒメシャラも6月末でほぼ花の終わり。 6月末の庭は、スモーキーな緑の森だ。 6月の庭作業は、草刈り、雨に備えて側溝の落ち葉除去。 そして暴れた梅の木から少しの梅を収穫。 剪定もしていない枝だから、伸びたい放題。上の方につけた実は『三角ホー』で枝を引っ張ってもぎ取る。 『三角ホー』は雑草取り用の道具なのだが、コンクリートにへばりついた苔落としとか、色々な意味で優秀な道具。 レーキと三角ホーは必須アイティム。 庭に植えた山紫陽花は

    • 梅雨前の植物の手入れ

      本日は有志で植物の手入れをしている集合住宅の5月、6月の庭について。 まずは、5月初め。 今年は前年の剪定がよく、大手毬が見事に開花した。 実はこんな感じになればいいなあとセカンドハウスにも苗木を植えている。 白い花だけの庭をいつか作ってみたいと思っている位、白い初夏の花木には目が無い。4月に植えたばかりの柏葉紫陽花は葉が全部無くなるくらい、『鹿の食害』にあったが、隣の大手毬は芋のところ無事。来春無事に乗り切れることを願っている。 次に5月末には夏椿も咲き始めた。 夢のよ

      • セカンドハウス 『ヒメシャラの庭』

        GWが過ぎて、セカンドハウスへ向かう週末の朝、出発時間に少し余裕が持てるようになった。 さらにいいことは、到着直前の街道沿いに地場産の野菜や植木などを販売している『道の駅』があり、出発を遅らせることでちょうど開店時間にぴったり間に合うようになった。 朝9時。地元の人たちで賑わっている。駐車場はあっという間に満車だ。 店内はどれも安くて新鮮なお野菜や果物が棚にぎっしり並んでいる。 もうそれだけで豊かさを感じ、気分が昂揚してワクワクする。 季節がもう終盤の夏蜜柑、今が旬の枇杷、

        • セカンドハウス  『障子張りと5月の庭』

          いわゆる『別荘』を英語にすると、『villa』や『second house』と言われるようだが、それぞれ若干ニュアンスが違うらしい。 こちらは、豪邸でもないし、バカンスで泊まっているわけでもないから、どちらかかというとやはり『second house』の方が近いだろう。 そう、いわば今の自宅の『離れ』的な存在。 今のところ、週末行って、作業して珈琲を飲んで帰ってくるというルーティーン。 キッチン、水周りの大規模リノベもまだ見積理段階であり、5月の作業は極めて地味な『整え』作

        セカンドハウス 『6月の庭と飴色ビンテージ』

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        記事

          セカンドハウス 『緑の風と光』

          緑が濃くなったヒメシャラの葉がさわさわと揺れ、緩やかに傾斜した南側の窓から、爽やかな5月の風が家の中を抜けてゆく。 イサムノグチの照明も風に乗って、それぞれがふわふわと揺れて面白い。 南と北に大きな開口部があるこの家の風通しの良さに、改めて感心する。 『障子張り替え』のため障子を取り去った窓からは緑色しか見えない。 庭仕事を終えて、一服。 夕方の木漏れ日に感動する。 ここなら光遊びができそうだから、明治大正時代のガラスプレートを久しぶりに持ち出して、ここで使ってみようと思

          セカンドハウス 『緑の風と光』

          セカンドハウス 『ヴィンテージ椅子と音』

          3月末から父、母に続き今度は飼い猫の入院騒ぎ。 同時並行で仕事とセカンドハウスの準備、という大きな環境の変化を受け入れつつの心労が重なり、半ば暫く人生を休みたくなってしまった。 しかしお陰様で、今は猫も危機的状況からカムバック。 そうしている間に、庭のヒメシャラが一気に芽吹き始め、『緑の森』に替わった。 イギリスヴィンテージG-PLANの椅子をようやく搬入。 珈琲を飲みながら『庭を見ながら何もしないをする』のがここでの愉しみだ。 椅子は実際に座ってみないと分からないので、

          セカンドハウス 『ヴィンテージ椅子と音』

          セカンドハウス 『静寂の庭劇場』

          セカンドハウスの引き渡しが無事終わり、すぐに4月を迎えた。 庭のヒメシャラも芽吹き始め、野鳥のさえずりだけが長閑にこだましている。 本日は、手を入れる前の庭の話。 1月の内覧時は、ヒメシャラの大木の落ち葉の間に、日本水仙がポツポツと。その後2月から3月は純白の猫水仙(白房水仙)から黄色のラッパ水仙に自然と交代していった。 庭の隅には、鹿のフンと、木肌が剥げた幹あり。 暫くここの来訪者は、動物ぐらいだったのだろう。 前回も話したように、このフロントガーデンは暫く植栽はせず、

          セカンドハウス 『静寂の庭劇場』

          セカンドハウス プロローグ 『イサムの家』

          人生には、いくつかの大きな転換期が訪れる。 若い頃は、夢や希望に向かって飛び込み台に上り、躊躇なく先の見えない深い水の底を目刺して飛び込んでゆくものだ。 半世紀以上歳を重ねるとこれまでの経験からその怖さや痛みも想像でき、それが逆に『あだ』となり、熟慮を重ねた上に踏みとどまることが多くなる。何らかしらの大きな『きっかけ』がないと動けないものだ。 昨年の父の死を目の当たりにして、健康寿命を考えるようになった。 『あとどれくらい何ができるか、やり残したことはないか。。。』 植

          セカンドハウス プロローグ 『イサムの家』

          京都 蚤の市とレトロな旅

          久々の京都です。 旅は、身軽にスマートに。 小さいカメラを鞄に入れて手荷物の少ない日帰りが好きだ。 関東からだと朝早いことだけ目を瞑れば、午前9時には京都駅に到着。 今回は、京都通の友人のアテンドによる『平安蚤の市』をメインにレトロな旅を企画した。 地下鉄メインの東京都は違い、京都を効率よく巡るには『バス』が最適だそうで、まず到着したら『地下鉄・バス一日券1100円』を購入するようにとの指示があった。 しょっぱなから新幹線の出口を間違え、バス乗り場まで地下通路で迷った。し

          京都 蚤の市とレトロな旅

          春の兆し

          久々のnoteになります。 昨年末から今月にかけて、言葉にならない位の不運なことが連続。 一度立ち直りかけた気持ちもすっかりへし折られて、冬空を見上げてはため息ばかり。 冬の裸木もそれはそれで美しいと感じる。 水面に映る揺れる枝先も。 ダメな時はあがいてもダメ。時を待つしかないことを学ぶ。 目に映る自然の映像だけが真実。 3ヶ月の間、花や写真にも気持ちが離れてしまった。 カメラも断捨離しようかな、とまで考えていた。 何かを発信する力もすっかり無くなって、SNSも辞めたく

          それでも春はやって来る

          明けましておめでとうございます。 あっという間に本日、2024年元旦。 この夢や希望を語るべき晴れやかな日に申し訳けないが、これをまず語らねば新しい一歩を踏み出せないので、記しておきたいと思う。 実は約2ヶ月間、noteの投稿ができない環境に置かれていた。 父が昨年11月に急病で入院し、見舞いと在宅看護と高齢の母のサポートで、先の見えないジェットコースターに乗っているようだった。 不安と寝不足と疲れのまま、仕事も十分できず、いつしか季節は秋から冬と過ぎて行った。 紅葉が、

          それでも春はやって来る

          お庭探訪 山下公園、港の見える丘公園 

          最近、想定外の事態に見舞われ、その収集に追われて疲れもピーク。 それでも、リビングのカーテンを開けて雨の朝、しっとりとしたバルコニーの植物を見ると心が安らぐし、晴れた日は小さなベンチでハンドドリップの珈琲をいただくと、短い時間でも自分に帰れる。 植物に囲まれていれば幸せなのだ。 改めて、自分の心を整えてくれる庭の大事さを知る。 さて、今日は、気分転換も兼ねて、最近の庭づくりで参考にしている場所のお話をしようと思う。 山下公園付近の植栽と港の見える丘公園のローズガーデン。 こ

          お庭探訪 山下公園、港の見える丘公園 

          楕円の曲線美 松濤美術館

          休みなくその『谷』に多くの人が往来し、空気も澱んだこの場所を通過することを考えただけで気分が重くなる。 半分息を止めたかのような感じで、勢いつけて人の海を掻き分けながら交差点を渡る。 風渡る郊外での仕事や暮らしが長くなると、若い頃は『胸躍る街』も今となっては『とにかくこの場から離れたい』という場所になってしまった。 『人混み嫌だなあ、遠いな』と思いながらも年に何度かはコンサートやギャラリーに訪れていた『東急Bunkamura』も改修工事に入り、時代の移り変わりを感じる。

          楕円の曲線美 松濤美術館

          初秋の愉しみ

          明け方に窓を少し開けてみる。 冷たい外気を感じることができたら、窓を開けたまままた浅い眠りにつく。 この安堵感を長い間待っていた。 今年の夏は暑すぎて夏に咲く花も少なかったように思う。 ようやく適温になった今、復活して秋の花に混じって咲き続けている。 植物も暑さの緊張感からようやく解放されたのであろうか。 芙蓉は夏の花の一つ。 芙蓉の一日は忙しい。朝ふわっと咲いて、お昼にピンクに染まり、夕方ムギュッと閉じて落ちる。このピンクの『茶巾絞り』が翌朝地面に転がっている。このコロ

          初秋の草花

          台風が暖まりすぎた空気を徐々に吹き飛ばし、ようやく少し暑さからから開放されるようになってきた。 特に今年はあの逃げられない暑さを体験したからこそ、今が涼しいと思うだけなのかもしれないが、やっと休日にエアコンの部屋から出て活動する意欲も湧いてきて、初秋のありがたさを感じている。 さて、外の草花といえば、夏の名残の中に少しづつ秋の草花が混じり始めている。 9月はいい。 秋らしいコスモスや紅葉に行く前の、夏から秋へと向かう、少し寂しいこの感じの季節が私は好きだ。 花の仕事やお稽

          鎌倉古民家店めぐり 由比ヶ浜から長谷

          今年になって観光客の増えすぎた鎌倉にすっかり足が遠退いていたが、そろそろ美味しいお蕎麦が食べたくなってきたので、先日友人と出掛けた。 藤沢方面からは平日でも海辺は混雑するので、鎌倉山越えが快適。 いつもの通り市役所の横に出て、予定していたコインパーキングの前まで行ったところで、ああ。。 駐車場だったところにマンションが建設され始めていた。 鎌倉は、公共交通機関を推奨しており、大きいパーキングが少ない。 宅地転用の数台止められる小さなパーキングが点在。 その後あちこち見てみ

          鎌倉古民家店めぐり 由比ヶ浜から長谷