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時間旅行

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アンティーク、珈琲、レトロな喫茶店、クラシック建築など。心地よい時間の過ごし方、古くて美しきものへの時間旅行
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短い夏の時間旅行 NIKKO KANAYA HOTEL

暑中お見舞い申し上げます。 さて、今年も日光金谷ホテルにてランチをいただいてきました。 昨年の記事はこちら。 前回は、車移動でしたが、今回は電車利用です。 しかも、神奈川西部より日光日帰り。 一体、なんの電車に乗ればいいのやらと調べたら、東武特急、JR新幹線、JR特急と3つの方法があります。余計に迷ってしまいました。 そして今回は時間の制約があり、東武特急を選択しました。料金も一番安かったと思います。 東武特急乗り換えの北千住駅へ行くために、上野から途中初めての常磐線に乗

セカンドハウス プロローグ 『イサムの家』

人生には、いくつかの大きな転換期が訪れる。 若い頃は、夢や希望に向かって飛び込み台に上り、躊躇なく先の見えない深い水の底を目刺して飛び込んでゆくものだ。 半世紀以上歳を重ねるとこれまでの経験からその怖さや痛みも想像でき、それが逆に『あだ』となり、熟慮を重ねた上に踏みとどまることが多くなる。何らかしらの大きな『きっかけ』がないと動けないものだ。 昨年の父の死を目の当たりにして、健康寿命を考えるようになった。 『あとどれくらい何ができるか、やり残したことはないか。。。』 植

京都 蚤の市とレトロな旅

久々の京都です。 旅は、身軽にスマートに。 小さいカメラを鞄に入れて手荷物の少ない日帰りが好きだ。 関東からだと朝早いことだけ目を瞑れば、午前9時には京都駅に到着。 今回は、京都通の友人のアテンドによる『平安蚤の市』をメインにレトロな旅を企画した。 地下鉄メインの東京都は違い、京都を効率よく巡るには『バス』が最適だそうで、まず到着したら『地下鉄・バス一日券1100円』を購入するようにとの指示があった。 しょっぱなから新幹線の出口を間違え、バス乗り場まで地下通路で迷った。し

楕円の曲線美 松濤美術館

休みなくその『谷』に多くの人が往来し、空気も澱んだこの場所を通過することを考えただけで気分が重くなる。 半分息を止めたかのような感じで、勢いつけて人の海を掻き分けながら交差点を渡る。 風渡る郊外での仕事や暮らしが長くなると、若い頃は『胸躍る街』も今となっては『とにかくこの場から離れたい』という場所になってしまった。 『人混み嫌だなあ、遠いな』と思いながらも年に何度かはコンサートやギャラリーに訪れていた『東急Bunkamura』も改修工事に入り、時代の移り変わりを感じる。

鎌倉古民家店めぐり 由比ヶ浜から長谷

今年になって観光客の増えすぎた鎌倉にすっかり足が遠退いていたが、そろそろ美味しいお蕎麦が食べたくなってきたので、先日友人と出掛けた。 藤沢方面からは平日でも海辺は混雑するので、鎌倉山越えが快適。 いつもの通り市役所の横に出て、予定していたコインパーキングの前まで行ったところで、ああ。。 駐車場だったところにマンションが建設され始めていた。 鎌倉は、公共交通機関を推奨しており、大きいパーキングが少ない。 宅地転用の数台止められる小さなパーキングが点在。 その後あちこち見てみ

アンティークと古道具の棚

連続猛暑日。 海辺の景勝地で屋外作業して、休日は通勤なのに観光客の渋滞に並ぶ。 この夏いくつか行きたい展覧会あれど、都内の人混みも暑さも流石に耐えられない。そして首肩も痛めてリハビリ中となれば、休日は引きこもるに限る。 だったら家の中をできるだけ居心地良くしようと、断捨離も兼ねて、書棚から本を撤去し、収集した古道具やアンティークでディスプレイした。 実はこの『ディスプレイ』が愉しいのだ。 素材で並べる、古道具の目的でまとめる、雰囲気で合わせる、など。 『ああでもない、こう

『泣き面に蜂』 / 『梅の収穫』

ジメジメした梅雨の1週間が続き、流石に我慢も限界。 首から肩の調子が悪すぎて1ヶ月ほど抜けなかったので、整形外科を受診。 先生に、『重たい荷物や使い過ぎにはくれぐれも注意しない。』と。 更に、『歳をとって、これから少子化であなたの面倒を見てくれる人はいないんだから、これ以上悪くならないように姿勢を良くしなさい』とお叱りまで。 元々、フローリストの仕事で重い植木鉢や花バケツを運んだり、花束を長時間連続で作り続けたり、と腕や肩を酷使した積み重ねが原因。 また思えば、『気持ちだけ

初夏の古民家を訪ねて

ようやくGWが去ってくれた。 この1ヶ月、グループ展への参加や仕事、別荘の改装などが折々にスケジュールに組み込まれ、休んだ気がしなかった。 楽しい日もあったけど、五十肩もずっと痛んでいたし、翌日があるから思いっきり動けずセーブ運転。 また、アルバイトへ行っている先は景勝地であるため、普段にも増してどっと観光客が押し寄せ、普段は起きないような様々な不具合等々。接客業は目で笑いながら、怒っていた。 というわけで、久しぶりに開いたnote。 まずは、現在西伊豆の別荘改装を手伝って

パンドラの箱と桜

昨年9月より6ヶ月に渡り、西伊豆の別荘の改装を行っている。 半年はほぼゴミ捨てに追われ、ようやく家の中のゴミを出し切り、ようやく『ゼロ』状態。 暖かくなってきたので、庭作りやら、内装など少しクリエイティブなことに取り掛かれるだろうと胸中軽やかな気分で、午前中リサイクルセンターを後にした。 さて、午後からどうしようかと。 『裏庭の小屋片付ける?』 そしてまたパンドラの箱は開けられてしまったのだ。 パンドラの箱の『災』の如く、出てくる出てくる、1980年代の大量生産、大量消費

私の珈琲時間

昨日今日の冷え込みで、そろそろ冬も終わりか。 OFFの日は、朝の家事を終えてから一杯の珈琲を淹れる。 窓から朝の冷たい空気がふわっと。日差しは明るい。 朝の珈琲は、さっぱりといただきたい。 燕三条の琺瑯ドリッパーとリネンのフィルターを使う。 もう、何年になるのだろう。 カフェを探訪も趣味だが、珈琲を淹れるのも趣味。 ここ数年は、自宅だけでなく、友人宅や改装中の別荘で珈琲器具を持ち出しては、ハンドドリップで珈琲を淹れ、振舞う。 おかげで、最近ではさらに珈琲豆の消費量が増え、

ある2月の朝

冷たくクリアな空気の中に差し込む、2月の朝の光。 今日は、少し暖かくなりそう。

長靴とジョウロは友だち

長靴とジョウロ。 フローリストの仕事を始めてから早や30年。 仕事や趣味で気がつけば、とても長いお付き合いとなっている。 今日は、長くお付き合いしているこの『友人たち』について、ご紹介したい思う。 長靴は、フローリストを辞めてからも、庭や畑の手入れ、そして現在進行形の改装中の別荘と職場で数本使用。 長靴は3カ所に置いてあり、今となっては、週3日位のペースで丸一日履いている。丸一日履いていると、重さと足首の可動域が抑えられることで、かなり疲れる。 だから、長靴選びには慎重にな

気嵐から始まる2023

あけましておめでとうございます。 元旦の朝は、いつものようにポケットにGRⅢを入れ、海岸へ向かった。 マスクをしているとメガネのレンズが曇って仕方がなかったので、あえて『メガネを外すとこんな風に見える』という写真。 ひとしきり初日の出を拝んだ後、岸壁に上がりいざ帰ろうとしたら、水面から水蒸気が。慌ててまた砂浜へ走り出て、『気嵐』の撮影。 数年前まで『けあらし』は、寒い地域だけにみられるものだと思っていたが、相模湾でも気温が低い早朝に現れるので、出会えた朝はとても嬉しくなる。

暮れの断捨離と静物写真

クリスマスが過ぎたら、坂道を転がるように日々過ぎていった。 今年は、本格的な正月花もいける気がせず、鏡餅も用意していない。 今日で2022年が終わる。 今年は、何かにつけて『終わり』を意識しながら仕事をしてきたように思う。特に後半は、これまで関わってきた様々なことについて取捨選択し、自分の中で一旦ケジメをつけたくなった。 真っ白になって新年を迎えたい、という気持ちの現れであろうが、その『何か』は全く見えにまま、時間は過ぎてゆく。 そんな暮れも迫った中、八百屋さんで美しい『