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モノクロの時計草

7月は、梅雨末期から夏に変化する微妙な月。
梅雨明けが長引いて太陽が待ちきれなかった年もあれば、今年のように早くに梅雨明けしたものの、また逆戻りのような不安定な年もある。
この時期、人間も気候に合わせて体の調子を整えるのが難しい。
しかし、植物は柔軟だ。
年によって、遅かったり早かったり、沢山花を付けたり、または寂しい年もあるが、時間にになると咲いてくる。

時計草。
鎌倉の光則寺さんの手前にある幼稚園の壁一面の時計草。
毎年、楽しみにしている。
先週、様子を見に行ったが、今年はまだまだというところだった。
その日は、ちょうどモノクロフィルムが切れていて、久しぶりに残っていたカラーフィルムだったので、今年は数枚撮影してその場を離れた。
少し残念だったが、光則寺さんで飼われてる『孔雀』の泣き声に呼ばれて向かうと、大きく美しい羽を広げ、一周して見せてくれたので、気を取り直した。そんな年もある。

時計草
LeicaM4 / summaron 35 / Kodak Tri-x 400 2020年撮影

時計草の不思議な感じが好きだ。
マクロにしてみると、今何時?と言っている。

時計草 / GRⅢ撮影 / 2022年撮影

横顔も、ミステリアス。
この個性ある形に惹かれて、自宅でもいくつかの品種を育てている。

時計草
Leica M4 / DR-summicron / Kodak Tri-x 400 2021年撮影

時計草と夏の午後。
さて、そろそろ『おやつの時間』としよう。

時計草
LeicaM4 / summilux 50mm / Kodak Tri-x 400 2019年撮影

こうして、同じ花を撮ることをもう何年続けているだろう。
毎年変わらない繰り返しだし、特に面倒なモノクロフィルムでの撮影ももう辞めてしまえば、少し楽になるかと逃げてしまいそうになるが、改めて昔の写真を見直すと、撮っておいて良かった、という気持ちになる。

時が、自分の感覚を変化させ、それが写真に乗っかっていくのだろうと思う。

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