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LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。
花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。
開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。

椿 LeicaM4 DRsummicron 50mm f2

今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。
4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がして、一度原点に戻ってアナログのカメラを使ってみることにしました。

クリスマスローズ LeicaM4 summilux 50mm f1.4 2nd

初めは、一度花から離れて35mm広角レンズでストリートフォトを撮ることにしていたのですが、ある時ふといつもデジタルで撮っていた花を撮ってみたらどうなるの?ということになり、いざ試してみるとそれはそれで面白いテーマの一つになっていきました。

レンズについては、still-life photography 静物画写真(テーブルフォト)を中心に撮るための50mmライカレンズを、自分のM4シリアルナンバーに近い年代のレンズを5本ほど試してみました。同年代の方がカメラもレンズもお互い性能を発揮できると思ったからです。
しかし、ライカは、一眼レフとは違いレンジファインダーで、レンズもほぼ寄れないレンズばかり。このような写真には向きません。結局、眼鏡をつけて寄れるDRsummicronに現在落ち着いています。

色々な方の『レンズレビュー』を参考にして、雲を掴むようなレンズ探しでした。しかし、フィルムで撮ったものもこのようにデジタル画像でお見せするにはスキャンし、またそこで見やすく若干調整でします。レンズの味がどうのこうの、というのは同条件で撮影、現像、プリントしないと判断できませんし、そう簡単に比較はできないものです。
結果5本試した結果、個人の好みだから『レンズレビュー』に頼らず、表現したいモノに合うレンズをそれぞれ選べばいいんだ、ということを学びました。

現在の2本。

また、どうしてモノクロフィルムか、というと『花の質感』、例えば花弁の柔らかさだったり、纏っている空気感、香りなどを想像できるまでに表現できるか、ということを試してみたかったのです。
デジタルと違って失敗も多く、中々これといった写真の撮れる確率はかなり低いですが、そこを愉しむことこそ、アナログ写真を続ける意味でもあります。

最後に、枝垂れ桜です。
この写真を撮った時は、『ピントはどこへ行ったのやら。失敗した。』と思っていたのですが、最近見返して、『満開の桜に圧倒されている自分』がとても面白く、今となってはもう二度と撮れない大切な一枚となっています。
アナログ写真にはそんな魅力がありますね。

枝垂桜 LeicaM4 summaron 35mm F2


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