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熱が出たらルームサービスが出た

佐奈田です。
暖かい春の午後、仕事中に「なんか体調おかしい…」と感じるやいなや発熱の予感。仕事から帰るなり着替えもせずベッドに倒れこみました。とにかく熱い。もう、腕一本動かすのもしんどい。しんどすぎて体温計では測っていないのですが、あの熱さは中学の社会の時間に習った「平清盛は高熱で水風呂が沸騰した」という話を思い出させるものでした。平清盛が最期に経験したであろう高熱。私は次の日、幸いにも目を覚ますことができました。しかし、アップ&ダウンを繰り返しながら、私はこの平清盛フィーバーに三日三晩うなされることになります。

3日目、現実と夢の中を行ったり来たりしていると、コンコンとドアをノックする音が遠くから聞こえてきました。

「ルームサービスです〜」

そこにはジェームスと次男かのんくん(4才)が。
お椀に入った卵雑炊を持ってきてくれました。

しみました。

少しだけ楽になった体を起こし、ベッドの上で食べる雑炊。出汁がきいて、春菊がシャキッといい味出してました。こんにゃくゼリーやバニラアイスで命をつないだ2日間でしたが、素朴な卵雑炊が弱った体と心にしみこみました。

しばらくすると、またガチャっとドアが開き、次男かのんくん(4歳)が、

「おいちかったー?」

と様子を見にきてくれました。そして、食べたあとのお椀を回収してくれました。

いつも「お片づけつかれるからいやー」と言うかのんくん(4歳)が、お椀を片付けてくれている・・・4歳児をこれほどにも頼もしく感じたのは初めてでした。

一人暮らしをしたことのある方は、風邪をひいた時、この世界からひとり取り残されたような孤独感や、ただの風邪でも「このまま死んでしまうのかな」という不安を感じたことがきっとあるのではないでしょうか。私は社会人になって一人暮らし生活の中で、その気持ちを何度も体験してきました。今回の熱も一人で暮らしていたら、体はもちろん、心へのダメージにも苦しんでいたことだろうと思います。またも私はこの寄生生活で人の優しさに触れ、心を救われることになりました。

次の日ジェームスから提案が。

「部屋のドアに、ルームサービスのための小窓をつくろうか」

それ、刑務所やないか。

ジョークを飛ばしていたジェームスですが、この後、発熱していました。