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アイスランド旅行記⑮大自然のリングロード!

前回までのあらすじ

各国から集まったワークキャンプのメンバーと合流し、マイクロバスに乗ってレイキャビクを出発!出会ったばかりでも車内は会話で溢れ、英語が苦手な私も楽しい時間を過ごす。今回は、アイスランドを一周する国道「リングロード」の道のりを振り返ります!

ミステリーツアーの始まり

私はこの時、「キャンプ地に向かっている」ということ以外、どんな道を通って行くのか、どこに寄るのかなど、バスのルートを全く知らなかった。私だけでなく、他の参加者も同じような感じだったと思う。いや、目的地は事前に知らされていたので、ルートぐらいは調べていた人もいたかも。というか、本当は渡された資料のどこかしらに書いてあったかも…。(全て英語で書かれていた)

もっと言うと、目的地は「Eskifjörður」(エスキフィヨルズル)という場所だと書かれていたのだが、「アイスランドの東の方」というくらいの情報しか持たずに参加した。一応Google Earthで住所を検索してみたものの、あまり写真も無く、結局よく分からなかった。

今思うと準備不足で笑ってしまうが、当時の私にとって「アイスランドのどの地域に行くのか」は大して重要ではなかったのだ。「アイスランドに行く」というだけでお腹いっぱい。「連れて行かれる先々で楽しめれば良い」と思っていた。10代だからこそのお気楽思考。さながらミステリーツアーである。

Skógafossの滝と虹

バスが最初に停車したのは、出発してから2時間ほど経った頃だった。
既にレイキャビクの街並みは遠くに消え、何もない大地が広がっている。

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↑ハートマークが出発地点のレイキャビク。黄色い線が、今走っている国道一号線「リングロード」。赤いポイントが、最初に止まった地点である。「Skógafoss」(スコゥガフォス)という場所だ。

お世話係改めスタッフの男女2人が先頭に立ち、「〇〇分までに戻ってきてね」と言った。ここでは自由行動のようだ。私は、寒さに備えて念のためマフラーを巻き、カメラやかばんを持ってバスを降りる。ここに何があるのかも分からないまま、周りの参加者と一緒に、他の観光客が集まる方へ進んで行く。

するとそこには、雄大な大自然が広がっていた。

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巨大なスケールの滝。そして、虹。

「スコガフォスの滝」と呼ばれる場所だった。何があるかも知らされずにバスを降りた私は、もう訳が分からなくなるくらい感動して、大はしゃぎした。こんな壮大な景色を見たのは、生まれて初めてだった。

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辺りを見回すと、山がそびえ立っている。私はこういう、無機質な山肌が好きだ。「地平線まで見渡せるような何もない大地」のようなイメージの場所に、何故か惹かれる。
もうこの景色を見れただけで、参加したかいがあったと思った。

しかし、その後さらに信じられない光景に出くわすことが出来た。

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Rainboooooooow!と叫びたくなるような大きい虹が崖に映し出されていた。

言葉では言い表せない。まさにbeyond descriptionだと思った。

しばらく日本人の女の子2人と一緒に写真撮影を楽しんでいると、近くにいた同じキャンプの参加者の韓国人の男の子が、「滝の裏に行こうよ!」と声をかけてくれた。

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手前に人がいるが、奥の方にも歩く人達の列がある。実は、この滝は裏側も通れるようになっていたのだ。

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↑かなり小さいが、滝の向こう側に人が写っている。

私は本来、こういう時に迷わず行こう!と言えるタイプではない。普段は、面白い体験よりも、危険な目に合わないこと、濡れないことの方を選ぶ。
だが、さすがにこの時ばかりは足が動いた(ちょっと迷ったけどね)。「この場所には、もう一生戻って来られない」と本気で思ったし(ここがどこなのか分かっていないのだから当然である)、そうなれば濡れたって構わない。こちとらスキーウェアを着ているのだ。失うものなんてない!というようなテンションで、裏側へ行くことにした。こんなテンションになったのは、多分小学生以来だったと思う。

近くにいた韓国人の男女2人、そして日本人の女の子2人と、滝の後ろへ歩いて行った。滝の真後ろに着くと、水の音が凄かったが、思ったほど濡れずに済んだ。ディズニーシーのアクアトピアのようだったが、その何倍ものドキドキ感だった。誘ってくれた彼は、「お肌に良いよ!マイナスイオンだ!」というようなことを繰り返し言っていて、韓国の男性が美意識が高いのは本当なんだな〜と思った。

こうして周りの参加者たちとも徐々に距離が縮まっていき、終始笑いながら休憩時間を楽しんだ。バスに戻り、再び出発する。

Reynisfjaraのブラックサンドビーチ

続いての休憩タイムは、スコガフォスの滝を出発して、また2時間ほど経ったところだった。バスが止まり、今度はどんな景色を見せてもらえるのかとワクワクしながら降りる。

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これは駐車場からの光景。もうこの時点で既に感動ものである。ハイジが出てきそうだ。

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日本でいうサービスエリアより小さめの、道の駅的なお店があり、その前を横切って進んで行く。私たちの他にも観光客がいたので、彼らについて行くと……

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海に出た!

写真は、なんの加工もしていない。黒い砂浜、いわゆる「ブラックサンドビーチ」だ。

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ここは、Reynisfjara(レイニスフィヤラ)というアイスランド南部の海岸線にあるビーチ。調べたところ、「ローグ・ワン」「ノア 約束の舟」「ゲーム・オブ・スローンズ」などのロケ地にもなっているらしい。黒い砂の正体は、細かく砕かれた火山岩(玄武岩)である。

…ということも、今旅行記を書きながら調べて初めて知った。

くどいようだが、自分で行き先を決めて辿り着いた場所ではないため、一体なんという場所なのか、何がすごいのか、という前知識ゼロでここに立っている。でも、そのおかげで自分の体感で感じ取ったことが全て旅の記憶になったのかもしれない。先にガイドブックで写真を見ていたりしたら、こんな感覚は得られなかっただろう。

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レイキャビクでも海の近くを散歩したが、同じアイスランドでも都会の海とは全然違う雰囲気だった。

先ほど横切った道の駅的なお店に戻り、昼食をとることになった。
ここで私は、日本人の友達(もう友達と呼べる関係になった!)に、1日目にやらかしたせいでクレジットカードが使えなくなってしまったことを打ち明けた。
もちろん、お金を借りるなんて考えは1ミリもなかった。みんな私と同じように、日本からたった一人サバイバルでここまで来ているからだ。ただ、事情だけ知っておいて欲しかったので話した。
2人は、それは大変だねと同情してくれた。私は、人に聞いてもらったことでやっと笑い話に昇華出来たと思った。

そんな状態だったが、2日間お昼をキットカットで凌ぐなど現金を温存しておいたおかげで、友達と一緒にホットドッグを食べることが出来た。ファストフード店のスタッフは男性で、「マスタードをかけるか」と聞かれたのを覚えている。ちゃんと注文できた。ちなみにマスタードはかけないでもらった。

アイスランドに来て、初めて誰かと喋りながら食事をしている。日本でも食べられるようなホットドッグだけど、アイスランドで出来た友達と楽しく食べられていることが嬉しかった。

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次回、いよいよ「火と氷の国」アイスランドの真骨頂を目にします。


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