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小さな物語はいかかですか

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2018年8月の記事一覧

走り出せ 140字小説

走り出せ 140字小説

走りだしてオチをつける。
人生はその繰り返し。
思い切りボケろよ。
その方がきっとうまくいく。
皆を尊敬してるんだろ。
じゃあ、絶対大丈夫だ。
お前にやられたと言ってるあいつは、傷ついてるふりをしてるだけ。
ごっこ遊びに付き合うな。
お前はお前の人生を生きろ。
走りだせ。転べ。
そして飛べ。

蛇の恩返し(短編小説)

蛇の恩返し(短編小説)

納戸を開けると焼酎につけこまれた蛇がいた。マムシ酒はばあちゃんの生きがい。何度噛まれてもやめようとしない。顔を近づけると蛇は私をじろりと睨んだ。「俺を助けたら褒美をやるぜ」「マジですか。現金お願いします」「わかったよ」蓋を開けると蛇は「お前、馬鹿だろ」とせせら笑い藪の中へと消えた。恩知らずな蛇だ。どうせすぐまたばあちゃんに捕まるだろう。ところが最近夫があの時の蛇だとカミングアウト。「マジで気づかね

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