首の短いキリン。
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It’s the single lifeとは?33
賀喜:…どうも。
〇〇:…
これは夢だろうか。
悪夢でもなんでもいいから夢であって…
和:お義兄ちゃーーん。
お腹減ったーー。
夢じゃない。
このプチカビゴンがそれを証明してる。
〇〇:な、な、和…?
そこにいらっしゃるのは…
和:なに言ってるの?
どう見ても賀喜さんじゃん。
なに言ってるの?
どう見ても賀喜さんだから困ってんじゃん。
賀喜:あの。
〇〇:あ、と、とりあえず座って
It’s the single lifeとは?32
〇〇:…
一難去ってまた一難
いや、なんなら五難くらいのヤバさ
〇〇:どうする…
賀喜さんの対処を早急にせねば…
頭では分かってる
だがいかんせん
〇〇:どうすればいいんだ…
冷静に考えてこの状況は打開の余地がない
遠藤さんを助けるところまでは問題なかった
だが、その次のステップが道を踏み外しまくってる…
〇〇:やばいやばいやばいやばい…
レッスンも終わっちまう…
ぶっちゃけレッ
「本気の恋愛アプリを作れと言われたから、本気の恋愛をさせろと言ったら、本気の推しメンが来た件 4」
「…美月さん。」
「なんでしょうか。」
プリンの甘さで支配されていた口に、ほろ苦いカフェラテを流し込みながら首をかしげる
その姿だけで絵になるのだから、やはり元アイドルなんだろう
「本気の恋愛アプリを作れと言われたから、本気の恋愛をさせろと言ったら、本気の推しメンが来た件 2」
「…あれは夢だったのだろうか。」
頭の整理などつかないのも許してほしい
だっていきなり彼ピッピ宣言よ!?
無理っしょ!?
整理できるわけないっしょ!?
なのに…
「あ、もう仕事の時間だ。
じゃ、今日はこのあたりでドロンさせていただきやす。」
…
「いや、それめっちゃ死語で…
ってもういないし。」
よくよく考えてみろ。
あれは夢なんじゃないか?
恐らく、今まさに俺は起きたんだ。
「
「本気の恋愛アプリを作れと言われたから、本気の恋愛をさせろと言ったら、本気の推しメンが来た件 1」
50,207人
26歳
残り4年
2時間
124本
ー
「はじめまして。」
この季節らしい暑さも、クーラーから吹き出る心地良い風のおかげで、いくらか体温が下がる
それでも下がりきらない原因が目の前にいる
「あのぉ…」
「あ。失礼しました。
はじめましてではありませんね。
ミーグリでお会いしてますもんね。」
えぇ。そうですとも。
認知ありがとう。
…
「本物ですか?」
It’s the single lifeとは?31
〇〇:ついてしまった…
まだ時期的に日が沈みきることはなく
けれでも彼の心は完全に沈んでいた
遠藤:どうしたの?
そんな真剣な表情して。
一日で気付きあげたトップアイドルの隣という立ち位置
数時間前までは天国だと錯覚していた
が
〇〇:いや、冷静に考えて和に殺される気しかしなくって…
さっきから数分、いや数十秒毎に背筋に走る寒気
間違いない。奴だ。
遠藤:大丈夫だよ。
和ちゃん
It’s the single lifeとは?30
〇〇:ふぅ。
我ながらなかなかいい出汁が取れた。
料理とは素晴らしい。
明確なゴールがあり、手順や分量さえ間違わなければ誰でもそこに辿り着ける
〇〇:料理をしている時は実に素晴らしい。
料理に集中するからこそ、他のことを考える余裕が否が応にもなくなる
そう。他のこと…
〇〇:おっと危ない。危ない。
今やるべきことは二つ。
一つはこの料理、朝食を完成させること。
そしてもう一つは…
It’s the single lifeとは?29
無音が支配する寝室
遠藤:…//
うるさい…うるさい…
自分の心臓の音が異様なほど大きく聞こえる。
いつも通りの寝室なのに…
〇〇さんがいるだけでこんなに違うんだ。
〇〇:…僕に出来ることならいくらでも。
そう言って頭の上に感じる少しの重みと、心地良い暖かみ
あぁそっか。
きっと私はもう…
遠藤:…おやすみなさい。
〇〇:はい。おやすみなさい。
ホント不思議な人だな。
和ちゃ
It’s the single lifeとは?28
遠藤:…そ、そんな…
まるで緊張の糸が切れたように、ペタンと音がなるように地面に腰をつける
遠藤:井上さん…
月明かりと街灯だけが彼女の視界を灯す
その先には
〇〇:ふぅ。
いきなり刃物突き刺すとか頭イカれてんのかお前。
埃を払うかのように、まるで何事もなかったように立つ彼と
「な、なんなんだよ…お前…」
腹部を抑えながら、転がり落ちた刃物にどうにか手を伸ばそうとする男
〇〇:す
It’s the single lifeとは?27
月明かりが照らす住宅街の一本道
遠藤:あなた…
電柱の影から、不気味な笑みを浮かべながら男が現れる
「久しぶりだね。さくちゃん。」
遠藤:たしか…
いつも握手会に来てる…
「フフフ。嬉しいなぁ。
僕のこと覚えててくれたんだね。」
まるで影を揺らすように、男は若干ふらついた動きで遠藤との距離を少しずつ詰める
遠藤:…いつも応援してくれていることには感謝します。
でも、これはルール違反で
It’s the single lifeとは?26
遠藤:とりあえず…ここです。
〇〇:ここは…
遠藤:私の行きつけの本屋です。
古本がメインでいろいろな種類が置いてあります。
〇〇:なるほど…
改めて思うが、俺が初手にやったパチ屋は間違いなく論外だったんだな…
遠藤:…本とか興味あります?
〇〇:お恥ずかしい話、個人的に読むことは少ないですね。
というか、ほぼ無いな。
我ながら大学の参考書すら枕になった始末でございます。
遠藤:…
It’s the single lifeとは?25
〇〇:ん…んん…
耳に入る小鳥のさえずり
カーテンの隙間から入る陽の光
睡魔をまだまだ強敵と認めつつも、どこか心地の良い
心地の良い
心地の…
…
…
〇〇:…何故手枷で固定されている?
何度目かの整理をしよう
ここは俺の部屋だ。間違いない。
そしていまは朝。
今日はあの遠藤さくらさんと、プライベートでお出掛け。
〇〇:…それだけ聞いたら神イベだが…
いかんせん嫌われて
さくらの蕾はまだ隠れてて。14
【なんか…すごいな…】
ありきたりな一日の初まり
歩き慣れた、とまではいかないが慣れ始めた道
唯一違いがあるとすれば
【さっきから倒れてる人ばっかだ…】
それだけ聞けば未知のウイルスか未曾有のテロか
冷静に言葉を漏らす彼が異常に見えてもおかしくない
倒れてる人間が不良ばかりという観点を見逃せば
【学校でなにかあったのかな…】
目的地に近づくにつれて増えていく亡骸の数々
原因がそ