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静 霧一/小説
2020年9月28日 18:06
『あと5分で着くから待ってて!』 私は新宿駅の南口で、そわそわとしながら朋美を待っていた。 土曜日の17時となると、改札口を行き交う人が増えはじめ、だんだんと居心地が悪くなってくる。 人ごみはそんなに得意ではない私は、まだかなまだかなとスマホをぎゅっと握りしめていた。「ごめん!待った?」朋美が朗らかな表情で私に謝った。「そんなことないよ。今日はどこ行くの?」「ふふーん。よくぞ聞