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オンライン授業に関するアンケート結果〜コロナ禍に大学を卒業して〜


私は、今年の3月に大学を卒業し、社会人になりました
学生生活最後の一年間は、
一度も大学で授業を受けることなく終わりました

今日は、そんな昨年度に行なった
オンライン授業に関するアンケート結果をまとめていきます

アンケートを行った目的については
こちらのnoteをご覧ください

◎アンケートについて

調査期間:2020年6月7日〜2020年7月8日
対象:大学1年生〜4年生
有効回答数:173(ご回答ありがとうございました泣)
形式:googleフォーム

今回は、
2020年の春学期の授業を対象にアンケートを行いました


◎回答者の属性について

・所属大学
私自身が慶應ということもあり、
回答者の約半数が慶應生という結果に

合計すると37の大学の学生から回答を頂きました

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・国公立or私立, 文理
国立大学の方が36人、私立大学の方が137人

文系学部の方が124人、理系学部の方が44人
その他には、東京藝術大学や多摩美術大学など
美大に通われている方が主に含まれています
(文系を暖色にした方がわかりやすかったですかね...)

回答者の属性2


・学年
ここも私が4年生ということもあり
約半数を4年生が占めています

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1年生による新鮮な意見は多くはないものの
今までキャンパスで授業を受けるスタイルを経験してきた
2年生以上の回答が多いということで
今までの授業スタイルとの比較には有意な意見が得られそうです


◎授業数

回答いただいた方の履修している授業数です(2020年春学期)
※単位数ではなくコマ数です

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今回4年生の回答が多いため、
授業数はやや少なめに偏っているかもしれません


◎オンライン授業の実態

アンケートの対象期間(2020年春学期)、
回答者が通う大学の授業は、全てオンラインで行われていました
ただ、その形式にはバラつきがありました

・オンライン授業の形式(語学・ゼミを除く)
履修している授業の中で、最も多い形式を選択してもらいました
(語学の授業・ゼミは毛色が異なると予想したため、それらを除いた上で回答頂きました、これらは機会があれば別でまとめます)

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双方向形式:リアルタイムでコミュニケーションが可能な授業
オンデマンド形式:授業動画や音声が配信される
資料配布形式:配布されたレジュメや資料、教科書を自主的に読む
※上から順にこれまでの大学教室での授業形式に近いと考えています

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結果は、約70%がオンデマンド形式
(その他には、各形式同じぐらいの割合だったという意見が含まれます)
授業を受けながらコミュニケーションを取れるという双方向の授業は
少数派でした

オンデマンド形式ということは
録画された授業を見るということであり、
いつどこで受講しても良いという反面
授業中、授業後にコミュニケーションをとることはできません

授業後に教授に話しかけて質問することができないのは
不便ですよね

コロナ禍でオンライン授業となり
その大半がオンデマンド形式となれば
教授と学生、学生間のコミュニケーションは減っているといえそうです

授業中に学生間・教授と議論しあう、
不明点があったときにその場で質問する、
そういったことを行える選択肢がなくなってしまう
という点はデメリットですね

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(区切り線内はひとりごとです)

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が始まる以前
大学の教室で授業を受けていた時は
積極的にコミュニケーションを取っていたかというと
個人的にはそれも微妙

もちろん直接対面しているわけなので
教授との双方向コミュニケーションが物理的には可能ではありますが
私の周りでは、

実際ほとんどの授業で、ほとんどの学生が
あまり教授と関わることはなく、一方的に話を聞く
ということが多かったと思います

特に大人数が受けている講義で
発言している学生を見たことは数少ないです

ただ、中には少人数での授業など
教授とコミュニケーションをとったり
学生間でも議論を交わしたりすることを主とする授業もありました

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また、オンライン授業の形式について
文理別の結果は下のグラフに示しました

授業形態文理

文系では圧倒的にオンデマンド形式の授業が多く
理系では双方向形式とオンデマンド形式の割合が同じぐらい
理系の方が、双方向形式の授業が盛んに行われていることがわかります

扱う学問の特性上、
理系の方がリアルタイムで見ないとわかりにくい、どうにもならん!
というものが多いのかもしれません


・双方向授業はどれぐらい行われている?
オフラインでの教室の授業に最も近いのが双方向形式

上に示したように
一人一人の学生が受講している授業のなかで
最も多い授業形式を尋ねたところ
「オンデマンド形式が一番多い」と答えた方が大多数でした

今度は少し別の視点から
大学が行う授業のうち、
絶対数としてどれぐらい双方向形式の授業が採用されているかを見てみます
(語学の授業・ゼミは除く)

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履修している授業のうち双方向形式の授業の数を聞いた結果がこちらです
もちろん、
一人一人の履修している授業数は違いますが(授業数のグラフ参照)

圧倒的0の多さ、、!

値のバラつきからして、
双方向形式は一部の大学で積極的に採用されているものの
ほとんどの大学ではあまり行われていないことがわかります


・顔出しは必要?
オンライン授業のうち
リアルタイムで行われる双方向形式の授業において
双方向形式の授業で顔出し(ビデオオン)はするのか?

顔出しが必要とされている授業数
(ビデオオンが教授から強制・半強制されている授業の数)
を回答いただき、以下の結果を算出できました

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双方向形式の授業のうち顔出しが”必要”な授業は38%
という結果でした

ちなみにこれは
全授業(形式問わず)のうち顔出しが”必要”な授業は9.9%
ということになります

双方向形式のリアルタイムな授業であっても
大半は顔出しをしなくて良いようです

強制されない限り顔出ししない人が多い(主観)ので
これらの割合をそのまま流用して
オンライン授業で顔出しを”する”割合になるのかなと
推測しています


・オンライン授業を受けるタイミング
リアルタイムで行われる授業が少ないとわかったところで、
各個人のオンライン授業を受けるタイミングについて見ていきます

10段階で受講タイミングを評価
10は全ての授業を時間割通りに受講
1は全ての授業を時間割通りに受講しない(orそもそも受講しない)
としています
※資料配布形式での受講とは、指示された勉強を行うことを指します

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オンデマンド形式、資料配布形式のように
リアルタイムでない授業の場合
そのほとんどは学生側に受講タイミングが委ねられます


グラフからわかるように
受講タイミングには大きくバラつきがあり
「好きな時間に見れる」という
オンライン授業のメリットを反映した結果と言えそうです

ただし、当然これは
個人が履修している授業形式のバランスに大きく依存しています
(双方向形式の授業ばかり履修していれば、より大きい値を回答する可能性が高い)

そこで
"履修している授業のうち最も多い授業形式"の回答別
受講タイミングをグラフに示したのが以下です
(⚠️それぞれの絶対数が異なるため縦軸の目盛はバラバラです)

受講タイミング形式別


リアルタイムである双方向形式では
当然時間割通りに受講するしかないため、
高い値に分布が集中しています

一方で、オンデマンド・資料配布形式の授業では
かなり受講タイミングにバラつきがあります

特にオンデマンド形式では
1,2,3に値が集中しています
時間割通りに受講する人は少ないですね

また、リアルタイムでない分
当然受講の強制力は薄れるので
受講していない(サボっている)方も含まれているでしょう

(出席確認の有無、方法については今回は調べていません)


・授業の所要時間
オンライン授業に移行したことにより、授業時間に変化はあったのか
その結果を示したのが下のグラフです

授業時間

授業時間が短くなった人は約7割

楽だな〜と思う人がいる一方で、
同じ授業料なのにこれはいかがなものか
という意見があるのも納得です

ちなみに私個人は
本来の授業時間は90分ですが、
大半が20.30分で終わるものばかりでした


◎オンライン授業に対する学生の見解

ここまでオンライン授業の実態について見てきましたが、
次は、それに対して学生がどのような感想を持っているかを
まとめていきたいと思います


・オンライン授業の良い点
オンライン授業に対して良い・不満と感じている点について
回答をしていただきました(複数回答可)

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良いと感じている点で最も多かったのは「通学時間がない」

新しく始まったオンライン授業ですが
通学時間が必要なく、いつ受けても良い(授業形式が多い)という点で
かなりフレキシブルでいいじゃん!という意見が多かったです

その他には
「とりたい授業がとれる」
「オフラインの時より発言しやすい」

といった意見がありました

「とりたい授業がとれる」というのは
固定のアルバイトが入っていたり、
必修の授業とかぶっていたり、
キャンパス移動が間に合わなかったり、、、

そういった理由で教室での履修が物理的に不可能だった授業も
オンライン授業なら(双方向形式以外)履修できる
という意見

「オフラインの時より発言しやすい」というのは
双方向形式の授業の場合だと思いますが、

先ほど私も書いたような
大教室で静かな(誰も発言しないのが普通となってしまっている)授業で
発言するよりも
オンライン上で発言する方が楽だというもの

オンライン上のツールには
チャット機能や挙手機能があったりするので
そこで発言の許可を得るというのは少しハードルが低いですし
周りの目も気にならないのでしょう


・不満だと感じている点

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不満だと感じている点で最も多かったのは「成績評価方法」でした

たしかにオンライン授業への切り替えにより
成績評価方法も変わった授業が多かったと思います

出席点がなくなった
課題が増えて課題が評価を分けるようになった
テストがなくなり複数回のレポートになった
などなど

今までの方法から変わった上に
授業ごとにまちまち
なんなら授業が始まっても評価方法が決まっていないなど
学生側にも混乱があったようです

次に多かったのは「特に不満に感じる点はない」でした
これが案外多く、
良い点のグラフで示した
特に良いと感じる点はない」よりも全然多かったです
全体でみると23.7%が「特に不満に感じる点はない」と回答しています

「授業内容が薄い」というのは
授業形式・授業時間とも関係しているかもしれません

レジュメを配布するだけの授業
オンデマンド形式であっても授業時間が短い
などこういった授業では
授業内容が薄い・授業の質が低いと感じてしまうのかもしれません

また、実験を伴う授業や美大の実技系の授業の場合
設備や作業内容がオンラインではかなり絞られてしまいます
こういった授業の質をオンライン授業で担保するのは困難ですよね

その他には、
「友達にあえない」
「意見交換などコミュニケーションがとれない」
という意見がありました


・オンライン授業は集中できるのか

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集中できると思う人が半数以上という結果でした

これは授業によりますが、オフラインの場合、
(小さな声を聞き取り教授の読みにくい字を解読しながら)
大きな教室でノートを取るということもあります...

それに比べ、例えばオンデマンド形式であれば
PC上にレジュメが表示されていたりする状態で
録音された音声を、聞きやすいように調節しながら受講でき
頭に入ってきやすいということもありそうです

途中で分からなくても止められたり戻したりできる
という点もいいですよね

一方で、自宅で受講する場合は
周りに誘惑がたくさんあって、ついテキトーに流すだけになる
ということもあるのかもしれません


・オンライン授業での顔出しに抵抗はあるか
先ほど、全体で約1割の授業で顔出しをしていると示しました
その顔出しについての抵抗感を答えていただきました

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抵抗あり派が48%、抵抗なし派が35.4%でした

全員が教室で前を向いていると
学生同士がそんなに顔を見ることはありませんが

オンラインで顔を出していると
他の学生にじっと顔を見られているかも、、?
そう思うと抵抗があるという人もいるようです

また、授業の様子を動画にとって
インスタのストーリーズに載せる人がちらほらいるそう

本人に全く悪気はないと思いますが
その時に変な顔していて
不本意にそれが拡散されたら嫌ですよね笑


・今後もオンライン授業を継続してほしいか

オンライン授業の継続について


オンライン授業の継続を支持する人は57.8%と過半数を占めていました
オンライン授業を受け入れている人は多いようです

ここでオンライン授業の継続についての
具体的な意見をいくつか紹介させていただきます
(オンライン授業の良い点・不満点とかぶっているものも)


◆オンライン授業を継続してほしい人の意見
「楽だし時間短縮!」
「通学時間を他のことに当てられるから」

こういった時間的な理由が最も多い意見でした
通学時間だったり、空きコマの時間だったり
そういった時間がなくなって自由に使えるのはとても良いですよね!

「いつでもどこでも受講できるから!」
時間だけでなく場所の制約が少ないこともオンラインの魅力
特に就活中は、面接会場から授業に間に合わん!ということが
何度もありました、、、
家で受けられるのは時間的な節約になりますし、
物理的に大学に行けない時も助かりますよね

また、一番強調したいのは
「眠くならない」
「聞き逃したところをもう一度聞ける」
「メモを取りやすい」
「スライドが全部の授業でしっかりと見える」
「倍速で見れるのが有難いから」
など
授業の本質的な面でオンラインの方が良い!という意見が
かなりたくさんあったということです

このような意見からは
今までのオフライン授業に対して不満があった
という事実も垣間見えるように感じました

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オフライン(大学教室での)授業の実態

以下は、私が大学の教室で受けた、
あまり心地よくなかった授業スタイルです


場所は数百人入る教室、席はほとんど埋まっていて
とりあえず空いている席に座って授業を受けます

指定されている教科書はあるものの
教科書の内容に従って授業している様子もなく
レジュメも配られません

つまり、教授の声と板書が命

しかしその肝心の声は小さくて聞こえにくく
必死に板書を追いかけるも
字が潰れて読みにくかったり、そもそも字が小さくて見えない

仕方なくスマホで黒板を撮影し、
スマホ上で拡大してメモをとる

⚠️大学での授業は、大学によっても教授によってもかなり異なりますので、これが全ての大学の授業というわけではありません

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んーーー
私が悪いのだろうか、、
どうも内容が頭に入ってきにくい、、、
そんな授業が多くありました

こういったオフラインでの授業をイメージしていただけると
オンライン授業は集中できる!
オンライン授業いいね!という意見にも納得しやすいかと思います

オンライン授業だと板書が使いにくい分
今までレジュメを用意していなかった教授も
レジュメを配布したり、スライドを作成して
解説してくださるようになるんですよね

教授側の負担にはなっているかもしれませんが
個人的には授業内容が理解しやすくなった点はありました


◆オンライン授業を継続してほしくない人の意見
「人と会えないから」
「孤独感がある」
これが最も多い意見でした
純粋に友達に会いたいという意見
ろくに遊べない世の中で学校までオンラインだと
さすがに寂しいですよね

「質問がしにくい」
授業が終わった後、教壇に行って質問していたのが
できなくなってしまう
リアルタイムで行う双方向の授業ならまだしも
リアルタイムではない場合、なかなか質問はしにくいですよね
授業ページ、メール、Office hourを設置するなどでの質問対応をしていただけるとありがたいですね

「課題が多い」
これも多く寄せられた意見です
授業時間は短くなる傾向にありましたが
その分課題がかなり増えたという学生も多い
ようです
中には授業時間の減少分よりも断然課題に時間がかかり、
バイトなどとの両立もあり
今まで以上に勉強に苦しんでいるという学生も

「参加しなくなるため」
「サボってしまい授業がたまる」
出席確認が緩くなったり、リアルタイムでの授業ではなくなったり
それによって強制力が弱まり
授業を受けていないという学生も
「いつ受けてもいい」というのは
その分自己管理が大変ですよね

その他にも
「切り替えができない」「人の目がなく集中できない」
「意見交換、ディスカッションの機会が減った」
などの意見がありました

ちなみに、
オンライン授業の継続についてどちらとも言えない人の意見は、

「学習の質は高まったが課題が多く休日がない」
「科目によっては効率的だが、不十分な点も多い」
「集中して学習できるがともだちと会いたい」

など、先にあげたメリットとデメリットどちらもあり
判断しかねるというものでした

オンライン授業の継続賛否意見

◎まとめ

・オンライン授業で最も多いのは「オンデマンド形式」
約7割がオンライン授業になって授業時間が短縮と回答
・オンライン授業の良い点は、時間的自由度の高さ
・オンライン授業への不満は、成績評価方法である一方
 特に不満がない学生は約1/4
約6割今後のオンライン授業の継続を希望



◎最後に

ここまでオンライン授業に関するアンケート結果をまとめてきましたが、
私自身が「賛成!」「反対!」と言うことはしませんし
私レベルがどうこう偉そうに意見を述べられるとも思いません

ただ、

学生がどのような感情を抱きながら
コロナ禍を過ごしているのか

コロナが収束した後も
オンライン授業はデメリットもある一方で、
メリットも多く新しい選択肢といえること

そういったことを
学生でない方に知っていただけたり

学生の方にも

こういう学生もいるんだと
違うタイプの方の意見を認知していただけたり

自己満足かもしれませんが
少しでもそんな機会になっていたら幸いです


回答に協力してくださった方、本当にありがとうございました
そして
アンケートを行ってからまとめるまでに時間がかかってしまい
申し訳ありませんでした

拙いアンケート調査だったと思いますが、
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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