見出し画像

蠍座満月の独り言

ひとは月から産まれる。
闇から生まれ、そして太陽になる。
最後にたどり着くのは土星だろうか、それとも天王星だろうか。

今回の満月は皆既月食を伴う特別な満月。
食の季節は心揺さぶられることが多い。

先週迎えたカイロンリターン。
星を読み始めた頃はずっと遠い先のことだと思っていたけれど意外と早くやって来たような。

魂の傷を表す小惑星カイロン、1977年に発見された占星術の世界では若手の星。自分が生まれてから発見された星だ。

この1週間、ふっくらしていく月と帰還したカイロンと共にいろんな想いが満ちていく時を過ごした。夢見も激しく、印象に残った夢を思い出しては書き留めた。

カイロンは50年かけて本当は魂に傷などないと教えてくれたのかもしれない。

今は長い年月をかけて自らの光輝く魂に出会い直したような気がしている。

自分癒やしの終焉、そんな風に語られるカイロンリターン。ひとは自分の弱さや脆さ、痛みや悲しみをまるっと包み込み、自己を受容するのに50年もの歳月を要するのかもしれない。

人知れず抱えてきた心の重荷をそっと下ろし、柔らかい自分を護るために身に付けてきた鎧を外し、赤ん坊のような新鮮な眼差しを手に入れ、再び歩き始める。

もう月は射手座に入った。
厚い雲に覆われた夜空に月の輝きは見つけられない。

たとえ見えなくても、そこにあると信じられること。
それは心を豊かにし、未知の世界を歩く勇気を与えてくれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?