SS【言いなり】♯毎週ショートショートnote
お題「エモすぎる謎ねぶた」
【言いなり】(410文字)
眠りの森の美女と呼ばれるようになって百年。
私はまだ夢を見ている。外からは眠っているようにしか見えないけど。
そろそろ王子さまの出番じゃないのかしら。私はイライラしていた。
その時、夢の中にぶたが現れた。
「ぼく、ねぶたです」
「はい?」
「ぼくは睡魔を追い払えるんです。えっへん」
私は、ねぶたの尻をペチッと叩いた。
「イタっ。なにするんですか…」
「じゃ、さっさと追い払って」
優しい人かと思ってたのになぁと、ぶつぶつ言うねぶたの尻を叩き、私は睡魔を追い払わせた。スッキリ!
しかし目が覚めてもねぶたがいる。
「まだいたの」
「ひどいなぁ。ぼくのおかげなのに」
まぁね。私は微笑んで、今度は尻をなでてやった。
すると…
突然目の前に、超絶美形の王子さまが現れた!
謎のねぶたは王子さまだったのね、エモいわ!
こうして、エモすぎる謎ねぶた…もとい王子は姫と結婚。
相変わらず尻を叩かれたりなでられたりしながらも、姫の言いなりになって幸せに暮らしましたとさ。
おわり
(2023/11/22 作)
たらはかに様の11/19~11/25のイベントに参加させていただきました☆
今回は裏お題です。
お題自体がエモすぎてウッカリ本性が現れたわけではありません。
(;・∀・)
『ねぶた』の由来を調べましたら、元々は江戸時代の「眠り流し」と呼ばれる睡魔を追い払うための行事だったそうです。
その名称が、「眠り流し」→「ねむた流し」→「ねむた」→「ねぶた(ねぷた)」となったとか…。
※参考にしたサイトはこちら
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