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掌編小説【うまそう】♯毎週ショートショートnote

お題「迷鑑定バディハイキング」

【うまそう】410文字

そのチラシには『迷鑑定バディハイキング』と書かれていた。
二人一組でハイキングコースを歩き、途中に置かれた品を鑑定しながら選び取っていく。
優勝は、鑑定の精度とゴールまでのタイム、そしてバディ(相棒)との相性の良さも考慮される。優勝賞金は五万ドル。
それを見た少々おバカな二人組は顔を見合わせた。
「バディ、鑑定できるか?」
「適当に選べばいいさ」
二人はエントリーした。

「なんだこれ、簡単すぎるな!」
二人は次々と鑑定品を選びとり、最後は川を泳ぎ渡ってゴールした。
「では、こちらでお疲れを癒してください」
優勝した二人が広々とした湯船に浸かりくつろいでいると、『うまそうな方を取れ』と指示されて選んできた、玉ねぎ、にんじん、セロリもポンポンと投げ込まれた。
「…よぉバディ、なんだか『注文の多い料理店』みたいな展開じゃねぇか?」
一人がポロリとつぶやき、二人はハッと顔を見合わせた。
しかし時すでに遅く、頭上からは落し蓋の影が迫っていた…。


おわり

(2023/2/16 作)

『たらはかに』様の2/12~2/18のイベントに参加させていただきました☆
奇抜過ぎるお題にたじろいで不参加にしようかと思いましたが、がんばって裏お題にトライ☆
東北の文豪の力を借りました……(;・∀・)

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