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掌編小説【フォロワー】♯毎週ショートショートnote

お題「ビジュアル系男子に教えられた琴」

【フォロワー】(410文字)

「お迎えに来ました」
私が八十年の生涯を終える瞬間、琴の音と共に男の声が聞こえた。
私は死んだんだわ…。
そう自覚すると、目の前には生前『推し活』していたビジュアル系和楽器奏者そっくりの男がいた。なぜ?!彼はまだ生きているはず。

「私は、あなたの遠い先祖なのですが、今はあなたが生前強く想っていた方の姿を借りています。BGMもあなたが一番好きな琴の曲を」
「まぁ」
「先祖への供養を毎日してくださった、ほんの御礼です」
「うれしいわ、ありがとうございます」
毎朝仏壇に手を合わせた甲斐があった…。

「あなたのnoteはこちらでも読ませていただいていました」
「え?!『ビジュアル系男子に教えられた琴』の、たった一人のフォロワーってもしかして」
「わたしです。あなたの琴も毎日聴いていましたよ」

遠い先祖は優しい目で私を見つめると、そっと手を取った。
私はうっとりしながら思った。
フォロワーさんの記事のタイトルは『黄泉の国から』だったけど、本当だったのね…。

おわり

(2023/2/22 作)

『たらはかに』様の2/19~2/25のイベントに参加させていただきました☆
今回は裏お題です。
前回の表お題と同様、noteをネタに使っちゃいました~(;・∀・)
ご先祖様は大切にしましょう。

おもしろい!と思っていただける記事があれば、サポートはありがたく受け取らせていただきます。創作活動のための心の糧とさせていただきます☆