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白衣の天使、白衣を脱ぐ。〜病院ギライな訪問看護師の話〜

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2016年3月の記事一覧

とある師長との出会い。

とある師長との出会い。

③平成12年・総合病院169床・千葉県(その5)いろんな人の協力を得て正看護師を取得した春、とある師長に出会います。

その師長は、舞台女優みたいな人で、ぱっと見は、白衣を着ていても看護師に見えないどう見ても銀座のママ(しかも老舗)みたいな人でした。

私の人生は、このT師長によって変わり始めました。その頃、月に8回くらい夜勤をしていた私には、当然のように8回夜勤明けがありました。

私が受け持ち

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今から謝りに行きたいくらい自己中。

今から謝りに行きたいくらい自己中。

③平成12年・総合病院169床・千葉県(その4)
働き続けながら正看護師を取得したと言うと、大抵の人が「すごいね!働きながらよくがんばったね!!」と言ってくれます。

そう言われると、「ほんとスイマセン」って気持ちになります。

なぜなら、すごーく自己中心的な行動と考えで働いていたから。

今思っても、なんであんな風に考えていたのか、謎。コワい。

「私、働きながら学校行ってるんだからすごく大変な

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そうだ、正看護師、とろう。

そうだ、正看護師、とろう。

③平成12年・総合病院169床・千葉県(その3)この千葉の病院は、10年と6ヶ月働いた場所でした。10年もいれば、人生の転機もやってくるというものです。

私の場合、それは千葉の病院で働いて6年目。准看護師として働き始めて10年の時でした。

親に勘当され、たったひとりで千葉に出て来てでも一緒にいたかった最愛の彼との別れです。

うつの波もどん底にいくくらい落ち込み、ああ、もう、私、生きてる価値な

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病院に行けば、こんな私でも必要としてくれる患者さんがいる、という心の支え。

病院に行けば、こんな私でも必要としてくれる患者さんがいる、という心の支え。

「この病院で何年」「あの病院で何年」なんて、ちゃちゃっと書き終わると思ってたんですが、ついつい、エピソードが盛り上がってしまいますね。この辺り、まえがきみたいなものなのですが、避けて通れないエピソードが多いことに気付いた今日この頃です。

③平成12年・総合病院169床・千葉県(その2)今のところ、この千葉の病院で働いた期間がいちばん長いです。10年と6ヶ月働いていました。千葉県と茨城県の境目のよ

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看護を提供する側の元気、倖せ。

看護を提供する側の元気、倖せ。

前回の話はちょっと重たかったですかね?でも、実際に死の現場に立会う事がとても多いので、ナース自身がメンタルをどう保つかがとても大切なんです。

人の死に多く触れる仕事をしていると、メンタルをコントロールするためには「死について向き合い自分なりの考え方を持つ方法」と、「死を感じない方法」とがあります。

前者は、亡くなる方に対して感じる事が毎回あると思います。自分の受け持ち患者さんが亡くなった時、泣

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看護師歴20年エピソードその2。今回は笑いよりシリアスです。

看護師歴20年エピソードその2。今回は笑いよりシリアスです。

③平成12年・総合病院169床・千葉県自分の中でいちばん「お世話になった感」が強い病院です。ここに就職した理由は「住む所を準備してくれる」「住みたい場所から近い」ということです。

住みたい場所といっても、すごく都心とかではなく、限りなく茨城に近い千葉でした。その場所に住みたかった理由は、ズバリ、「当時交際1年だった千葉県に住む彼の側に引っ越したい」です。

この理由からも、いかに何も考えずに就職

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看護師歴20年、こんなおもしろエピソードがあるよ。

看護師歴20年、こんなおもしろエピソードがあるよ。

すごいなー、看護師、20年も続けてるんだ・・・・

ほとんどの事が3日坊主な私としては、20年も続けている事といえば、生きてる事と看護師くらいです。

20年間同じ病院で働いていたわけではないので、すこし、おさらいしてみましょう。

「なぜその場所で働くようになったか」も書いてみるので、それによって私の看護師としての姿勢も、あらわにしてしまいましょう。

①平成8年・整形外科病院155床・大阪(1

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ナースは天使なんかじゃない。

ナースは天使なんかじゃない。

衛生看護科のある高校で、休み休みながらもなんとか卒業し准看護師の資格を得ます。その時、とあるお堅い病院付属の専門学校にも合格し、そのまま進めば一気に正看護師の資格を得られる状況でしたが、私は1年と少しでそこを中退してしまいました。

中退する事でまた父親とぶつかり、家出をしました。

そして、19歳。准看護師として病院で働き始めました。

もうすぐ20年になる、ナース人生の始まりです!

ここでひ

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