看護を提供する側の元気、倖せ。
前回の話はちょっと重たかったですかね?でも、実際に死の現場に立会う事がとても多いので、ナース自身がメンタルをどう保つかがとても大切なんです。
人の死に多く触れる仕事をしていると、メンタルをコントロールするためには「死について向き合い自分なりの考え方を持つ方法」と、「死を感じない方法」とがあります。
前者は、亡くなる方に対して感じる事が毎回あると思います。自分の受け持ち患者さんが亡くなった時、泣いてしまう事もあります。
後者は、「死」とは仕事の一環でそれに感情を揺さぶられることはあまりありません。業務的な感じで感情をあらわにせずに対応します。冷たい感じがするかもしれません。
だけど、どっちがいいというわけではないと思います。業務的な対応だから悲しくないというわけではないのです。プロとして接している、と感じていただければと思います。
千葉の病院で働いている時、私はうつと摂食障害を煩っていました。
え!?
患者さんのお世話をする看護師さんが、病気なの?
こんな風にびっくりされる方も多いかもしれません。
でも、多いんです。
病気まで行かなくても、病気の前の段階だったりするナースは本当に多い。
昼働いたり、夜働いたり、自分の本来のペースで動ける事が少ないです。
患者さんのこと以上に、人間関係での悩みも多い。夜勤を一緒にするメンバーが苦手な先輩だったりすると、すごいストレスです。
勤務表が出来たら、まず誰と仕事する日が多いのかチェックして、今月はあの人と3回も夜勤がある!!なーんて、働く前から辛くなったりして。
やたら薬を飲むのも、ナースあるあるかも。
何かあったらすぐ先生が薬を出してくれる。
いちばん常用者が多いのは鎮痛剤。
頭が痛かろうが、お腹が痛かろうが、腰が痛かろうが、病院に来たら働くしかありません。
頭痛薬を飲んで、働く。
頭痛が治まらなければ、もう1錠。
あれ、今日何錠のんだっけ? でも痛いから、もう1錠、みたいな・・・・
痛みは止まっても、痛みの原因は治ってないことにも気付かない。気付けない。
夜勤だから、眠っておかなくちゃ!と睡眠薬を飲むナースも多い。
あれ?風邪かな?と思ったら風邪薬、解熱剤。ツワモノになると、自分で針をさして自宅で点滴する人もいましたね。スゴイ。
そこまでして働かなければいけないことに、今は疑問を持てますが、病院で働いていたときは、「とにかく仕事に穴をあけられない」の一心でした。
それでも、ナースは今日も働く。
色んな方と出会うようになって、「看護師です」と自己紹介すると、お礼を言ってくれる人が沢山いることに気付きました。
入院している時、看護師さんには本当にお世話になったのよ、ありがとう。
看護師さんの仕事は本当にハードだね、おつかれさま!
素晴らしい仕事だからこそ、看護師さんこそ元気でいて欲しい!
お礼を言ってくれた人に、実際にナースとして接したのは私ではありません。
見ず知らずの、ナースが看護した人が、巡り巡って、私に「あの時はありがとう」とお礼を言ってくれる。
そういうこと、他の職業ではまずないですよね。
「ナース」「看護師」という職業として、感謝されているんです。とってもありがたい事です。連帯責任ならぬ、連帯感謝。
そして、多かったのが、
看護師さんこそ、元気で、倖せでいてほしい。
というご意見。
大変な仕事だからこそ、あなたたち自身がまず元気でいてね、というエールです。みんなを助ける素晴らしい仕事を続けられるように、という応援でもありますよね。
こうやって、色んな人から、「看護師という仕事は応援されているんだ、感謝されているんだ」ということを知れました。
この、いただいた言葉達が、
看護を提供する側がまず、元気で倖せでいた方が良い。
という気持ちの始まりでした。
どんなに素晴らしい仕事でも、自分自身が元気で、倖せでないと、よい看護は出来ない事に気付けました。
自分自身がボロボロで、ストレスでイライラしていて、忙しくて大変だったら、本当の意味で心から相手を思った看護は出来ないと思ったから。
自分を見つめる事で、その一歩を、歩き始めました。
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