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うなずき おじさんよ、今夜もありがとう!

一人でお酒を飲んでいる人を見るのが、好き。

仕事帰り、居酒屋のカウンターでしっぽり一人飲む。

まだ夕暮れなのに、公園のベンチで寒さに震えながら、家に帰らず、飲む。

深夜にファミレスでスマホいじりながら、欲望のままに、食べ・飲む。

朝からやっている御飯屋さんで、寝ぼけ眼にゆっくり飲む

なかなかお家で飲んでいるところを見る機会は、ないけれども。
今はYouTubeがあるからね。いろんな方の酒飲みを見ることができる。
もちろん吉田類の酒場放浪記も、拝見しております。
「町中華で飲ろうぜ」も。

一人でお酒を飲んでいる姿には、本当に「自由」があると思う。

だいたいの方が、美味しそうに飲んでいる。人生を嚙み締めるかのように。人生を可愛がるかのように。

相手は、お酒だけ。黙々と食べ・飲む。
そこに、しがらみのようなものは、存在しない。

時には、本やスマホ片手に。テレビを見ることも。
好きなことをしているのが良い。食べる順番にだってルールはない。

その中でも、見れたらラッキー!最高に好きなのが、「うなずき おじさん」

お酒を飲みながら、うなずいているんだ。まさに人生を可愛がっている!!別に、高い日本酒を飲んでいるのではない。本当に普通の、普通のお酒。

一口飲む度に、何度も何度もうなずいて
なんだか何を考えているか分からないような
でもどこか幸せそうな、まるで自分を慈しむような表情をしている。

そんな「うなずきおじ」を最近見たのは、昨年の冬の平日。
新幹線の大きな待合室でのこと。

その待合室にはカウンター席があり、そこで時間まで暇を潰していた。

カウンター席からは、ガラス張りで外が見える。
その日は大雪で、窓の外には、銀世界が広がっている。

この町は、白くリセットされて、新しい町に書き換わるのじゃないか?
そう思えるぐらいの大雪にワクワクした。

その「うなずきおじ」も同じ気持ちだったのかもしれない。

駅の売店で購入したであろう「チューハイ」を片手に外を眺める。
一口一口ゆっくり飲む。そして外を眺めて、何度も何度もうなずく。

外を見ながら、何うなずいているんだ?

でも気持ちは分かる。

そして、ありがとう、幸せな気持ちにしてくれて。
きれいな「うなずきおじ」

今考えると。

もしかしたら、あのおじが雪を降らしていて……。町が白くなっていくのを、あの町が塗り替わっていくのを楽しんでいたのかも。

……そんなわけないか。こういう妄想が広がるので
一人でお酒を飲んでいる方を見るのは好きです。

そういえば、仕事で知り合った方で16時になったら
連絡つかなくなるおじさんって居たなあ。
もうお酒飲み始めてるんだって。いいなあ。そんなおじさん。
仕事できる良い方だった。

金曜の夜だからね。そんな自分的に楽しい話。

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