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後輩の成長を共有する

昨日、本校の初任教員から「明日の3時間目、算数をやるので見ていただけますか?」

と、ありがたいお声かけをいただいた。

この初任者に対して、本校は今年度当初から1学期終えるまで、このコロナ禍という大変な状況な中にもかかわらず、若手への育成の取り組みがほとんどなかった。

同僚もこの初任者の育成が進んでいないことを心配していて、「研究主任」という肩書きのある私から、管理職に初任者と組む学年主任と連携して若手育成を進める許可をもらった。

それから、少しずつ動き出し、私が初任者の算数授業を見たり、私の授業を見に来てもらったりと始まり、何か道が開けたような感じに、初任者はあらゆる教員の実践を見に行くことに積極的になれた。表情が以前よりも晴れている日が多く感じ、私は嬉しかった。

私が初任者のクラスで授業をした際は、私にとっても大きな学びになった。

理想と現実は違くても、夢と希望を胸に、コロナ禍であろうと初任者としてスタートしたわけだ。初任者に幸せを感じられるよう、少しでも力になれたら、と。

そんなことを考えていたから、この初任者の変化は本当に嬉しいことだ。

さて、話を戻す。

声かけいただいたので、授業を見に行った。私は、若手に授業参観の声をかけていただいたり、クラスを借りて授業をさせていただいたりと、若手育成でありながらも互いに学び合う機会をいただいている。

そして、若手の経験年数によっては、あまり他人には発信しない「技法」的なことも伝えることがある。

特に、この初任者には基本的なことを意識して参観し、事後の座談協議で話をする。

ちょうど昨日、武田信子さんの記事を拝読させていただいていたので、私なりに、伴走者(この表現は、石川晋さんによると、今後は改まるそうだ。)、クリティカルフレンドであることの大切さを改めて確認することができた。今回はそこを意識して初任者の授業を参観した。

放課後、初任者と授業後の座談協議会を開いた。まずは初任者の思いをフランクにお喋り的に聞き出し、細かい授業の技法的なこと、子どものやりとりの内容の改善や提案、教科書の扱い方などを伝えた。

最後に、以前よりも実践を通して着実に成長していることを伝えた。目が輝いていたように見えた。(まぁ、マスクしているから目しか見えないのだが 笑)

以前から比べた成長を伝える中で、「以前は何でもかんでも言ってしまう〇〇さんが、今では子どもたちの言葉で授業をつくっていく姿があり、着実な成長を感じている」と伝えたのだが、これは、この初任者の子どもと授業をつくろうとしているその姿勢を、自己の中にも大切にしていこうと、再確認するためのものでもあった。

若手の育成に携わると、自身の子どもに向かう基本的な心情的、身体的なものを確認できる。

それにしても、私は初任者をはじめ若手と語り合うこと、ちょっとした助言や提案ができた日は、とっても清々しく感じている。

今後、そういった、学校現場の先生の、もしかしたら凝り固まってしまいそうな心と体をほぐせるような立場で、公立学校をサポートしていくというビジョンも、視野に入れていこうと改めて強く感じた。

未来のために、同僚と成長を共有し合うということは大切だ。

そういった教師同士の磨き合いは、必ず子どもにも良い空気として伝わっていくに違いない。

コロナのこんな社会だからこそ、教員同士が夢と希望を失わないようにしないといけないな、と。感じるのだ。

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