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【仕事・建築】日本の学校からプール無くなる日が来るかもしれない

おはよう
こんにちは
こんばんわ
今日も来てくれてありがとう。

今日で8月も終わりですね。
最近、1週間が過ぎる早さに
恐怖すら覚えつつある。
この調子だと、すぐ年末だな。

それにしても今年は暑かった(今も暑い)
そんな暑さに、今日はプールの話

大手のプール事業撤退

ヤマハ発動機がプール事業を撤退した
業界内でもかなりの騒ぎになった。
いや、未だ騒ぎは続いているのだ。

僕は建築業界で働いており、
かつ営業マンなので
すごく大きい話のネタが出来た!
そんな気分だ。

そもそもプールについて知らない人が多いのは当たり前で「国内プールメーカーを挙げてください」と言ってどのくらいの人がメーカー名を当てられるだろうか。
それほど、マイナーな分野であることは間違いない。しかし、建築の業界においては、プールメーカーといったらヤマハ発動機なのだ。


ヤマハ発動機は、あの楽器でおなじみYAMAHAの関連会社ではあるが、別会社としての立ち位置である。

一度は聞いたことがあるであろうヤマハのバイクというのはヤマハ発動機のバイクである。

そのヤマハ発動機がプール事業をやっていたことを知る人は少ないだろう。しかし、業界内では強い立ち位置におり、そのヤマハが撤退するからこそ、業界では大騒ぎになっているのだ。

ヤマハ発動機が強い理由

プールの種類は様々。
(そもそもプールに種類があることすらわからなかった)

学校のプールや、ジムにあるプール、民間の市営プールなどを思い出してほしい。壁が硬いプール、柔らかいプール、触るとやたら冷たいプール
なんとなく違いがあったような気はしなかっただろうか。

プールの種類は下のような感じである。
・コンクリート製
・ステンレス製・・・金属プール。耐震性がある
・FRP製・・・繊維素材。保温性があり温かい

コンクリート製はほぼなしと思っていただいて大丈夫。ステンレス(金属製)製とFRP製の割合について、ヤマハ独自の調査結果によると、プール全体の約54%がFRPらしい。

そして、FRP製の約90%をヤマハ発動機が担当しているのだ。

だから、ヤマハ発動機が強い。


ヤマハ発動機の撤退は、
今後FRP製のプールが作れなくなる
と言って過言ではない。

国内でFRP製プールを作れるメーカーが
おそらく業界経験上いないから・・・

まぁ、大騒ぎになるわけですよ。

①大手の撤退
②FRP製のプール製造が出来なくなる

この2点に頭を悩ませる設計事務所や
これから学校建設を計画している役所、
プールが必要な施設を運営している会社は多い。

プール撤退の背景

ヤマハ発動機がプール事業を撤退することは、
たしかに衝撃ではあったが、背景を考えれば納得いく。

まず、FRP製プールの90%をヤマハ発動機が担っている現状から、なぜ撤退するのと思うだろう。実は、プールを含むFRP事業の売上高は36億円(22年度)に対し、営業利益は2億円の赤字なのだ。

なぜ、ここまで利益赤字になったのか。

背景に存在するのは、
①新型コロナの影響
②学校の減少
③学校にプールを設置しなくなった
この3点である。


特に、学校からプールが減っている問題については深刻だろう。学校の授業で使用するプールを、民間施設のプールを利用するといったものだ。

「令和3年度体育・スポーツ施設現況調査の中間報告(速報値)」によれば、全国の小・中学校に設置されているプール施設数は約22,036か所となった。25年前の1996年からは約6千か所の減、小中学校に設置されている割合も5ポイントの減となっている。

笹川スポーツ財団「変わる学校プール、減り続ける公営プール」

このように学校からプールが減少しているのは明らか。少子高齢化社会による児童減少から、学校の統合等に伴って、学校そのものも減っており、
また、古くからある校舎は改修時期を迎え、そのような統合・改修のタイミングでプールのあり方が見直されている。

維持できないプール

1961年のスポーツ振興法に伴って、国の補助金で学校にプールを設置することが流行る。しかし、60年経った現在となっては老朽化したプールは改修を余儀なくされ、公立学校を運営する役所にとっては頭を悩ませる要因となっている。

また、維持という点では水道代も馬鹿にならない。プールの水1回の入れ替えは約20万円もする。そのため、シーズン中は水質を保つ必要があるので、常に濾過機を稼働させている。

ここまで労力とお金をかけて、プールを維持する必要があるのかと、きっと誰もが思うだろう。


そのような中、最近あったニュースは”教員による水の止忘れ”だ。

今年5月、川崎市立の小学校プール。
水を入れる際に教員が誤って6日間も水を出したままに。プール6杯分、合わせて約217リットルの水が溢れる事態となった。川崎市は校長と教諭に過失があったとして損害額190万円の半分、95万円程度を2人に負担させた

これがブラックすぎるとSNSで反響を呼んでいる。

まぁ、正直これはあんまりだなぁと思うけど。
プールの水を閉め忘れて溢れたままという話は
今回に限った話でもなく、
毎年のように全国で発生していることだ。

川崎市長は、「教員の減少とは別の話」と述べていますが、別の話とはいえ、学校といえど民間でいえば会社。その会社で起きた故意ではない事象を、一社員のポケットマネーで支払わせるということを聞いて 

「君は教員になりたいか?」
と聞かれたら

よっぽど教育が好きな人じゃない限り嫌だと思うけどね。。だって、ブラックじゃん


今後プールはどうなる

近くプールの授業がなくなるといったことは決してない。

建築業界で仕事をしていて、
今もプールの改修や新築の話は出る。

もちろん市や区によっては、
今後学校施設にプールは設置せず、
民間施設のプールを使用するところも
出ている。

プールのあり方を考えつつも、
授業のために民間施設への移動労力(教師への負担)や、泳法や水に慣れるということについては授業の存在は大きいと思うので、プールは必要ではないかと思う。

この問題が
あまりニュースとして注目されないが
結構な深刻さだ。

将来、
おじいちゃんの子供の頃は
 学校にプールがあったんだよ

という日が来るかもしれない。

今日もありがとう。
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