【仕事・建築】泥臭い建築現場。人情味溢れた現場。
おはよう
こんにちは
こんばんわ。
今日も来てくれてありがとう。
この間まで秋の陽気とか話していたけど、また暑くなってきたね。
建築の現場
意外と工事現場は、僕らの身近に存在するんだ。
僕らは道路を歩いている時、何気なく目線を工事現場におくるけど、意識はしていない。
ただ、たまにあるのは、ここに何が建つのか気になる瞬間。そのとき少し現場に近づく。
現場の前を見るとわかるが、必ず交通整理の人が立っている。搬入経路確保のためだ。
その先は、一般人は入れない。
僕は建築業界で働いている。
業界の人間は現場に入る特権を持っている。これがなかなか面白い。
建物が完成していない且つ、関係者以外立ち入り禁止を乗り越えて、これから建つものを間近で見れる。
まるで、情報を先取りできるようで、なにか優越感を感じる。
壁の中がどうなっているのか、天井をかける梁はどんな感じなのかとか、
実際に現場に行くと、自分が見たことのないものを見れる楽しみが待っている。
ただ、浮かれた気分のままだと、現場の大工さんに怒られるから要注意だ。
現場とは
初めての現場は都内の某保育園。
元々老朽化していた保育園を解体し、園舎を新築する計画。
上司の指示で現場に行くことになったのだが、そもそも現場の仕組みを理解していなかった。
上司からは現場に行って神里っていう大工さんがいるから、その人見てれば大丈夫だ。
それだけ言われ、僕は現場へ行った。
建物は、建てたい人の依頼で、設計事務所が図面を書き、その図面をもとに建てれる会社が建築する。
ここでいう建てたい人を施主、建てれる会社を元請けという。
僕の仕事は建材営業であり、建築に必要な材料を建てれる会社に買ってもらうのが役目。
買ってもらったら、それがしっかり納品されることを確認するために、現場確認に行く。
ちなみに、大工さんは全員同じ会社ではない。施主と契約を結ぶ元請けの下に、いくつかの会社や個人で働く大工さんがついている。
大工Kさんは、うちの会社が得意先として依頼している大工さんだ。
現場のいろは
なぜ建材販売の会社が、建物を建てないのに大工を雇う必要があるのか。
その理由は現場に行って初めてわかった。
現場にいるのは、元請け会社の社員と雇われた複数人の大工さん。
神里さんの役目は弊社商品をいち早く搬入と取り付けをするために、大工さんに対する指導が役目。
仮にKさんがいなかったら、大工さんに放り投げるようなかたちになる。
そこでクレームの発生は地獄だ。
神里さんがいなかったら、僕は初めての現場で出禁を食らっていただろう。
大袈裟なって思うでしょ。
建築現場は、一歩間違えれば大怪我や命を失うからね。2021年は建築・建設の現場で288人が亡くなっている。
まず、ヘルメットの着用は必須。特にクレーン車の下にヘルメットなしで入ったら即退場。
夏場でも半袖での現場入りは禁止。長袖の理由は端材や鉄骨材で怪我をしないようにするため。
以前、現場に労いの挨拶として、ヒールを履いて現場に来た女性議員がいた。下はスカート。
現場視察ということだったが、正直現場を舐めすぎだ。周りの大工さんも冷たい目で見ていた。
現場とはそういうものなんだ。
泥臭さと人情
現場のイメージはどうだろう。
怖そう、汚そうと僕は勝手にイメージを抱いていたが、それは真剣だからだ。
一歩間違えれば死ぬ、失敗すれば明日の仕事がなくなる、建物が間に合わなければ休みも返上し、体力が奪われる。
夏の暑い日も、冬の寒い日も現場は止まらない。みんなが必死に働いている。
現場は泥臭い場所だ。
現場は人が育つ場でもある。
寿司屋の修行はいらないと話題になっているが、建築の現場はオンラインで学べるものではない。
鉄パイプを持って、金槌で叩いてなんぼ。高所作業は恐怖との闘い。それが現場。
怖い親方も親身になって若手を育て、作業が滞るトラブルなどにおいては全力で守る。
そういう現場だからこそ、建築の営業は決して上からの立場で現場に臨んではいけないんだ。
今の時代っぽくないかもしれないけど、そういう人たちがいて、僕らの生活は成り立っている。
これからの現場
建設業の2024年問題。
きっかけは、2019年に施行された「働き方改革関連法」なんだ。
建築現場に対して、時間外労働の上限を設けることや、年次有給の取得義務、労働待遇の一律化などを求めるもの。
5年の猶予はあったものの、それが2024年4月に終わる。これが今や大きな問題となっている。
しっかり休めるからいいじゃん!と思われるかもしれないが、そのような甘い話ではない。
ただでさえ、人手不足や高齢化などにより工事が間に合うか瀬戸際の現場が多いにも関わらず、強制的に休むこととなれば、工期遅延は否めない。
今後、4月入園予定の保育園がまだ出来てません。学校の工事が中途半端です。マンションがまだできないので住めません。
そのような話が出てくるかもしれない。
そのため、建設業界ではDXやロボティクスによって効率化を目指す動きを徹底しているが、まだまだ都心ですら叶えられていない状況。
そこに万博の問題。2025年大阪万博の工事が予定よりかなり遅れを見せており、建築計画すら提出していないパビリオンもある状況。
相当人を駆り出さない限り実現は難しい。だからこそ、元請けの清水建設と国は対立し、国が巻き取る結果となった。
しかし、それを作るのは国でもない、現場の元請け技術員や大工なのだ。
負担が全てそこにいき、全国から人が駆り出され、地方の建築が回らなくなる。
大工さんも人に教えたりする余裕はきっとなくなるだろう。建築業界は、山積みの課題に取り組んでいる。
僕らは、建築の現場をもっと理解すべきなのかもしれないね。
そんなお話でした。
今日も来てくれてありがとう。
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