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成績トップはマネージャーにすべきではないのか

よく、個人成績トップの社員を
マネージャーなどの管理職登用をすべきでない、
という本や記事を見かける。


確かに、一理ある。

成績トップをマネージャーにすべきでない理由


そう考えられる理由は、
大きく分けて、この二つではないか。


・成績が伸びない部下への理解が足りない
・部署全体のことでなく、自分がトップの成績になることを優先する


具体的には

部下が成績が伸びずに悩んでいても
努力が足りない、などとして
具体的な改善方法を示さない場合や、

特にプレイングマージャーにおいて
部署全体のマネジメントと
自分の成績に対する優先順位が
逆転してしまっている場合など。

成績トップをマネージャーにするメリット


ただ、逆に、それらの間違えを起こさなければ
優秀なマネージャーになる可能性は高いと思う。


なぜなら、個人で成績を伸ばすことができるということは
「成績の伸ばし方」は身についているということ。

ここでいう、「成績」は定量的に成果を測れるもの、
営業職の売上高などがわかりやすい。


「個」の集団が組織なので、
「個」の成績を伸ばすことができれば、
「集団」としての成績も、より伸ばすことができる。


だから、
マネージャーが個人よりも組織の成果を優先し、
「個人成績の伸ばし方」を客観的視点で他者に説明したり、
共有することができれば成果につながりやすい。


但し、その場合であっても課題はある。

それは、その方法で「個」を束ねて
「集団」の成績を伸ばせたとしても
足し算にしかならないこと。


これを掛け算にして
飛躍的に伸ばすには

チームで弱点を補い合ったり
美点を共有し、それを伸ばす組織力を
育む必要があるので
(※美点・・・弱点の対義語、だそうです)

そこが、課題になる。

調整力重視の人物がマネージャーだとしたら


逆に大変なのは
個人成績の伸ばし方がわからないまま
調整力を買われてマネージャーになってしまった場合。


少し極端な対比にはなるけれど
マネージャーになったはいいが、
成績の伸ばし方がわからないとなると

部下にその方法を指導できず、
組織運営にも支障が出る。


風通しが良く、団結力もあるけど
進む方向がわからない状態では
成績は伸ばせない。


管理職には「成績を伸ばす」ことが求められる。

方向性を示すことは、リーダーの最も大きな役割


管理職には
成績を伸ばす方向へ導くリーダーシップと
円滑に運営し、連携を高めるマネジメントの
両方の力が求められるけれども、

個人的には、
成績を伸ばす、成果につなげる
リーダーシップの力の方が
管理側には必要な力だと思う。


長期安定的な会社や部署であれば
そういった力はそこまで求められないかもしれないけれど、
危機的状況に陥った時に

判断できない、決断できない、
進む方向が示せない、と
なったら、

その危機は回避できず、大きな損失を被ることになる。


そういった意味で、

個人成績が伸ばせない上司よりも、
個人成績がトップの上司の方が
管理職に向いている、と思う。


成績を伸ばせない、ということは
その企業の強味や、自分の強味、
またその部署での成績の伸ばし方の仕組みやルールを
理解できていない、という意味と等しいと思う。


ゲームの仕組みやルールを理解できなければ、
ゲームには勝てない。



求める管理職像が、
上の言うことを聞くイエスマンで、
前年踏襲型の仕事の仕方で
仲良しこよしの状況を維持することが目的、
ということでないとしたら、

個人成績を上げてきた人物に
管理職を任せる一方で

その人物のチームプレーを育む力、
つまりマネジメント力について
教育していった方がいいのではないかと思う。


会社内のリーダーシップの最上位が社長だとすると、
仮に会社が危機的状況に陥っているときに

社長から進む方向が指し示されなかったら
さすがに不安すぎてその会社にはついていけない。


少なくとも、船が沈むことを覚悟しながら
別の船を探す活動に入ると思う。

とすると、
組織を導く方向を示せる方が
管理職に向いているのではないか、と思う。



個人成績は上位で
チームの調整力もある
バランス型の人物がいれば、
それが理想的ではあるけれど。


なかなか理想的な状況は訪れにくいことと
こういった極端な選択に迫られることは
少ないとは思いますが、

管理職は使用者側であり、経営への第一歩目だとしたら
先ずは成績の伸ばし方を理解していることが大切だと思います。


責任を持たせ任せてみて、
個人成績でなく、部署実績が管理職の評価である、ということを
しっかり伝えれば、

成績トップを達成した人物ならば、きっとその新たな評価軸から
成果を上げてくれると思います。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした

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