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ワクチンが前途多難な中、もしかしたら救世主となるかもしれません。  「コルヒチンは軽症COVID-19の治療薬になるか?」

2021/02/17



TONOZUKAです。


ワクチン接種については前途多難なようですが、このような記事を見つけました。
もしかしたらコロナ感染に対して救世主になるかもしれませんね。


コルヒチンは軽症COVID-19の治療薬になるか?



以下引用

 抗炎症作用を持ち痛風治療薬として長く使われているコルヒチンに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化予防効果が期待できることが明らかになった。軽症で入院は要しないものの重症化するリスク因子を持つCOVID-19患者4488例を対象としたCOLCORONA試験の結果で、カナダ・モントリオールのMontreal Heart Instituteが1月22日に一部結果を公表、1月27日にプレプリント(査読前)の論文が公開された。プラセボ投与群に比べコルヒチン投与群は、主要評価項目である30日後の死亡または入院のリスクが21%抑制された。鼻咽頭ぬぐい液のPCR検査でCOVID-19と確定診断された患者4159例を対象とした解析では、主要評価項目で25%の有意なリスク減少を認めた。大規模な二重盲検試験で、既存の経口薬によりCOVID-19重症化の予防が可能であることを示した初めての臨床試験として注目される。

 対象は、24時間以内にCOVID-19と診断されたが、診断時に入院は不要と判断された40歳以上の患者で、重症化のリスクが1つ以上ある場合とした。重症化のリスクとは、70歳以上、BMI 30以上の肥満、糖尿病、コントロールされていない高血圧(収縮期血圧150mmHg以上)、呼吸器疾患や心不全、冠動脈疾患の合併、48時間以上続く38.4℃以上の発熱、呼吸困難症状ありなどとした。炎症性腸疾患、腎機能低下(eGFR 30mL/分/1.73m2未満)、コルヒチンを服用中の患者などは除外した。

 試験は多施設協同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験のデザインで、カナダ、米国、ブラジル、スペインなど6カ国の施設から患者が登録された。コルヒチン群は、最初の3日間は0.5mgを1日2回、その後は0.5mgを1日1回で、27日間投与した。プラセボ群も同様なレジメンで投与した。主要評価項目は30日後までの死亡またはCOVID-19による入院の複合とし、副次評価項目はそれぞれ30日後までの死亡、COVID-19による入院、人工呼吸器装着の各項目とした。

 患者登録期間は2020年3月~12月で、データベースが固定されたのは2021年1月20日だった。ベースラインの患者背景は平均年齢54.7歳、女性53.9%、BMI 30.0、糖尿病合併19.9%、高血圧合併36.3%などで、COVID-19の症状発症から平均5.3日経過していた。コルヒチンの投与期間は平均26.2日だった。

 主要評価項目である30日後の死亡または入院の発生は、コルヒチン群4.7%(2235例中104例)、プラセボ群5.8%(2253例中131例)であり、コルヒチン群でリスクは21%減少したが、わずかに有意差は付かなかった(オッズ比[OR]:0.79、95.1%信頼区間[CI]:0.61-1.03、P=0.08)。
 しかし、事前に設定されていた、鼻咽頭ぬぐい液のPCR検査で診断が確定している4159例を対象とした解析では、コルヒチン群4.6%(2075例中96例)、プラセボ群6.0%(2084例中126例)となり、リスク減少は25%で有意差を認めた(OR:0.75、95%CI:0.57-0.99、P=0.04)。

 同集団における30日後の入院はコルヒチン群4.5%、プラセボ群5.9%で25%の有意なリスク減少になったほか(OR:0.75、95%CI:0.57-0.99)、死亡は0.2%対0.4%(OR:0.56、95%CI:0.19-1.66)、人工呼吸器装着は0.5%対1.0%(OR:0.50、95%CI:0.23-1.07)と、どちらもコルヒチン群の方が低率だった。

 年齢、性別、喫煙状況、糖尿病合併、高血圧合併、肥満、レニン・アンジオテンシン系阻害薬の服用の有無といった患者背景因子による層別解析でも、コルヒチンの効果は一貫していた。

 安全性に関して、全ての重篤な有害事象はコルヒチン群4.9%(108例)、プラセボ群6.3%(139例)だった(P=0.05)。重篤な肺炎はコルヒチン群の方が少なかった(63例対92例、P=0.02)。肺塞栓症はコルヒチン群で多かったが(11例対2例、P=0.01)、コルヒチンには血栓形成抑制作用があることから、この増加に何らかの意味があるか偶然かは不明とした。全ての有害事象はコルヒチン群の方が多く(24.2%対15.5%、P<0.0001)、その主たる原因は消化器症状の増加だった(23.9%対14.8%、P<0.0001)。

 プレスリリースの中で、COLCORONAの主任研究者であるモントリオール大学教授のJean-Claude Tardif氏は「安価な経口薬であるコルヒチンに、COVID-19の合併症や重症化を防ぐ可能性があることを、世界で初めて示すことができた」と成果を強調した。

 なお、当初6000例を登録する計画だったが、75%の登録と追跡が終わった時点で早期終了された。これはデータ安全性モニタリング委員会の勧告ではなく、試験継続に関わる障害と、試験から得られた知見を現状のパンデミックに遅れることなく適用するための判断だったとしている。
 コルヒチンは古くから使われている経口薬で、我が国でも痛風と家族性地中海熱に対して承認されている。ステロイドやNSAIDsとは異なった抗炎症作用があり、慢性炎症の抑制により心血管イベントのリスク抑制が期待できるとする報告もある(関連記事1)。ギリシャで行われたGRECCO-19試験(関連記事2)ではCOVID-19に対する一定の有効性が示されたが、小規模なオープンラベル試験であり、結果の解釈には限界があった。

 我が国でも琉球大学と横浜市立大学のグループが、コルヒチンによるCOVID-19の重症化予防を検証する医師主導治験を行っている。その開発分担者を務める琉球大学大学院医学研究科臨床薬理学講座教授の植田真一郎氏は、「今回の結果からは、『コルヒチンはCOVID-19の重症化予防に有効である可能性が強く示唆された』という解釈になるが、組み入れ時点では入院を要さなかったものの一定の重症化リスクがある軽症患者を対象に、二重盲検試験でコルヒチンの有効性を示した点で、高く評価される。コルヒチンの薬理作用からも、結果は理にかなったものだ」と話す。

 今年に入り、自宅待機中のCOVID-19患者の重症化が問題となっている。適応症は異なるがコルヒチンは我が国でも承認されている薬剤であり、使用経験も長い。入院はしていないが重症化するリスク因子を持つ患者に対し、重症化予防目的でのコルヒチンの投与は可能なのか。

 植田氏は「広く推奨するには、我々の研究に加え国内の第3相試験も行って、有効性を確認する必要がある。しかし、離島での患者急増などによって地域医療の破綻が避けられないといったケースでは、重症化して入院を要する患者の増加を少しでも防ぐために、人道的対応としての投与は考慮してもよいのではないか」という意見だった。


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