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会計が苦手な人は時間も意識でクリア

 こんにちわ。中小企業診断士として創業塾で会計導入編の講師を担当しております。他の会計に関する記事で、会計の本質的な要素は、

・「入るお金」
・「出るお金」
・「時間」

これだけですとお伝えしました。

 今回は、時間に関することをお伝えいたします。
要素としても重要ですが、事業関係先への説明でも有効な切り口となるというお話です。

入るお金、出るお金のおさらい

 まず、損益計算書(入るお金と出るお金の足し引き算表=事業の成績表)で見てみましょう。

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とある1日の売上を現して、表の項目を説明してみました。
まぁそうだよねと大体ご理解いただけたのではないでしょうか。

 見てみると足し算引き算だけで構成されていますね。
これなら、誰でも理解できそうです。言葉は少々難しいですが、実に単純なことがわかったと思います。
 過去会社員で店舗運営担当をしていたときは、日次損益計算書を提出したことを覚えています。日毎の状況が担当として把握できました。

時間(時系列)でみてみよう

 次に時間(時系列)の要素を追加してみましょう。

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 1日の積み上げを1ヶ月分継続すると1ヶ月の成績となりますね。
日々の売上の積み上げが月次の売上高になることは理解できます。

 それでは、月次の累積を見てみましょう。

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 販売管理費(固定的な費用は毎日2,500かかりますので30日計算で月間75,000としています。)日々の売上を積み上げて月間が出ました。月間を12回積み上げると年間の積み上げができました。
 企業内で事業計画を立てるときに、月次の積み上げをして、年間の合計値を出して把握できたことをよく覚えています。

 次に年次の累積を見てみましょう。

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 同じく販売管理費(毎月75,000かかるので12ヶ月計算で年間900,000としています。)月次の売上を積み上げて月間ができました。
 新たな事業を立案するときに、数年の行く末を積み上げて、計画をたてました。当時の上長からは「たったこれだけ?」「こんなに売上いくの?」等出せば出したでお言葉をいただきますが、そこは根気よく説得したことを覚えています。

 そりゃ当然ですよね。日々を積み上げて月次年次と積み上げているだけなのです。積み上げ=足し算だけです。

 成績表(損益計算書)は、

・毎日の成績を足し引き算で計算して
・積み上げを足し算しているだけ

 計算式は小学生で学習するものですし、そこまで気負わなくても大丈夫なんです。なんだか気が楽になったのではないでしょうか。

時間の経過を見たい人は誰なのか

 足し算引き算と時間という要素がおわかりいただけたと思います。
それでは、

・この時間の経過は誰が知りたい
・または誰に向けて発信する情報

なのでしょうか。

登場人物と情報を欲する人達を現してみました。

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 それぞれ事業に関係する登場人物があらわれました。
○は必要、△は知っていればなお良し、◎は絶対必要という尺度で設定しました。

経営者は、日々の売上も大事なのですが、あまり細かい視点でとらえずに方向性を判断する役割です。月次、年次、数年後を意識して動きます。

従業員日々現場で様々な場面で意識すると思います。できれば数年後のビジョンも共有できれば最強ですが、実際は完全に経営者の意図を汲み取っているかどうかは、経営者とのコミュニケーションになるかと思います。

・取引先
は、自社の取引が一定程度継続的に成り立つかの視点で考えるでしょう。

・金融機関
は、貸出したお金を利息をつけて返済してくれるかを一番気にするでしょう。金融機関とのコミュニケーションは積極的に行い、現状を年次で説明すると担当も安心されます。

・税務署
は、法律に基づいて正しい徴税をする視点で関心を寄せます。年次の確定申告に基づいて徴税額を決定します。

・投資家
というのは、ベンチャーキャピタル等に代表される、企業に投資をしてどれだけリターンがあるかを生業としている人たちです。日々のオペレーションというよりは、中長期的に企業価値を高めて、投資額を回収することになります。

 いかがでしょうか。時系列で区切る意味というのは、ご自身の経営状態もさることながら、利害関係者へ状況を説明する資料ともなるのです。

まとめ

・あらためて要素は、時間(時系列)と足し引き算
・日々の積み上げが数年後の積み上げへ通じる
・時系列で情報を知りたい人たちがいて、それぞれ用途が異なる

 要素を整理すると、関係先へ説明する際に時系列整理でわかりやすく説明できるというお話でした。

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