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ニュースに接する中で④~情報は「事実の一部」・自分に当てはまるかどうかを見極めて   

 ニュース番組などで、よく、

「今の政権(総理大臣)についてどう思いますか?)」
「物価高が続いている現在、生活はどうですか?」

などと、街角でのインタビューの 結果(様子)やアンケート調査結果(グラフ)が情報と共に添えられて放送されることがあります。

「へえ、そう考える人もいるんだ~」
「今、~が人気なんだな」

などと、「世の中の流れ」を知れたような気がしますが、本当にそうでしょうか?

 ちょっと、立ち止まって、想像してみる必要もありそうです。

1 町の人の声は、ほんの一部。

 インタビューに答える人の声がそのまま方法されるときがあります。

 でも、よく考えてみれば、放送時間の都合もあって、答えた内容の一部を「切り取って」放送しています。
 その切り取りによって、答えた人の真意とは別の事が伝わることが出てきます。

 また、自分が答える側になったことを想像してみます。

 すると、小心な私は、本当に思っていることを答えようとはしないと思います。何となく、カメラの向こう側にいる人に遠慮して、「当たり障りのない事」を答える気がします。まあ、そういう答えでは、放送内容に採用されず、別のエッジの利いたことや代表的な答えを言った人の意見が採用されるとは思います。

 アンケート結果がグラフにされることもありますが、調査内容によっては調査した人数や場所、年代によっても随分と結果が変わります。グラフなどは一目でわかりやすいのですが、調査対象や人数についても知って、一部の声として「他にも可能性はある」と受け止めておくぐらいがいいかもしれません。

2 放送する並べ方、優先順位に、放送する側の意図が入る

 「中立・公正」な放送とは言われますが、

放送する側の意図を全く「0」にすることはできません。

 例えば、限られた時間内に放送しようとする時、「編集」によって、切り取る(スポットライトを当てる)」情報が出てきます。
 情報を受け取る側としては、その光が当たった情報ばかりに注目してしまいますが、光が当たらなかったところにも情報は(出来事、事実)は存在しています。

放送されなかったからと言って、「なかった」わけではありません。

 また、同時に情報を伝えられないので、

放送する「順番」付けがなされます。

 一応、みんなに影響が大きい、大事件が最初に来ますが、「私にとって」本当に重要で大事件かどうかは分かりません。
 また、一般的な傾向として、最後に紹介された内容が印象に残り、印象付けがなされやすいと言われています。

 例えば、あるAさんについて。

➀Aさんは、優しい人だけど、仕事でミスが多いんですよね。
②Aさんは、仕事でミスが多いですが、優しいんですよね。

  「仕事でミスが多い」「優しい」という2つの事実(情報)が入っていますが、最後に来た情報の方が印象に残りやすくなります。

 なので、➀の方は、どちらかというと、仕事でミスが多いという「批判」的な印象が強くなります。
 でも、②だと、「優しい」という好評価という印象につながります。

   報道の中でも、多数の事実があった時に、何を最初に、そして、何を最後に放送するかで、対象になった人物の印象が変わる、ひょっとしたら「誘導」されてしまう危険もあります。

 情報の受け手として、注意が必要なところの一つです。

3 少数派の部分に自分が入るかもしれないことも想像する

 特に健康や教育に関する内容で、エビデンス(根拠、証拠)が示されるときがあります。〇%に効果があったという形で、主張の根拠として示されることがあります。

 しかし、あくまでそれは「平均」の話です。100人が100人、全員にいい効果があったわけではなく、ある程度の人に効果があったということになります。なので、ひょっとしたら、100人中10人には効果がなかった、逆に副作用があったとして、その10人に自分が入っているかもしれません。

 実際、私自身は、以前、「ヨーグルトが体(腸)にいい」と聞いて、ずっと食べ続けていました。しかし、冷たいヨーグルトを大量に摂取して、下痢ばかりしていました。やはり、自分に合った量や食べ方があります。何でも、やみくもに、自分の体の個性、特徴を無視して食べればいいわけでもありません。

  教育の場合も同じです。効果がある「勉強法」「指導法」がデータとして出されるときがあります。でも、それぞれに個性があるので、その人に合った方法は、一人ずつ違います。

例えば、「マンツーマン」で勉強を見てもらうことは、集中でき、すぐに質問ができと効果がありあそうです(実際、平均すると効果はあるのです)が、人によっては、人間関係づくりが苦手で、一人で黙々と取り組んだ方が進むという人だっています。あるいは、マンツーマンでどんな「先生」になるか、例えば、親の方が、勉強が進むという人だっています。

 このように、

ニュースなどの情報は、一部を切り取られて放送されますし、放送する側が意図していなくても、順番や並べ方、何を放送しないかでも、伝わり方が変わります。そして、自分に当てはまるかどうかなどについても、よく見極めて接する必要がありそうです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです


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