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読書紹介61「鍵山秀三郎 人生をひらく100の金言」

<あとがきより>
 1549年、日本に上陸したフランシスコ・ザビエルをして、「これほど優れた民族は見たことがない。こういう国を滅ぼしたり、征服してはならない。それは人類の損失になる」と言わしめました。・・・
 外国からお越しのお客様への最大の「おもてなし」は何よりも「クリーンジャパン」をお見せすることからであります。そして「クリーンジャパン」、「日本人の美徳」が世界に広がり、「世界平和」へとなりますよう念じております。

感想など

 イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんの言葉の数々が書かれた本です。その多くが、「掃除」を通じて体験的に得たもの、あるいは、掃除の学びと関連が深い偉人や古典の名言になります。

  私自身は、「名言集め」みたいなことが好きで、その手の本をよく読みました。
 しかし、今更ながら、ただ、「頭の中」に入れただけで、浅い理解に終わっているなあと感じています。
 
 特に、掃除の会に参加して、実際に掃除から学ぶことが多くなったことで、それらの名言が体験を通じて深く理解できるようになりました。
 
 今回の本の中にも紹介したい言葉がたくさんあります。特に、自分が衝撃を受けた、あるいは、う~んと考えさせられた言葉を紹介してみたいと思います。

いくらたくさん勉強をしたり、百万本のお経を読むほど勉強しても、実践をしないと何の役にも立たない。

 ネットやSNS等、言葉のやり取りが多い世の中ですが、いろんな出来事を評論してみたり、相手を論破してみても、ほんの一瞬の優越感を味わえるだけで、それで世の中が良くなりはしません。
 
そうするぐらいなら、足元のごみを一つ拾う実践をする方が何倍も意味がある、役立つと思いました。勉強すること自体はいいことだと思いますが、知識ばかりで頭でっかちになっても、うまくいかないことが多いのは実感としてもあります。 

 小さいことでも、それを実行するには大きな勇気が要ります。ですから、道に落ちているゴミも、日々自分を鍛えてくれる大事な条件だと考えることもできるのです。

 「ゴミ拾いに勇気」とあって、言葉だけだと??でした。しかし、実際に、自分がゴミを拾おうとすると、こんなに「難しい」ことなのかと実感しました。なぜか、周りの目が気になったり、ゴミ自体が汚くて、なかなか手が出なかったりしました。
 
あ~たしかに勇気が必要なことだと実感しました。
 そして、逆に少しでも拾えるようになると、「自己肯定感」が上がりました。

・普通の人は、益がなければ意味がない、と考えます。これをやったら得をする、儲かる、すべてこのような基準で行動しがちです。無益なことは必ずしも無意味ではないのです。かつて日本人は、そのことを深く理解し、何事にも労を惜しまずコツコツと努力を重ね世界から尊敬を集めていました。すべての日本人がいま一度、こうした考え方を取り戻して歩み続ければ、日本は間違いなくよくなる。私はそう確信しています。

 昨年のW杯でサッカー日本代表が使ったロッカールームを掃除し、綺麗に整理整頓をして後にしたことや、日本人サポーターが試合の結果などに関係なく、観客席の掃除をして帰っていく姿が、海外では驚きと称賛とで報道されていました。
 外国では、掃除は「清掃員の仕事」と言う認知があるので、はじめこそ(20年ほど前)、日本人サポーターの行動を「仕事を奪うな」という目で見られることがあったそうですが(文化差ですね)、逆に、見直しがされ、日本人サポーターをお手本とした動きも広まったそうです。
 
 

 日本人ほど、日本人の価値や良さに気づかないと言われます。
 自信をもって、こつこつと自分の身近なところからきれいにしていく、皆を笑顔にしていく活動をしていったら、新しい日本として復活するのではないかとすら思える言葉でした。


著書情報
・発行所   致知出版社
・発行年月日 平成29年6月26日

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