読書会に参加して学んだこと7 ~人生に生かす「易経」
先日、合同読書会に参加してきました。
全国各地で開かれている読書会メンバーが集まる会で、コロナ禍を経て、再び1年に1回開催されるようになりました。
各地の読書会に開催場所が引き継がれるシステムで、京都、奈良、鎌倉、草津、四国中央・・・などなど、本当に全国各地で行われてきました。今回で11回目。遠い場所は、旅費も含めて難しいところがありますが、たまたま、今回は、私も行けそうな場所だったので、思い切って参加しました。
参加してみると、一人新聞で交流がある方や、トイレ掃除でお世話になっている方などなど、お会いすることができ、交流を深められました。オンラインでの会もありますが、やはり、実際に会ってお話しできるというのは貴重な時間になります。
さて、合同読書会の約3時間の内容は次の通りでした。
➀易経研究家の方の講演~「豊かな人生を送る」
②読書会~同じテキストを輪読し、感想交流
③読書会メンバーによる、漫才や落語披露
それぞれが楽しく、学び多きもので、あっという間に時間は過ぎました。
以下、➀の講演会内容の紹介です。よかったらお付き合いください。
1 概要
中国古典の「易経」。
講師の先生自身が言っていましたが、64のたとえ話があり、約1時間の講演で、易経のすべてを説明できるわけがなく(笑)、「豊かな人生を送る」ことにつながる「法則」をかいつまんで説明するという内容でした。
私自身は、易経について全くの素人で、「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉があるように、「占い」的なイメージを持っているくらいでした。
実際は「変化の法則」が「物語、たとえ話」として、書かれているとのことでした。
「易経」の基本の主な内容は次の通りでした。
・「易」とは、「変易」「不易」「易簡」の意味がある。
この世のものは、諸行無常。移り変わっていく~変易
しかし、変化の仕方、法則性は変わらない~不易
日々目の前にある事柄については、変化はしていますが、よく見れば易の基本思想である「陰陽」で成り立っている。簡単で分かりやすい機構~簡易
日本は春夏秋冬があるので、その変化を考えるとイメージしやすいです。
季節は移り変わります。冬を終えると再び春が来ますが、その春は、1年前の春とは違います。「同じ」ではありません。
「自然」の中に、学ぶべきことはあるのですが、なかなか私たちは気づけません。
そこで、その自然の変化を取り出し、たとえ話にまとめたのが「易経」。
なので、自然の一部である私たち人間についても、その法則が当てはまりますし、その法則を活かせば、上手に生きることができます。
そんな概要でした。
2 易経から学ぶ「生き方の知恵」
では、易経からどんな法則が学べるか?
次の話が印象的でした。
・春夏秋冬があるように、必ず、移り変わる。それは人生も同じ。
そして、「冬」の時期を経なければ、春にはならない。
その冬の時にいかに過ごすかが大切。
冬は「陰」に当たります。
人生でいえば、不遇の時、あるいは、なかなかうまくいかない時。
別の言い方をすれば、そこにとどまり、準備する、力を蓄える時。
講師の先生は、「ジャンプの前のかがむ時」と言われました。
また、「尺取虫でいえば、体を丸める時」とも言われました。
なるほどと思ったのは、この「かがむ、体を丸める」時がないと「高く跳べない、前に進めない」と言うことです。
ずっといいこと続きで、右肩上がり、ずっと成長し続けることをイメージしがちですが、易経の法則でいえば、ありえません。
もし、成長し続けるように見えるのだとしたら、どこかで無理をしているか、見せかけの成長か、「不遇の時(冬の時代)」を周りに見えないように経験しているはずです。
逆に言うと、
この「冬の時」をいかに過ごすか、準備するかがその後、大きく発展するかどうかの分かれ道になります。
短時間で得たものはすぐになくなります。
「かがむ」というエネルギーをためる時に、慌てると、小さなジャンプしかできません。
休む時にしっかり休まないと、次の行動が続きません。
畑でいえば、土作り。冬にしっかりとした栄養たっぷりな土にしておかないと、どんなに種をまいても、大きく、しっかりとした作物は育ちません。
易経の法則でいえば、この「冬の時」、エネルギーがしっかりとたまれば、自然と前に進み出す、エネルギーが出るようになっているそうです。
逆に、
「冬の時」にしてはいけないのは、「自分から、世に出ようとする」こと。むしろ、「志」を練る事が必要だそうです。
そこで、いかに大きな志をもてるかどうかが、その後の春、夏の発展の大きさの違いになります。慌てて世に出ると、志も小さく、度量の小さな人物になってしまいます。
自分自身を考えても、「あの時の苦労、大変なことがあったから、今がある」と思えることはたくさんあります。
もちろん、その時は、辛いし、きついし、大変だったのですが、そのおかげで、自分が鍛えられたというか、次の成長につながったと思います。
3 易経の考え方で見てみると
陰の時が長ければ長いほど、陽に転じた時の勢い、発展の大きさはすさまじいともいえます。
その考え方でいえば、日本の国は、高度経済成長時代の「陽」を経て、失われた30年と言われる「陰」の時期を過ごしました。
易経の法則でいえば、次は「陽」がやってきます。
ここ30年の間に、様々な経験をしてきています。そして、エネルギーを蓄えてきています。そろそろ、陽に転じる兆しも見えています。
「陰は陽を引き出す」
今後が楽しみです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
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