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高校中退からFラン大入学までを振り返る

※10月毎日投稿挑戦中。月曜は『 #失敗人生を振り返る 』。

 失敗の連続だった私の人生を振り返り、あの時どんな選択をすれば失敗を回避できたのかを考え、これから大人になる全ての皆様に反面教師としてメッセージを届けるシリーズ、第2回。
 大変お待たせしました。2週間ぶりとなります。

(前回はこちら)

1.大検(高卒認定試験)合格という無価値な実績

 高校中退直後についてはこちらの記事で触れている。

 学生ですら無くなった16歳。夏に実施される大検(現在の高卒認定試験)に合格する必要があった。しかし、高校で辛い思いをした反動からか、テレビを観まくり2ちゃんねるに入り浸る日々が続いた。一応予備校にも通っていたが成績は伸びなかった。

 高校を辞めてから早半年。最悪の青春期を救ったのは後藤真希さんだった。夢の中に彼女が出てきて励ましてくれた。非現実とはいえ生まれて初めて同い年の異性と触れ合った。それまでモーニング娘。を箱推ししていた私だが、彼女を個人として好きになった。

 その日から猛勉強した。後藤さんが私を応援してくれている気がしたからだ。夢と現実を混同する少々危険な人になっていたが、彼女のことだけを考え、彼女の為に勉強した。

 結果、大検は見事に合格した。後藤さんのお陰としか思えなかった。

 改めて読み返すと突っ込みどころが満載である。まず言いたいのは「大検は超簡単である」ということ。

 大検は年に2回しか実施されず、大学受験をする18歳までに挑戦できるチャンスは限られているのだが、実際はそんなプレッシャーを微塵も感じる必要は無い。何故なら超簡単だから。高校(高専)の数学や英語が30点だった私ですら、1回目の挑戦で9科目中8科目合格。2回目で残り1科目も余裕でクリアし、晴れて大学受験の権利を得た。ぶっちゃけ総じて高校1年レベルだったと思う。大検ほど無価値で最弱な国家資格も他に無いと思う。

 そんな超簡単な試験を受けるだけで高校3年分を履修した扱いになるのだから、真面目に3年間、高校に通い続け勉学に励んだ生徒は何なのかと思ってしまう……わけが無いのである。高卒と高校中退では世間の目は雲泥の差であり、今でも前者が社会的にも圧倒的な価値を持つから高校だけは何があっても辞めずに通い続けたほうが良い

 就職活動で、履歴書やエントリーシートに「◎◎高校(高専)中退」と書いたその後を想像して欲しい。面接で100%「どうして高校を辞めたの?」と突っ込まれるのである。この質問が加わるのは本当に余計で、これに上手く答えないと、余程のブラック会社でもない限り採用はされない。

2.ビデオ受講の予備校

 高専在籍時から3年間、予備校に通っていた。高専中退後は勉強の唯一の拠り所となった。平日の15時から18時頃まで、90分の講義を2コマ受講した。最後の一年間は朝9時から夕方まで予備校に居座り、2コマの講義のあとは自習室でひたすら勉強をした。高校に通わない分、時間だけは充分に確保していたはずだった。しかし成績はずっと良くなかった。問題は勉強時間ではなく中身だったのである。

 東北の某所に住んでいたが、レベルの高い塾というのが近くに存在しなかったので、あろうことか「ビデオ視聴形式」の予備校に通ってしまったのである。これは本当に大失敗だった。少なくともこの勉強方法は私には全く合わなかった。

 私は洋画や海外ドラマのストーリーを理解するのが苦手なのだが、その感覚に似ている。授業の内容が理解できないのである。否、分からない箇所はビデオを巻き戻して聞き直せば良いのだが、ほぼ全部が分からないから、巻き戻す気すら起きなかったのである。不明点は東京の本校にFAXを送り、優秀な講師が返答するアフターサービスもあったが、まさか「全部わかりません」や「何が分からないのかさえも分かりません」というFAXを送って良いはずもなく、そのサービスは3年間でたった一度しか使わなかった。

 最大の問題は講師と生徒の間に距離があるということ。画面を通すのだから物理的に当然の話なのだが、それ以上に心の距離があった(というか面識さえも無い)ことが問題だったと思う。講師と生徒が同じ場所に居て、講師が生徒の顔を見て、直接的な指導やアドバイスをするという昔ながらのテンプレスタイルが最も望ましい勉強形態なのだ。

3.楽しい生活から一転、絶望・鬱へ

 とはいえ、画面の向こうの講師だけではなく、もちろん生身の講師も在籍していた。大学受験を一年後に控えた17歳の誕生日前後だろうか。模試の著しく悪い成績が原因で、講師は私に説教をした。

「このままでは良い大学に入れなくなるけど、それで良いの?」

 講師の言葉は響かなかった。何故なら当時の私はテレビを観まくり2ちゃんねるに入り浸る「高校中退ライフ」を満喫していたからである。学校が無くなるだけで、辛い授業や煩わしい人間関係が排除されるだけでこんなにも人生が楽しいものなのか。

「今はとても充実しています」(←こんなことを講師に直接話していた。本当である)

「今が楽しくても、それで将来幸せになれるの!?」

 講師の怒りは倍増した。自分の置かれている状況を理解した私は、それまで楽しかったはずの生活が急に辛くなった。中学でいじめられていた時ですら味わったことのない特大の絶望感。頭が重くなり、眼前に映る景色に靄がかかっているような感覚。生きている実感が湧かなくなった。心療内科で「うつ状態」と診断された。幸いにも約1年半後には完治していたが、勉強に少なからず影響が出たことは事実だった。

 結局、第一志望だった東京の大学は不合格となり、県内の私立Fランク大学に入学。その後は次回。

4.これから大人になる皆様へのメッセージ

 高校3年間という多感な時期を棒に振ればどんな末路が待っているかはお分かりいただけたと思う。とにかく高校だけは3年間通い続けて欲しい。最悪、定時制でも良いから。高校さえ卒業すれば、例え勉強が苦手でも高卒就職という選択肢がある。高卒で就職したって良いのである。ちなみにもし公務員になりたければ大卒よりも高卒のほうが難易度や倍率はかなり低くなる。

 あと大学は何浪してでも第一志望に合格すべき。私は現役合格にこだわるあまりFラン大になってしまったが、それは最悪の選択である。

 ここで妹を例に出す。彼女は一浪して名門大学の獣医学部に合格した。1年の遅れなんて何の関係もないし、そもそも獣医学部は6年制なので、25歳でやっと社会人になったのである。それでも公務員として高収入を得ており、大学時代に出会った男性と結婚、今も幸せに暮らしている。

 そして、どんなに勉強が忙しくても、アルバイトなどの社会経験は早いうちにしておくべきである。これについては次回詳しく書く(次回は書けなかったので、次々回以降に)。


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