伝説の安心感【毎週ショートショートnote】
「ショルツすごかったね!」
冷たい雨のなか、赤い雨具を着て浦和美園駅に向かって息子と一緒に歩いている。コロナ渦の影響で4年振りに埼スタに戻ってきた。
「1対1の安心感は半端ないな」
「そこじゃないよ。オーバーラップしてゴールを決めたところだよ」
「あのワンツーはうまかった。まるでギドみたいだな」
「また、その話?もう100回以上聞いたよ」
1997年の柏戦を思い出していた。弱小チームにドイツからやってきたギド・ブッフバルト。守備についてはもはや伝説的な安心感があり、ここぞというときのオーバーラップはゲルマン魂の気迫がすごかった。試合終了直前にゴールを決められ1点ビハインドのままロスタイムに突入。中盤でボールを奪うとそのまま攻め上がり、同点のミドルシュートを決めた時はスタジアムが狂喜乱舞した。
~30年後~
「ディフェンダーなのにゴール決めてすごかったね!」
「まるでショルツみたいだな」
「また、その話?もう100回以上聞いたよ」
(410文字)
見出しの画像は浦和レッズ公式HPより引用させて頂きました。
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