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自主学習という宿題⑪~振り返り日記で主体性を育む②~

学校の先生は、自主学習という宿題をやらせたがります。
それは、おそらく、子ども達に自ら主体的に学習できるようになってほしいという願いがあるからだと思います。
もしそうだとするなら、自主学習という宿題を出しても、それは実現しません。
自主学習という宿題を出したら子ども達がものすごい意欲的に学習に取り組むようになるなんてありえますか?

学校の先生は忙しいため、どうしても便利な手段を使いたがります。
もちろん必要な場面もあるかもしれませんが、目的が何かを明確にしないことには手段を乱射しても何も起こりません。
表面上うまくいってると思っていても、少数派は困っているはずです。
そういうことを大学では教えてもらえません。
学校に入っても教えてもらうことはまずありません。
ちょっと力のある先生やSNSで人気のある先生の真似事をして終わります。
一見主体的に学んでいるようにも見えますが、結局は受け身。
自分が受け身の学習スタイルをしているのですから、子どもも受け身になるのは当然と言えます。
始めの2年間は真似事でもいいかもしれませんが、3年目以降は自分自身が主体的に学び試行錯誤しながらオリジナルの実践経験を積む必要があります。
まさに自主学習です。

そうならない限り、一生子ども達は受け身の授業を受け続けることになります。
だったら、自主学習など無理してやらせずに、授業を楽しくする方がよっぽど主体的に学習する態度が育ちます。

さらに、宿題として振り返り日記に取り組ませていけば、相乗効果が図れます。

そんな振り返り日記を紹介していきたいと思います。

主体的にあいさつをしていた子A(小6)のふりかえり日記

今日いつものように朝、職員室と校長室にあいさつに行きました。そして音楽室に歌唱部の人がいた。なのであいさつを広めるチャンスだと思いました。なので、5年のBちゃんをつれてあいさつにいきました。音楽室にはもっと人がいたのでいっしょにさそえばよかったと思う。あと、Cちゃんが「「学芸会どうでしたか?」と聞いてみる?」といっていました。なので、校長先生に聞いてみました。すると、「すごくよかったです」といっていました。今日はあいさつでいつもとちがうことができたと思います。明日(今度)は違う学年の人にあいさつしたあと「あいさつを広めてね」と言ってみたいです。そして広めていきたいです。

どこの学校にも挨拶月間なる挨拶強化月間があります。
しかり、これはまさに究極の受け身学習の極み。
子ども達が挨拶をしたいなどと1ミリも思っていないのに挨拶をしなさいとか、挨拶当番を輪番でやらせるのです。
これでは主体的な挨拶ができるようになるわけがありません。

そんな受け身の挨拶月間をきっかけに、
Aはあいさつってどういうことなのか?
どうしてあいさつが必要なのか自分に問いかけて対話をはじめました。

そして、挨拶月間が終わったとしても、挨拶は人として必要なものであるという結論にいたり、挨拶当番でなくても、自分から挨拶をするようになったのです。
はじめは、クラスの友達、そして隣のクラスの友達。
それだけでは物足りなくなって、職員室や校長室まで挨拶に行くようになりました。
もちろん自分で判断して挨拶にいっています。
紹介したふりかえり日記は、朝早く登校し、わざわざ自分から職員室と校長室にあいさつにいったときのようすが書かれています。

当然ですが、このAの挨拶活動は卒業まで続きました。
その間に大きな主体変容もおきたのです。
またそれについては、いつか紹介したいと思います。

それではまた!



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