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#143リエゾン学級経営 実践編「ずるいってどういうこと?」

リエゾン学級経営とは

「少数派と多数派が互いに寄り添い、共に学び成長するための経営手法であり、これまでにない新しい教育的なアプローチです。」

このコンセプトは、特別支援教育の視点を取り入れ、多様性を尊重し、誰にとっても居心地のよい空間、楽しく学びながら互いを認め合う学習環境を築くことです。そしてその結果として、全員が成長できることを目指します。

少数派を力で抑えこみ、多数派中心の学級経営をして、どや顔して、学校でマウントとっている先生がいました。
なにを隠そう、昔の私です…
恥ずかしい限りです。
こんな先生はまだ、全国にたくさんいると思います。

当然ながら少数派から反発をくらい痛い目に会いました。
5年目にしてようやく目が覚めたのです。
特別支援教育など一切興味がなかったのですが、それ以降必死に勉強しました。
そして現在にいたります。

話を戻します。

学級担任になったらまず何をしなければいけないのか?

それは、
少数派への理解教育の実施です。
いわゆる多数派工作。
これをしないとトラブル対処に追われることになります。

一見平和そうに見えるクラスであっても、この理解教育を徹底していかないと、少数派の子たちを追い詰めていくことになります。

多数派の子たちの誤解を解き、理解をしてもらわないことには始まりません。
ではどうやって理解させるのか?

以下の2つの実践を行います。

①自分取り扱い説明書をつくろう(自己紹介)
②ずるいってどういうこと? 車いす テストの読み上げ 宿題を学校でやる 右利きの人ずるい ずるいよずるい読み聞かせ アイツだけずるい

今回は②ずるいってどういうこと?
についてお話していきたいと思います。

1枚の画像を見せます。


車椅子にのってる人

「これなんだかわかる?」
「車いすでしょ」
「車いすのってる人ってずるいと思う?」
「ずるいわけないよ」
「どうして」
「だって、足がわるいからのってるんでしょ」
「歩けないからのってるんだよ。」
「車いすがないと移動できないから困る」
「ずるくない」
「これはずるくなさそうだね」

眼鏡かけて授業うける子

「次はこれ」
「眼鏡をかけて授業うけている子だよ。この子はずるい?」
「ずるくないよ」
「どこがずるいの?」
「視力が悪いんでしょ」
「眼鏡ないと字がみえないから困るでしょ」
「眼鏡かけて当たり前」
「じゃあ、これもずくるないってことだね」

タブレット使ってテストうける子

「次はこれ」
「これは、一人だけテストでタブレットを使っている子だよ」
「え~~これはずるいよ」
「どうして?」
「だって、テストでしょ?調べたら答えわかっちゃうよ!」
「早くできそうだからずるい!」
「一人だけはずるい、だったらぼくも使いたい!」
「わたしは、文字入力苦手だから、鉛筆で書いたほうがいはいかな。」
「多くの子がずるいっておもってるみたいだね。」
「じゃあ、どうしてこの子は一人だけテストの時にタブレットつかってると思う?」
「う~~ん…」
「…どうしてだろう」
「なにか困ってるんじゃないかな?考えてごらん」

「車椅子を使っていた人は移動できなくて困っていたから使っていたよ」
「眼鏡をかけてる子は字が見えなくて困っていたから使っていたよ」
「今回のタブレットでテストを受けてる子は何が困ってるんだろう?」

「タブレット使ってテスト受けてる子は~~~~~が困っていた。」
と板書し、
各グループにミニホワイトボードを配布して考えさせます。

グループで考える時間をとります。

「こまってるとしたら、漢字が読めないのかも」
「字が書けないのかも」
「計算が苦手だから、電卓つかってるのかなあ」
「だったら、ぼくも計算苦手だから電卓使いたいよ」

その後、各グループの発表
「漢字が読めなくて困っていた」
「字が書けなくて困っていた」
「計算がわからなくて困っていた。」

「じつは、この子はうまく字が読めないんだよ」
つまり「テストに書かれている文字が読めなくて困っていたんだよ」
例えば、これを見て、

出典:「NPO法人エッジ ディスレクシアの人が活きる社会に」 http://www.npo-edge.jp/

「テストの文字がこんなふうにみえたらどうなる?」
「えっ?これじゃなんて書いてあるかわからないよ」
「なぞときみたい」

「ほんとうはこんなふうに書いてあったんだよ」

出典:同上

「こんなふうに見える人もいます」

出典:「ディスレクシアの見え方は?」 http://mental-web.net/

「でもタブレットに文字を音声にして読み上げてくれるアプリをいれると、読めなかったテストも読み上げてくれるからみんなと同じようにテストがうけられるんだよ。」
「もしこれがなかったらどうなると思う?」
「なんて書いてあるかわからないから困る」
「そうだね。やっぱり困るんだよ」
「困るから使ってるんだよ」

一見ふつうに見えても、実は困っていることって学校ではたくさんあります。
自分ができていることでも、できなくて困っていることって結構あるんだよ。
例えば、給食準備
「給食当番で白衣着るでしょ?」
「指先が不器用でボタンをとめたり、白衣を着たりするのが苦手で着替えるのに時間がかかる人もいます」
そんな、白衣を着るのに困っている人がいたらどうする?
「あわてなくてもだいじょうぶだよ、〇〇さんのところは途中までやっておくから」と声かけてあげる。
「ぼくは何も言わないけど、先に給食当番をがんばる」

「そうだね」
「困っているのかどうかを気づくことができたら優しくすることできるね。」

「このように学校の生活ではいろんなところで、困ってしまうことがたくさんあります。」
「だれにでも苦手なこと、困ることがあります。
それに気づいてあげられるかがポイントです。」

「だからもし何か、自分はできるけど、友達ができていないときは、どうしてできていないのかな?」
「何かこまっていないのかな?って考えてあげてほしいんだ」

「そして困ったことが何かわかったら手助けしてあげてほしい」
「できるかな?」
「うん」

「そうすると、声かけてもらった子も喜ぶし、みんなも成長できるよ」

とまとめます。
そして、その日に必ず一人は困っている人みつけて助けてあげる子がでてきます。
それを見逃さずに見つけて、クラス全体に価値付けするのです。
そうすると、また真似する子が一人増え少しずつ浸透していきます。

リエゾン学級経営を実践していくには時間がかかります。
1学期の6月までが勝負です。

最後に、絵本の紹介です。
低学年であれば、絵本の読み聞かせをした方が効果的な場合があります。
2冊あります。
家庭でも読み聞かせできるので興味ある方はお試しください。

リエゾン学級経営は、これからの教育の重要な鍵となるでしょう。
さまざまな背景や特性を持つ子ども達が、お互いを理解し合い、共に成長する。それが、
リエゾン学級経営の目指す未来です。

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一人でも多くの方がこのリエゾン学級経営に賛同し、実践していただけることを願います。
すべての子どもの幸せを祈って!

#ウェルビーイングのために
#多様性を考える
参考になる方がいたら幸いです。


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