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#14 こうもり振り下りで鉄棒好きを増やす指導法


知っトク!鉄棒③ こうもり振り下り

1はじめに

鉄棒の技の中でも人気のある技の一つであるこうもり振り下り。
特に鉄棒があまり好きじゃないという男子にも人気があります。
このこうもり振り下りの指導ができたら、鉄棒好きが増えること間違いなしです。今日はそんなこうもり振り下りに必要な技能についてお話したいと思います。

2逆さ感覚

こうもり振り下りをするためには、まず逆さ感覚を養うことが大切です。
ふとん干しが一番手軽です。
つばめの姿勢から体を前に倒します。このとき鉄棒が足の付け根周辺にあたっているか確認させます。
手でしっかりと支持できていないと、おへそのしたあたりが鉄棒にあたっています。そこから倒すと棒がおなかに食い込みます。

つばめを指導する際、
「腕をまっすぐ伸ばしてごらん」
そして、「つま先をできるだけ上にあげてごらん」
この2つの助言で、だいたい足のつけねに鉄棒がいくはずです。
それでもうまくいかない場合には、個別支援が必要です。

つばめができたら、次は、支持している腕を放し、だらんと伸ばせばふとん干しの完成です。
ふとん干しは、低学年のうちに全員身に付けさせたい技です。

ふとん干しで逆さになる感覚がつかめたら、次は足抜き回り。足抜き回りができないと、こうもりになることもできません。地球周りもできるようにしておきます。
ここまでできたら、こうもりから、手をついて下りる練習をします。低い鉄棒でやるとできます。
ここまでは低学年のうちに鉄棒遊びの中でできるようになっていないと中学年以降で授業が成り立ちません。
遅くともこうもり手つき下りは、3年までにはできるようにしておきたいところです。

3こうもり振り→こうもり振り下りへ

こうもり振りができないと、こうもり振り下りはできません。

このこうもり振りのコツは、だるま回り(だるま振り)のコツと基本は同じ。
3年までにだるま回りができると、4年以降でこうもり振り下りも簡単にできるようになります。
だるま回りについては、「鉄棒運動(だるま回り)」を参照ください。


ブランコをこぐやり方を応用します。だるま回りの時は足の動きがブランコと同じでした。
こうもり振りでは、腕の動きを足に見立てていきます。
自分のお腹側に振る時には、あごを引きながら肘をまげたまま親指が腰の近くにくるまでふります。
「おへそを見てごらん」と助言すれば、あごは自然にひきます。
その時、背中を少し丸めます。
これは、ねこちゃん体操の「フッ」の動きです。
ねこちゃん体操については、こちらの2冊の本↓が参考になります。


自分の背中側に振る時には、あごをつきだし、肘はまげたまま腕を振ります。親指がこめかみあたりくるまでふります。
そのとき、背中をまっすぐに伸ばします。これはねこちゃん体操の「ハッ」の動きです。
頭が真下にいくちょっと前に、勢いよく腕を伸ばし振り上げるて振りも大きくなります。
ここがブランコの原理と同じなのです。

「目線は鉄棒の前に見える校舎などを見てごらん」
と助言すると、自然にあごをつきだします。
足を鉄棒から離すタイミングは目線が鉄棒の高さに近づいたときです。
目標となるものを決めておいてそれが見えたら足を離します。
はじめは怖いので安全マットは必需品です。慣れてきてもマットの上でやらせることをオススメします。

マットがあってもなかなか下りれなければ、先生または子どもが補助します。足を話すタイミングの時、鎖骨あたりを押さえてあげれば、あげれば着地できます。はじめはマットの上に膝着地で大丈夫。

あとは繰り返し練習あるのみ。
「あとちょっとでできそうだったよ。」とか、
「だんだん大きく振れているよ。」とか、
練習のプロセスを褒めてあげれば、
休み時間になると、
「先生見に来て」とか、
「先生補助やって」など、
意欲的に取り組む子どもが増えて、我先にダッシュで鉄棒に向かう子がきっと増えます。

4まとめ

簡単な技ではないので、時間はかかりますが、担任が、休み時間や放課後に見てあげると、毎日のようにすすんで練習に取り組むようになります。
褒め続けると、他の技にもすすんで取り組むだけでなく、どんなことにもあきらめずにすすんで取り組むことのできる子どもに育ちます。

夏は鉄棒が暑すぎでできないので、秋になってから、ぜひこうもり振り下りに挑戦してみて下さい。

一人でも参考になる方がいたら幸いです。

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