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逆上がり解体新書⑤振り上げ足と踏み込み足に必要な筋肉

ここでは、体を引き付けるのに必要とされる、広背筋(腰から背中)、前腕筋群(肘から手首の間)、上腕筋群(肘から肩の間)はそれなりにある前提で話をすすめます。

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振り上げる際に必要とされる筋肉は、主に腹直筋、大腿筋群(太もも)、腸腰筋(股関節周辺)です。

腸腰筋は、足を上げるときに使われる筋肉で、歩くときや走る時にはなくてはならない筋肉なんですが、意識してつかわなくても歩いたり走ったりできます。なので、この筋肉は弱い子どもが多いです。
というより、運動不足の人はもとより、スポーツをやっている大人でもたくさんいます。


腸腰筋がない、もしくは弱いと振り上げる力や維持する力そのものが弱いため重力に負けて振り上げ足は地面に落ちていきます。
試しに、直立した姿勢から、片足だちをしてみましょう。
上げる足の膝は曲げて、ももを体に対して垂直になるまで高くあげて、そのまま片足立ちのまま直立姿勢を維持してみます。
これでぐらつく人は腹直筋や広背筋が弱っています。
下の図のような自転車こぎという運動を床すれすれで行うと効果があります。ですが図のように上の方に足をあげたままやっても腸腰筋のトレーニングにはならないので気を付けてください。


大腿筋群も同様に歩いたり走ったりするときに使っているのですが、これがないと踏み込むことができないので弱ってあるくことができないという子どもはいません。ですが、運動不足の子が、運動会などで筋力が弱いのに雰囲気にのまれて自分の筋力以上に力強く踏み込んでしまうと、体重を大腿筋群で支えることができなくなり、膝ががくっとおれて転倒してしまいます。
近年は、階段の上り下りもきついとつぶやく子どもも多く、大腿筋群は弱っている傾向があるといえます。

体力調査の種目に垂直跳びなども取り入れたほうがよいかもしれません。
ちなみにこの転倒現象は、学生時代体育会系だった人も、その後まったく運動せず、20年ぶりくらいに全力疾走したら起こります。
あと、地域運動会などで、子どもの前でいいところ見せようと頑張って全力疾走したお父さん、お母さんにもみられる現象です。
大人も子供も日頃から筋肉を動かしていくことが大切ですね。

腹直筋は広背筋と同じく、意識して使っていないと弱くなります。
体力調査で上体起こし(いわゆる腹筋運動)がまったくできない子は意外といます。

次に、踏み込む時に使う筋肉です。
踏み込む時には、先ほどの大腿筋群(太もも)と腹直筋に加え、ハムストリングス(太ももの裏側)と大殿筋(ヒップ)です。

子どもはこれらの筋肉を意図的に筋トレする必要は全くありませんが、日ごろから外遊びしたり、歩いたり、自転車に乗ったりすることで自然と鍛えられます。
ただ、腸腰筋については、意図的に足をあげていかないと鍛えられないため、体育の時間に使っていきます。もも上げなどの運動を取り入れ、週に3回程度トレーニングしていれば最低限の筋力はついていきます。

以上、振り上げ足と踏み込み足で使う筋肉についての説明でした。


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