育休81日目　誰もいない夜明け前に自分の時間を捻出する

僕はひとりでリラックスできる瞬間を探していた。
結論、それは午前４時だった。

一緒にいてるだけで、なんとなく疲れる

育休が始まって、いよいよ80日になる。
ここにきて、今一番メンタルが不安定になっている。
それは、ストレスを上手く解消できていないことだ。

特に、家族といるときはイライラしてしまう。

いつだって目的を見失い、時間以内にタスクをこなせない息子。
ベッドに置くと99.9％の確率で泣き出す娘。
会話してもいまひとつ盛り上がらない妻。
（↑でもこれはたぶん僕のせいだわ…すまん）

育児が面倒になったとかではない。
家族のことが嫌いになったというわけでもない。
一緒にいてるだけで、なんとなく疲れる。

パタニティブルーかオトナブルーかなんだかわからないが、今はとにかく、一人になれる時間がほしい。
よし、なんとか捻出するぞ！

誰もいない夜明け前

大変ありがたいことに、最近娘の睡眠が安定してきた。
最近は午前７時頃まで寝ることがあり、正直ビックリしている。
そんな娘が起きないうちに、そっと外で散歩する。

時刻は、午前４時。
まだ夜が明ける前で、外は仄暗い。
今日は雨が上がっていてよかった。
外に出ると、雨で地面が濡れている。
身体に纏わりつく湿気が、鬱陶しい。
一方で心は解き放たれ、軽快な足取りで県道を歩く。
イヤホンから聴こえる羊文学が、景色に馴染みすぎて鳥肌が止まらない。
誰もいない早朝で、僕はついに自由になった。

さぁ、祭りはこれからだ

午前５時。
帰宅するころにはかなり明るくなり、自動車やトラックも漸く走り出した。
自宅に到着し、アップは終了した。
さぁ、祭りはこれからだ。

PCの電源をONにする。
デスクチェアに座り、いざYouTubeを立ち上げる。
生産性が微塵もない僕の時間がスタートする。
ワクワクのせいか心拍数が上昇する。
いや、散歩帰りだからか。
そいういえば喉も乾いている。
飲み物を用意しなきゃ。
缶ビールを今すぐに開けたいが、今日はノンアルで我慢しよう。
冷蔵庫から氷を出してグラスいっぱいに詰め込み、ボトルから注ぐ。
一人自室で「かんぱい」と囁き、冷たい曹達を流し込む。

ゴク…ゴク…。
う、うますぎる。
砂糖も塩も含まれていないのに、麻薬的な爽快感。
喉が唸り、脳が弾けている。
それは仕事を終えたサラリーマンが、生ビールを飲むときのよう。
僕はこの時間のために育児と家事を頑張っていたのかもしれない。

YouTubeのトップ画面には、Googleが僕のために関連動画を勧めてくれる。
アーティスト、ガジェット、旅行、都知事選、作業用BGM、料理、など。
トレンドに合わせて、エンタメを提供してくれる。
新着動画を一通り見終え、関連動画を漁る。
氷を入れなおし、もう一杯飲もう。
あぁ…なんて幸せなんだ。
一人の時間、僕だけの自由を満喫した。

育児に追われる今日が、また始まる

既に日が高く、今日は夏日の気配がする。
時刻は、午前６時４０分。
まもなくエンペラータイムが終了する。

１時間半が経ち、そして妻が目覚めた。
「おはよう。朝活いいわ！図書館で借りた本を読んでたよ。」

インテリぶった嘘をかまし、育児に追われる今日が、また始まる。