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好きと充電の関係性


 近頃、何をしていても、何かをしているという感覚がない。なにもできない時も多い。
 とにかく眠い。眠くて、漠然と、こわい。

 もしかしたら、充電中なのかな。そんなありきたりなことを思うけど、充電しても充電しても、溜まる気配もない。
 嗚呼、そうか。いっそバッテリーを交換する時が来ているのかもしれない。なんて。
 歳を重ねるにつれて、楽しくなるという人もいるが、果たしてそうなのだろうか。私は年を重ねるにつれて、生きやすくはなったが、生きているという実感がわかなくなっている。いっつも、幽体離脱しているみたいに。俯瞰的に世界を見ている。

 一日でいいから、違う誰かになってみたいな、なんて思う。違う誰かになって、自分を見れば、自分が世界にとってどういう存在か、わかるような気がするのだ。そして、おどおどしている自分に「もっと自信持てよ」って、溜め息を吐いてやりたい。

 近頃の、虚しさの原因はわかっている。

 たぶん人は、誰かを、何かを強烈に「好き」だという気持ちを抱いたとき、生きていると感じるのだと思う。今、普通に幸せに暮らしているとは思うが、強烈な「好き」が私には足りない。
 巷では付き合いたてのカップルが、抱きしめあって「充電中」と呟く。
 あれは結構、馬鹿にできない。

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