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テレビ局での"カメアシ"バイトからの学び

マスコミ業界を目指し始めたものの、歴史の浅い私の大学にはOBが少なく、なかなか生の情報に触れることができませんでした。

そこで、なんとか業界に潜り込めないかと始めたのがテレビのカメラマンアシスタント。

"カメアシ"とよく呼ばれています。カメラから伸びるケーブルを素早く巻き取ったり、カメラマンが撮影しやすいよう小道具を使って環境を整えたりします。

野球やサッカーなどのスポーツ現場をはじめ、音楽や芸能番組、報道の現場にも同行させていただきました。

とにかく辛い力仕事。
重たいケーブルを長時間腕にかけているせいで
アザができたり、外の現場で雨の中ひたすら撤収をしたり…。何もわからず現場に行ってしまい、蚊帳の外なこともありました。始めたばかりの頃は何度も辞めようと思いました。

それでも知らない世界を見られたり、人のあたたかさに触れたりして、なんだかんだで4年近く長く続けたアルバイトです。

この中で大きく2つのことを学びました。

1つ目は

テレビに映っている情報は

起こっていることがほんの一部

切り取られたもの

だということです。

野球中継の現場に行ったときのこと。
球場に設置されるカメラはおよそ10台。
360度、あらゆる角度から試合を映し出します。

画面に複数のカメラで撮られた映像が分割で表示されているのをみて、試合を切りとる人と、映像を選ぶ人がいることを初めて知りました。

逆転ホームランの場面、あるカメラでは笑顔でホームに飛び込む選手。一方、あるカメラでは悔しさのあまりその場に崩れてしまう選手の姿がありました。

テレビの前の人は、画面に映っているのものしか見ることができません。

そのときわたしは、とっても欲張りなことに「全てを自分の目で見たい」と思ってしまったんです。

「現場には、誰の主観によっても切り取られていない第一情報がある。」
これに気づけたのは大きな一歩でした。

2つめは

テレビは小さな声を広げられる

ということです。

報道の現場に行ったときのこと。
ながらスマホが原因の交通死亡事故。

それまでマスコミは人の不幸を商品にしている
嫌なイメージがありました。

しかし、被害者遺族は、ながらスマホによる交通事故が今後減ることを強く願い、声をあげていました。

その声が大きくなったことで、ながらスマホの厳罰化が進みました。

ひとつの事件、事故から伝えるべきことを伝えることで、世の中は良くなるのだと実感しました。

苦しい中でも、ことばにする人がいるのなら、真っ先に現場に行って話を聞きたい。
そう強く感じました。

現場のカメラマンには、本当にいろんな方がいらっしゃいました。
口が達者で誰とでも仲良くなれる人。
無口で目すら合わせてくれない人。
打ち解けた瞬間、息継ぎする間もなく話を聞かせてくれる人。
初めて働く大人とお酒を飲めたのも、この仕事のおかげです。

仕事に対するプロ意識が高いカメラマンに対する憧れと、一瞬を切り取るサポートができる喜びを感じながらの3年半でした。

今の仕事を始めてからも現場を共にするのはカメラマン。
第一線で一緒に伝える。
カメラの技術はありませんが、学生時代にカメラマンの思いに触れることができたことは財産です。

先日はお世話になった方と、初めて一緒に仕事をすることもできて、また違った形で最前線で動けて、とっても幸せな時間でした。

カメラマンアシスタントができたこと、誇りに思います。

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