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いい文章とは何か?

いい文章とは何か。
文字どおり、人を、いい心持ちにさせる文章。落ち着かせる文章。世の中を、ほんの少しでも住みいいものにする文章。風通しのいい文章。ギラギラしていない、いい鞘に入っている、切れすぎない、つまりは、徳のある文章。

近藤 康太郎. 三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾(p.33). Kindle 版.

最近こんな本を読んだ。

<善く、生きる>ための文章、に惹かれた。

文章とは、人そのものなのだ。その人の、性格も、感情も、知能も、来歴も性癖も趣味も、おっちょこちょいもしみったれもあんにゃもんにゃも、一切合切が出るものなのだ。

近藤 康太郎. 三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾 (p.231). Kindle 版.

文章が人そのものなら。
いい文章を書くにはどうすればいいのか。

その答えも書いてあった。

著者は尊敬する思想家に
「なぜそんなに引き込まれる文章が書けるのですか?」
と問いた。

「そんなの知らないよ」

しばらくしてから、ボソッと答えた。

「まあ、よく生きる事だね」

良く、生きる。
善く、生きる。
好く、生きる。

生活者であること。表現などより、まずもって、その日を良く生きろ。存分に生きろ。汗で書け。

善意の人であること。自らを律する道徳をもて。他者に親切であれ。いじけるな。自分を憐れむな。表現とは、他者を憐れむためにある。

好人物であること。信じやすいお人好しであれ。騙すな。騙されていろ。しかし、目をくらますことはできない。

近藤 康太郎. 三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾(p.232). Kindle 版.

よく生きること。
それは完璧に生きることではない。

日々の酸いも甘いも。
全身で感じ、その経験から滲み出る言葉を綴る。

よく生きること。
それは、苦しみが多い世の中でも、おもしろくできること。

表現者とは、おもしろいことを、発見する人のことだ。

近藤 康太郎. 三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾


いい文章とは、その人の生き様から生まれる副産物。

その人がどんな態度で、どんなユーモアを持って人生と対峙しているか。

それが受け手に伝わり、その人の心も明るくなる。

それが、いい文章。

いい文章とは何か。文字どおり、人を、いい心持ちにさせる文章。落ち着かせる文章。世の中を、ほんの少しでも住みいいものにする文章。

そんな文章を残したいから、今日も1日を、よく生きる。

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