「世界でいちばん透きとおった物語」ネタバレなしのあらすじと感想
杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』。読み終わったら、誰もが絶対に読み返したくなる、素晴らしい本です。
本の帯にある「”紙の本でしか体験できない感動”がそこにある!」というキャッチフレーズの通り。これにはかなり驚かされました。こんな本、読んだのは初めてです。
「世界でいちばん透きとおった物語」のあらすじ(ネタバレなし)
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去するところから物語は始まる。宮内は、妻がありながら、多くの女性と交際していたプレイボーイ。そのうちのひとり、藤阪恵美との間には燈真という子供までいた。それが、この物語の主人公である。
宮内の死後、彼の長男である松方朋晃から燈真に連絡がくる。宮内は生前、『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を書いていたようだが、原稿が見つからないという。
燈真は母と同じ文芸編集者の、深町霧子という女性の助けを借りながら、『世界でいちばん透きとおった物語』の原稿を探し始める。燈真は宮内という存在について、徐々に近づいていく。そして、ついに燈真は『世界でいちばん透きとおった物語』の正体にたどり着く。
「世界でいちばん透きとおった物語」の見どころポイント
◇信じられない精度の物語◇
物語の核心に近づくにつれ、この残りのページ数で本当に解決するのだろうか…と心配になりました。いったいどうやって、この話が終わるのか、といぶかしんでいるうちに衝撃のラストにびっくり!
思いもよらなかったラストの仕掛けに、思わず最初から本を読み返さずにはいられませんでした。
著者である杉井光さんのこの本に対する愛情をたっぷりと感じられるトリックでした。
◇何を言ってもネタバレになってしまう◇
考え抜かれた物語であるこの小説は、何を言ってもネタバレになってしまうところが、また見どころのひとつ。
本の帯の「ネタバレ厳禁」という表記の通り、ネタバレしてしまうと面白さが半減どころか、ゼロになってしまう可能性さえあるタイプの本です。
作家の綾辻行人さんは「読了した人としか決して感想を語り合えない、というタイプの本の、究極形のひとつ」という感想を述べているそう。本当にそう。でも、読み終わった人とは、絶対に感想を言い合いたい!と思ってしまう本です。
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まとめ|「世界で一番透きとおった物語」ネタバレなしのあらすじと感想
こんな本読んだの初めて!という感覚を味わいたい人におすすめの1冊。大どんでん返しが好きな人、ミステリ本好きな人には特におすすめです。ぜひ、紙の本で、はじめての体験を楽しんでくださいね♪
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