10.セールス(営業)マン【DX】Part2 聴くこと、傾聴のスキル
前章【セールス(営業)マン Part1】では、ターゲット顧客を洗い出しターゲティングをする、ターゲティングした顧客と商談するにあたり行う、様々な準備・心構え、をお伝えました。
今回の Part2では、
「売れるセールスマンと、売れないセールスマンの違いは何???」
様々な理由がある中、売れるセールスマンは基本的なセールススキルを土台に独自のセールススキルを創りだし、そのスキルを駆使して成約に導いています。10名の売れるセールスマンには、基本スキルをベースに、十人十色の「やり方」「心構え」を持っています。
しかし、共通している方法が一つだけあります。
それは「的確な質問をしている」です。
今回の、営業(セールス)マン Part2 では、この質問を武器に、顧客とのコミュニケーションをスムーズにとり、どのように成約まで導くかをお伝えしていきます。
ラポール:rapport [フランス語]
ラポール:意味は「調和した関係」「心が通い合う関係」
いわゆる先様(顧客)との面談の際、先にお伝えした通り、最初の
「対人関係の緊張感」は、心(ハート)が閉ざされた状態です。
この状態では、「素晴らしい商品説明(プレゼン)」や「切れ味の良いクロージング」をしても、先様の耳にはほとんど入ってきません。この状態(閉じた心)をオープンにすることが先決です。
一つのスキルで説明すると、
・ミラーリング(先様の行動に合わせる)
(例) 先様がお茶を飲んだら、こちらもお茶を飲む
・「でも」「けれども」先様の言い回しを否定しない
・先様に「話させる」
→ 話をする「キッカケ(仕掛け)」を作る。例えばトレンドについて、など
代表的な質問のスキル(1)
・オープンクエスチョン
相手が Yes / No で終わらない質問。オープンクエスチョンは、先様(お客様)の考え方を聴いたり、現状を探る場合に 多用します。
→ より多くの情報を引き出すため
・クローズドクエスチョン
相手が Yes / No で終わる質問
クローズドクエスチョンは、先様(お客様)の考え方を聴いても、どうもあいまいな事を言い、限定したい場合など、クロージングに近づき入手した情報を整理する場合に使います。従って、場面ごとに有効な質問を使い分ける必要があります。
※ 事前に先様(お客様)の扱われている・サービスと周辺情報を整理し、 仮説を立て、質問(何を聞くのか)を準備する。
質問のスキル(2)
正確さの質問
コミュニケーションが不正確のまま、とらえる場合があります。
時により、曖昧にせず正確な答えを得るための質問です。
(例)
・○○○すぎる → 何と比較して?
・特定されない名詞 → 誰? どれ? 何? (具体的に)
・中身のない動詞 → どのように?(具体的に)
・すべき、できない → やったらどうなる?
・すべて,いつも,みんな → すべて?いつも?みんな?
・これしかない → ほかの可能性はありますか?
・分からない → 分かっていたら、どんな可能性がありますか?
傾聴のスキル
先に伝えた通り、まずは「こちら(自分)の聞きたいように聞くのではなく、 先様の言いたい事を、先様の都合通りに聴く!!」これが基本です。
どんなに効果的な質問をしても、相手に対して誠実に「真剣に話を聴いています」という態度を示すことが、会話を円滑に進める潤滑油になります。
「私の求める答えは、すべて先様(顧客)が持っている」
【動作では】
・うなづく、視線を合わせる
・メモを取る
・身を乗り出す
【言葉では】
・単純相槌: 「ほうー」「そうですか」
・反復相槌: 「なるほど、○○社さんとお付き合いがあるのですね」
・要約相槌: 「仰ったことは、○○○と言うことなんですね」
※ 先様(お客様)の話を遮らない、話の腰を折らない
ニーズはどこで生まれる?
ニーズを捉える視点
提供していた商品・サービスを使う視点のみならず、お客様を取り巻く環境範囲を詳しく知ることで、ニーズはより大きな視点で捉えられます。
例えば、① 印刷物を発注してくれるところで、ニーズが発生している?
→ NO ニーズは図の ② のところで発生する
・「競合より優れたところを伝えたい」とか
・「お客様のお客様に、商品の利便性を正確に伝えたい」とか
【確認】:ニーズとは、お客様が「何か」を改善、あるいは達成したい、
といったお客様の願望の事。
※ ニーズは時に「明確に」、または「漠然と」表現されます
→ これをとらえる
ニーズの生まれるステップ
先様(お客様)は環境の変化などにより、現状の業務を進める中で、周り(市場含む)の環境変化に伴い「どうも、以前よりも滞る」など不満や「気持ち悪さ」を感じていても、現状は大きな問題なく回っているので・・・、と、漠然とした不満を持っています。
セールスマンはこの漠然とした不満に対して明確な危機感、問題意識を持たせる必要があります。
1.問題に対し漠然とした不満を感じる
↓
2.問題・障害を認識し、不満感を持つ
↓↓
3.完全な状況や不満感を解決する必要性を認め、解決したい
という「欲求」を持つ
潜在ニーズと顕在ニーズ
■ 潜在ニーズ
お客様が何を望んでいるのか、明確にイメージ出来ないニーズを言います。
また、明確か曖昧か判断できないニーズも潜在ニーズです。
(例)「ダイレクトメールはそれなりの効果はあるのだけど、予算との
兼ね合いがねー・・・」とか。
■ 顕在ニーズ
お客様が望んでいるもの、それを手に入れた状態が明確にイメージでき、
お客様の解決意欲が見えるニーズが「顕在ニーズ」です。
(例)「ダイレクトメールにQRコード(PURL)をつけレスポンスレートを
上げるDMを打ちたい」とか。
価値の天秤:sales
スキルのあるセールス(営業)マンは、問題・困難・不満の重みを認識させる
セールス(営業)マンは、どうしても一方的に顧客を説得しようと考えがちです。従って、自社の商品・サービスがいかに優れていて有益なのかの説明(プレゼン)に注力し、売り込むためのトーク力に比重を置いています。
それは顧客の視点に立つと・・・・
自社(顧客・お客様)のニーズを、理解していないうちから商品・サービスの説明をされても、うんざりするばかりです。
「自分の売り上げにしか興味のないセールス(営業)マンだな・・・!」
「こちらの状況を知らずに、いい気なもんだ!!」 と思われています。
いわゆる「売り!売り!」を前面に出した、押し売りです。
まとめ:セールス(営業)マン【DX】 Part2
今回お伝えしてきたことは、「聴く」こと「傾聴のスキル」が中心でした。セールス(営業)マンは、自社の製品・サービスを売りに導き、成果を上げることが仕事です。
自身の成果を優先するあまり、まさに「売り!売り!」の姿勢(気持ち)が前面に出すぎ、先様(お客様)本来の「伝えたい情報」を自分の都合に合わせて聞き取ってしまい、真意を受け取れずに、残念ながら結果的に失注するケースが多いセールス(営業)マンは沢山います。
是非、お客様の表明する言葉とその内容、「しぐさ」などの行動を「聴き取り」成果に繋げてください。
次回はいよいよ、ソリューションセールス。
プル型セールスと言えども、こちら(営業・セールス)が仕掛けて、お客様が望んでいる成果へと導き、「セールスマン/営業ご自身の成果をどう上げていくか!」についてのスキルをお伝えします。
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