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9. セールス(営業)マン【DX】 Part1 顧客を訪問するまでの準備・心構え

DX を背景に、変化を求められる市場に対して、ビジネスモデルを変⾰し、組織も含めたソリューションには特異性を持たせ、差別化戦略も整い、マーケティングミックスを駆使して、ビジネスプランも準備完了――
次は、顧客と直接接点を持つ、セールス(営業)マンがどのようにアプローチをして仕事を獲得していくかです。
今回から、全4回のシリーズでお伝えしていきます。

成⻑市場の場合は、アメリカンセールスのようなプッシュ型がセールス手法の代表でした。さて、変化のスピードが著しく速く複雑な市場の場合にはセールス手法も変化・進化していかなければなりません。
このような市場には、プル型セールスいわゆる先様のニーズを引き出すコミュニケーションセールスまたはソリューションセールスが、最も適していると言われ成果も出ています。
今回の Part1 では、まず先様(顧客)を訪問するまでの様々な準備、シナリオを描くのに必要なポイントをお伝えいたします。

セールス:sales

1. セールスの役割
お客様の抱えている問題や困りごとを自社の商品やサービスを通じて、解決のお手伝いをする。
<< 結果として得られる成功 >>
【先様/お客様】
  ・大きな課題解決、目標達成
  ・会社、お客様自身が利益を得る
【営業/セールスマン】
  ・お客様に商品を提供し、利益を得る
  ・市場動向、お客様のニーズ、情報を得る

Win-Winと言われているが、上記を明確に意識し相互利益を目指すことが重要です。変化が著しい市場においても、お客様も同様に、会社、自分自身の成功を望んでいることを意識すること。
自分の成功(売ること)だけを優先してもなかなか上手くはいきません。

2. 販売形態は
・直販(ダイレクト)営業/セールス
   新規Ⅰ :顧客が新規
   新規Ⅱ(深耕):商品・サービスが新規
・間接営業 :代理店、販売店

ここで重要なポイントになるのが「インバウンドマーケティング」でリード収集を行い、『基本的に興味を持っている』顧客を洗い出すリードナーチャリングの仕組みを、作り上げることです。
新規開拓は、営業(セールス)マンの基本中の基本ですが、やみくもに飛び込み営業をするのはあまりにも効率が良くなく、営業(セールス)マンが疲弊し、営業(セールス)マンにとって重要な「高いモチベーション」が維持できなくなり、その結果クロージング率も下がります。

3.新規開拓の必要性
同業種の競合他社が多い中、比較的訪問しやすい顧客に「深耕開拓」ばかりをアプローチしていると・・・ずばり、1 年で10%、3 年で30%、5 年で50%の顧客を失う、と言われています。だからこそ新規開拓が必要です。
・顧客はいつまでも顧客であるとは限らない
 → 他社に(最も競合が多い業種の一つ)
  → 事業の統廃合
   → コスト削減(見えるものから、販促物等)
    → 内製化 など

4. 新規営業 / セールスのプロセスとポイント
事前準備:ポイントは話の組み立てを考え、話を円滑に進めるために
     シナリオ等、補足ツールをつくる
アプローチ:お客様は売り込みと分かっているので、良好な第一印象の
      促進を図る。「売り売り」の姿勢を前面に出さない
リサーチ:先様の話しやすい話題を提供し、話をさせる。
     糸口を探すためプレゼンテーション:ニーズに即した
     「問題解決」の提案。先様にどのようなベネフィットをもたらす
     のかを、具体的に
クロージング:心配事の真の理由を探る。食いついたらクロージング
アフターフォロー:多方面から情報提供、業務改善などの相談にも積極的に
       ※先様は複数の「NO」を出します。本当の「NO」を探る

先様訪問前の準備は?

1. 自分の予算に基づいた行動計画を立てる
場当たり・思い付きで行動するのはNG!行動計画を立て、計画に従って行動
年間の予算/月平均で〇〇
ターゲットのリスト化:リスト化することで、具体的な計画を立てる
※ インバウンドマーケティングより収集される
リードとバランスをとる。例えば新規リードに対し、インバウンドセールスチームが当たりをつける、など

2. 訪問する会社の業種・業界・会社情報を得る
※ インバウンドセールスにより「あたり」情報を入手・分析、事前に専門誌・Web 等で情報を取り、理解する。
仮説を立て、アプローチのシナリオを考える

3. 商品知識の確認
仮説に基づいて必要な機能をチェックして、FABE トークを具体的にイメージしておく。「持ち帰ってご連絡いたします・・・」とか、即答できない場合は、顧客からの不信感につながる。

4. 営業ツールを整え、持参物の整理
訪問目的に沿って持参するツールをチェックし、必要であれば作成もする。
ただし、先様の情報も取り切れていないので「情報を引き出すツール」を考える。情報を引き出すツールの例
・サンプル ・evidence / エビデンス ・実績(例えば他社事例等)
・会社を説明できるツール(自社案内,パンフレット等)
特に初めての訪問の場合は、第一印象が重要でその後の営業行為に影響するので、 慎重に準備する。

5. 身だしなみ
常識の範囲内で整える。清潔に。

キーマンとは?

訪問の際に、面談を求めたいのは誰なのか
例えば、MSP(マーケティングサービスプロバイダー)がアプローチした場合、 キーマンは、以下の3 人になります。
・決定権者  ・担当者  ・使用者

決定権者:総合的(コスト・効率・管理面等) に判断し最終的意思決定をする
担当者:中心になって印刷等、マーケティングツール、販売促進ツール及びその Web/ICT を利用した仕組みの発注を検討し、ツールを管理する
使用者:実際にマーケティングツールの仕組みを仕掛ける

勿論、最終的には決定権者と面談する必要はあります。
ただし、マーケティングツール(販促ツール及びICT を使った仕組み)を利用している担当者が最も情報を持っており、 今後の展望などを考えているので、情報を引き出す必要がある。また使用者の意見も、大きな「ヒント」「チャンス」になるためヒアリングを行い、情報収集する。

人間関係を築くには

 顧客には良い印象を与える必要があります。一つ覚えておいてください
Behavior / ビヘイビア: 行動・態度・立ち振る舞い・挙動・素行
顧客はあなたの「behavior」を観ています。
営業マンは、自身がどんな behavior を持っているか(顧客に自分がどのように映っているか)知っておく必要があります。

人間関係を築くには

■ 「感情に訴える」には
・笑顔      ・礼儀      ・挨拶
・誠実      ・ガツガツしない      
・良い情報提供をしてくれる
・顧客に興味を持っていることが伝わる

■ 「理性に訴える」には
・顧客の業種、業界を良く知っている
・(自社の)商品知識、競合の商品知識
・「視点」の捉え方が的確
・成功事例の紹介
・基本的な一般常識も

商談の際に必ず心がけること

■ 好感を持たれる6原則​
1. 相手に誠実な関心を寄せる​
2. おだやか​
3. 名前を覚える​
4. 傾聴力​
5. 顧客の関心のありかを汲み取り、反応する​
6. 独りよがりにならない

■ お役様の先入観
お客様は営業(セールス)マンに対して先入観を持っている場合が多くあります。何故なのか理解しておく事は、お客様に対する印象も違ってきます。​

営業(セールス)マンのイメージは

・ 口がうまい​
・ 押しつけがましい​
・ 自分の売り上げ(成績)の事しか考えていない​
・ すぐに売り込んでくる​
・ 忙しいのに仕事を中断させる​
・ こちらの事情、気持ちを考えない・・・ etc.​
 
当初は、上記のような先入観から良い接し方をしてくれないケースが多いが
「落ち込まない」ことが​大事です。​

まとめ:セールス(営業)マン Part1

セールス(営業)マンは、会社の代表として顧客を訪問します。​
したがって、顧客はセールス(営業)マンを通して会社を評価することになり、 セールス(営業)マンの応答の内容・仕方から、立ち振る舞いに至るまで顧客が観ていることを認識し、事前準備から訪問、その後の訪問まで気を抜かず、集中して臨むことが必要になります。
​また、基本的には対面による(コロナ禍でオンラインが増えているが)コミュニケーション力が大きく問われることになります。
 
『自分が伝えたい(言いたい)事ではなく、先様(顧客)が聴きたいことを伝え、自分が聞きたいように聞くのではなく、先様(顧客)が伝えたい事をしっかりと受け取ること』
が、本来のコミュニケーションです。コミュニケーションが円滑に進めば、ご自身の​成績にも大きく跳ね返ってきます。​
 
次章の「セールス(営業)マン」Part2では、コミュニケーションスキルを使い、必要な情報を入手し、商談を円滑に進行させ、成果を出していくスキルについてお伝えします。



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