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【WEBディレクション】チームマネジメントの難しさ【どうしたら良いの?】

はじめに

今回は、チームマネジメントの難しさについて話そうと思っています。
「難しいなんて分かってるよ」
と思われるでしょうが、ではどうしたら良いのかな、ということについて整理して考えていこうと思っています。

WEBサイト作るとなったけど素人の集まりだった

笑っちゃう状況ではありますが、実はこれが一番多いのじゃないかと思います。
ブログをやったことがある、Twitterやってます、記事の投稿をしたことがあります。
そういったことをやっている人はたくさんいます。
そして、それがとても上手な人もたくさんいます。

ですが、WEBサイトを一から作り、運営し、グロースし、KPIやKGIを達成するという流れを全て体験している人がそう多いとは思えません。

アイデアの段階からユーザー調査、ペルソナの設定、KPIをいつどこに持ってくるか、デザインはどうする、コンテンツのカテゴライズは、誰をターゲットにどんな記事を持ってくる、SEOにはどのように取り組む、分析タグの設定は、広告は運用かアフィか、サービスであればどのようなモデルを使うのか、会員制にするかクッキーだけでやれるのか、対応デバイスはPCかモバイルか、それともアプリか、そのどれを主軸において展開していくのか。

考えることは無限にあり、それらを全て体験し、ディレクションできる人はなかなかいません。

むしろ、その一部すら体験したことが無い人がほとんどではないでしょうか。
そういった人たちが集まった時に始まるのは、往々にして自分のフィールドに寄せていこうとすることです。
人は経験則、成功体験を信じようとします。
そのため、自分が過去に成功した土俵に相手を持ってこようとします。
しかし、成功体験は誰しもがそれぞれの粒度で持っているものであるため、こういった場合にいさかいが起きたり、信頼関係が損なわれたりします。

その場合どうするかというと、まずはWEBサイトを作るということがどういうことなのかを説明し、理解してもらい、共通の認識とすべきです。
この下で、どういう風にチームを作り上げていくと理想的かを書いていこうと思います。

どんな人がいればWEBサイトは出来上がるのか

チームの構成要員としては

・エンジニア、もしくはWEBサイト制作に明るい人
・WEBデザインについて制作経験もしくは制作依頼したことのある人
・SEOについて理解のある人
・コンテンツマーケティングについて経験のある人

などがいると良いと思いますが、いない場合は外部の協力を仰ぎましょう。
特に一からサイトを構築するのであればエンジニアの協力は不可欠です。
そして、下記のことを認識しておきましょう。

・WEB制作にはお金がかかる。ブログみたいに安い金額ではなく、何だかんだ数百万は最低かかる(人件費、インフラ費、ライセンス等含め)
・WEB制作には時間もかかる。一から作る場合、最低でも半年くらいは見ておいた方が良い。場合によっては一年かかることも視野に入れておくべき。
・良いコンテンツを出せばユーザーが喜ぶわけではない。ユーザーが欲している情報を理解しやすいように出していくことが大事
・出したコンテンツは出したままで終わらせない。常にリライトするタイミングを見計らって、最新の状態を保つべき

言いたいことは他にもあったりしますが、まずはこれですね。
よく、アジャイルにマーケにリーチするためにリーンスタートアップする(笑)とか言ったりしますが、そういうのはプロの仕事です。素人が同じことをやろうとすると痛い目見ます。デスマーチに入ると開発側も運用側も地獄を見ますのでご利用は計画的に。

WEB制作の「いろは」については別の記事で書きたいと思いますが、アイデア出しからサイト完成まで一年とかはザラですから、リリース日と予算を先に決めるのは止めておきましょう。

仮に予算もリリースも先に決めないと稟議が通らないのであれば、検討フェーズを長くとって、予算取りの時には制作会社もコンセプトもサイトの主要要件も決まった段階で、想定の1.3倍くらいの時間と費用を見込んだ方が良いです。
何事も無く上手く行くプロジェクトはありえません。

誰がまとめるべきなのか

では、人材がそろってWEBサイト制作を始める際に、誰がまとめ役をやるべきなのか。
一番役職が上の上司か、それとも一番意見を出していたあの人か、はたまたWEB制作経験豊富なこの人か。

実はどれも違います。
チームをまとめることができる人は、偉い人でもないしバリバリのエンジニアでもありません。

よく考えてください。
野球の監督は球団社長がやるべきですか?
もしくは往年の大打者や大投手がやるべきですか?
確かに野球が上手い人が監督になって成功した例もあるでしょう。しかし、必ず成功するとは限らない。
成功した人は、必ず監督という役割について学び、苦労して習得したのだと思います。
オーケストラで誰もが指揮できるわけではないのと同じように、チームマネジメントも、それを学んだ人がやるのが最も適しています。

とはいえ、チームマネジメントなんて一般的には軽視される傾向にありますから勉強した人なんてそうそうはいないでしょう。

では、限られた人材の中からどんな人がサイト制作をマネジメントするべきか。私は下記のように考えています。

・人の意見を傾聴できること
・プライドにこだわらず、何でも尋ねることができること
・自分から率先して勉強できること
・チームの皆から信頼されていること
・意見を取りまとめ、現実的な解決策を提示できること
・課題とスケジュールをきちんと理解できること

聖人君主か、と思うくらいな条件ですが、上の方に行くほど優先順位が高いです。そして、上から三つくらいを実践できる人は自然と皆から信頼されますし、残りの二つもできるようになっていきます。

チームマネジメントの難しさ

WEBサイトを制作するにあたって一番大事なのはチームマネジメントです。
チームがまとまり、同じ方向を向いてないと、せっかく良いコンテンツを出しても、ユーザーが離れていってしまいます。
その原因は、コンテンツ方針がバラバラになったり、デザイン方針がバラバラであるためにユーザビリティが悪くなったり、そもそもサービス提供の質にばらつきが出てしまうからです。
SEOなどに関しても、向いている方向がバラバラだとサイトに一貫性が無く、良い評価を得られない可能性もあります。

良いチームとはこんな感じになっていると思います。

1.どんなサイト運営をするか、誰に向かってどんなものを発信していくかがチームメンバー全員で共有されている
2.お互いの意見を否定せず、検討した中で客観的なデータを基に決定がなされる
3.誰もが仕事を人に押し付けず、率先して取り組む
4.それぞれが学習意欲を持ち、新しいことに取り組める

1.はカスタマージャーニーやペルソナを設定することで共有します。これらを作る時にも一人の意見が優先されないように、シミラーウェブなどを使ってデータや数値を基にして考えていくと、全員の納得感があります。
大抵の不和の原因は、それぞれが信じるものが理由も無く否定された時です。2.のようにお互いの意見が尊重され、結果としてより効果的であろうことが数字として証明されたのであれば納得できると思います。
ということで、一番もめる点は「数値として表現できないものをどう決定するか」です。

それをクリアしていくために、チームマネジメントができる人材が必要になりますし、上に書いた3.4.という部分が必要になります。
誰かが優遇されていたり、誰かがサボっていたり、非協力的であったりすると、自然と反発感が出てしまいます。それは、何かを決定するときのバイアスにつながります。

また、不勉強であるのに声だけが大きい人がいると、輪を乱す原因になります。スマートになることが大事なのではなく成長が遅くとも「共に努力していく」という姿勢がチーム内の不平を減らしていきます。

かといって勉強が苦手な人に「さあやれ」といってもすぐにはできないものです。
そういう時は動画やイラストを交えた全員での勉強会を開催し、ワークショップなどで成果を確認しあうことでお互いの連帯感が高まっていきます。

私はそういったセミナーやワークショップは、学習効果を高める意味合いよりも「共に学んだ」という部分での効果が高いと思っています。

最後に

今回は

・人材
・ディレクション
・チームビルディング

について話してみました。
必ずしもこれが正しい、というわけではありませんが、できるだけ近付けることでチームの雰囲気は良くなると思います。

実はここで話したことは一言で収まってしまいます。

「心理的安全性を担保する」

ということです。
意見を言ったり、問い合わせをしたり、誰かが誰かに遠慮したり、遠慮させたりする環境では全員が納得して良いものを作ることはできません。
そのため、お互いが自分のことを開示し、相手のことを受け入れることで「なんでも話して良いんだ。私の意見は否定されないんだ」という気持ちになれます。
それこそが、チームを上手く回していくコツですし、それができる人が良いチームマネージャーと言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?
もしこの記事があなたのWEB制作に少しでもお役に立てれば幸いです。
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承認する、これも「心理的安全性を担保する」一つの方法ですね。

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