中東へプチトリップ

美味しいものを食べるときは幸せだけど、食べたことのない外国の料理を心底美味しいと感じられたときは、格別の幸せを感じる。

今日はそんな体験をできた。

東中野のキャラヴァン・サライ包というお店で、アフガニスタン料理を食べた。

入り口から中が見えづらく、店のドアを開くときは少しだけ緊張したが、レトロで異国情緒の漂う店内は程よく暗くですぐに不思議と落ち着く。

料理の軸は羊らしく、だいたいが羊を使用したものになっている。羊といえばまさに大好物なのでどれも気になりメニュー選びに迷いに迷う。

長考の末、まずは生ビールと羊のつくね的な料理を注文する。

スパイスがほんのりときて、羊の肉のうまさを引き立ててくれる。良い感じのスタート。

続いて注文したのは鉄板で肉や野菜を焼きつけるカラフィというもので、ナスと羊の挽肉のトマト煮を選択。これをナンとヨーグルトで食べる。

これが感動するほど美味しかった。

ナスとひき肉とトマトと油の組み合わせは凶暴なうまさ。硬めのナンにつけて食べると、これまでに感じたことない快感に悶絶する。ど直球に食べたかったものが形を成して目の前にある。味付けも濃すぎず、薄すぎず、よく俺の好みをわかったねと褒めてあげたいくらいドンピシャ。

スパイスの辛味もなく、なんとも優しい味付けだ。

アフガニスタンといえば、オサマビンラディン氏くらいの知識しかなくて、28年間生きてきてそこに住む人たちのことを考えたことはなかった。

でも、遠く離れた人たちが同じものを食べて美味しいなぁと感じていると思うと、会ったこともない彼らに勝手に親近感が湧いてくる。

今日の朝起きたときには1ミリも関心のなかったアフガニスタンに少しだけ興味を持っていることが不思議でおもしろい。

さらにヨーグルトを合わせて、ナンと一緒に羊の挽肉を口にする。乳製品のコクが加わって、うまさのグルーヴは最高潮に。

となりには、常連のおばさまが反対側に座ったお子さん連れの主婦二人と談笑したりしていて、お店の空間も好きになっていく。

最後に、グルマンという羊の挽肉とゴマベースの担々麺的なものを食べて完食。

お会計はお酒も含めて4000円におさまる価格で、また感動。

絶対また来るんだろうなと思いながら、店を後にした。

ただ美味しいものを食べれただけでなく、自分の世界が少しだけ広がった気がして、なんとも豊かで満たされた気持ちだ。

 自宅から30分そこいらで、異国の素晴らしい食べ物、文化に触れられる東京の懐の深さ。東京に住むことのありがたみをここまで感じた夜はなかった。

ぜひ東京にいながらの中東へのプチトリップを多くの人に味わってほしいと感じた。


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